ナンパは難しい
「ハルトは昨日仕事に行ったから朝飯は1人か…」
食堂で朝食を買い、適当な席を探し座ろうと辺りを見回すとマリエが1人で座っているが見えた。
「声、かけてみるか…」
すたすたとそこの席に向かい朝食のお盆を置く。
「よう、おはよう」
軽く挨拶をする。
「――。なんか用?」
「いや、同じ騎士団だしなんか話そうかなって思って。」
「あっそ、つまり用はないってことでいいんだよね?」
「世間話っていう用がある。なんなら愚痴でもいいぜ」
「新しく入ってきた後輩が話しかけてくるっていう愚痴ならあるけど?」
「俺なら聞いてやれるぜ」
「余計なお世話よ。」
このままじゃ埒が明かないな…
正直、ここまで愛想がないとは思ってなかった。否、愛想がないというより笑顔をなくし、自分から人を遠ざけてるといるようにも感じた。
「色々、大変だったんだな。」
「――ッ!どこで聞いたの?」
マリエが驚いた表情で尋ねてくる。
「ハルトからだよここの騎士団に入った理由もな…」
「チッあいつからか…それで同情して話しかけてきたの?」
「いや、そんなわけでは…」
ない…と言いきれなかった。自分だって死んではないが、家族に会えないそれで同情してたのかもしれない。
「同情なら要らないわ…」
彼女はそう呟いた、でもその表情はとても悲しい顔をしていた。




