第四話
どさ
クロードの前に、女の子が転がされました。
アレクサンドリーヌの祭壇のある広間でのことだす。
女の子は手足を縛られて、目隠しと口にさるぐつわを噛まされてむーむー言っていました。
「誰だこりゃ?」
「職人だ」
女の子を転がした従者が答えます。
それから、束縛を解いていくと、気弱そうな女の子です。
「ぷはっ、はわわ……ここ、どこですか……あなたたち、誰ですかぁ?」
女の子は前髪でさっさと目を隠して、きょどります。
気弱なメカクレ少女でした。
無論、背に伸ばした髪はストレートです。
おっぱいも大きい女の子でした。
クロードは、目が隠れては眼鏡をかけさせても萌えないなと思いました。
「ガラス職人、マリーよ」
祭壇の偉そうな玉座に座ったアレクサンドリーヌが威厳ある声を降らせます。
「は、はい、なんでしょうか」
女の子はアレクサンドリーヌの堂々たる風格に、平服せんばかりでした。
「そこな鍛冶職人クロードに助力し、わらわの視力を補う道具を作れ」
「へ?」
「つまり、こういうのを作りたいんだよ」
クロードが試作していた眼鏡のフレームを取り出します。
「ここにな、リーディングストーンみたいな、視線を通すと物がよく見える石をはめたいんだ」
「えっと……」
マリーと呼ばれた女の子が、まじまじと眼鏡フレームを手に取り観察します。
それから、あっと声を上げました。
「そういうレンズを作ればいいんですね」
「そうだろう、そうだろう。だがな、その、レンズ? リーディングストーン? の形を、自由に決めたんだ。そのためにいちから作れる職人が必要でさ」
「そ、そ、それが私?」
「そうだ。貴様にはわらわを助ける眼鏡を作るのだ。完成次第、帰宅を許す。また、報奨も思うがままである」
「そんなぁ」
ブラックすぎる労働条件にマリーがへなへなとへたり込みます。
そのマリーへと、クロードが視線の高さをあわせました。
熱いまなざしですが、マリーはメカクレなので視線は絡みません。
それでもマリーにも、そこに秘められた情熱がひしひしと感じまられました。
「頼む、マリーちゃん。俺はこの眼鏡ってやつに、命を燃やしている。しかし俺ひとりでは、理想に届かねぇ。頼む、この通りだ。どうか眼鏡作りを手伝って欲しい」
土下座待ったなしのクロードに、マリーはスカートの裾をぎゅっと握ります。
「わ、わかりました……私にできることなら……」
マリーは押しに弱い女の子でした。
「ありがとうマリーちゃん!」
クロードがマリーの両手を握りしめます。
マリーは人付き合いが苦手なので、顔真っ赤になりました。




