第二話
次の日、クロードは精魂尽き果てた様子で修道院へとやってきた。
「クロード、どうしたのそんなに疲労困憊して」
「リーディングストーンをよこせ……」
鬼気迫る表情は、尋常のものではありませんでした。
「早く! ふたつともだ!」
困惑するクリスティナにクロードが一喝します。
それだけでゴリアテ五人ぐらい吹き飛ばさん気勢がありました。
「は、はい!」
震える手でクリスティがクロードへとリーディングストーンを渡します。
するとクロードが鉄で作ったらしい枠組みを取り出して、それにふたつのリーディングストーンにはめ込みました。
それはまごうことなき眼鏡のカタチをしていました。
今でいうところのハズキルーペです。
クロードが一晩中鉄を叩きながら辿り着いた、己の感情を正しく出力した精華でした。
「わぁ、すごい……」
「かけろ!」
「え?」
「いいからかけるんだ!」
紅海を十個ぐらいいっぺんに割れそうなクロードの一喝でした。
ひぇと小さく悲鳴を上げてクリスティナがそのルーペ眼鏡をかけます。
人類史上に初めて読書家で巨乳で修道女で眼鏡っ娘が生まれました。
「すごいわね、クロード。こうすると手で動かさずに大きくものが見えるわ。クロード? クロード? ……し、死んでる!?」
あまりの尊さに、クロードは立ったまま死んでいました。
魂だけになったクロードは、天上の神に「よくやった。これで人類は新しいレベルに到達した」と褒められていました。
「クロード! クロード!」
しかし死んだクロードを抱きしめるクリスティナのおっぱいの感触に蘇りました。
生き返り際、神から「もっといろんな種類の眼鏡っ娘を頼むぞ」と人類の未来を託されました。
クロードはただ男らしく頷いて、生き返りました。
「ああ、クロード、死んじゃったかと思ったわ」
「俺は死ねん。もっとお前に似合う眼鏡を作り出すまでは……クリスティナ、綺麗だ。すごくかわいい。誰よりも美しいよ」
「えっ……そ、そんな……恥ずかしいわクロード。私なんか褒めてもしょうがないでしょう」
めっ、と頬を桜色に染めたクリスティナにクロードがたしなめられました。
読書家の巨乳な修道女の眼鏡っ娘にたしなめられました。
その際、クリスティナのポーズは眼鏡をちょっとだけずらして、口元がのあたりに持っていく感じでした。
聖画待ったなしの構図にクロードはまた死にました。




