大人しく、大人しく
寝れない夜の意味付け
闇に溶けるアスファルト
130円握りしめる
イヤホン無しのスマホ
感傷を誘ってる
胸ポケットで130円分の音が鳴る
最近白くなってきた息
それに気づいた頃に、公園に着く
いつもの自販機
ココアが売り切れてた
しょうがないからコーヒーにした
冷たいベンチ
誤魔化すように缶を手のひらで転がす
ジャングルジムが昼よりも寂しげで
ブランコも揺れてなくて
わかってる
どこまで逃げられるのかなんて
帰る場所があってしまうから
わかってる
まだ子供で
大人じゃないこと
世界の背後には人間がいる
僕らは人間だから
人間にならないといけないらしい
その型は道徳とか理念とか成績とか
大人の好きな言葉で出来てて
なんだかいやらしい
この公園の使い方も
子供を遊ばせるくらいしか知らないんだろう
夜に大人達の罪の残骸が
嘆いていること
知らないんだろう
夜にブランコがこがれることも
ジャングルジムが月に似合うことも
こんな思春期の紆余曲折があったことも
たぶん、忘れてるんだろう
弄んだ缶を開けて
すすって
苦くて
ココアじゃない事に気づいた