改竄された職業1
毒島理科
彼女は科学が好きな女子高生だ。
井戸に向かうと1人の少女が井戸の中に何かを投入していた。
毒島だ。
何やってんだ!
「あれ?デカちゃん?この世界に来てたの?」
あぁ、別ルートでな。
「あ、そう、今実験してるから邪魔しないでね。邪魔したら殺すよ?」
物凄い狂気の含んだ笑顔で此方に語りかけてきた。
俺の知っている彼女は思いやりのある優しい性格だ。井戸に毒を撒くような事は決してしない。
が目の前にいる彼女は、楽しそうにそれを行なっている。
『主人殿、あの娘、何か変だ。嫌な感じがする。』
モグラが肩の上から話しかけてきた。
え?お前いたの?
『主人殿が宿を出る際に飛び乗った。妙な胸騒ぎがしたのでな。』
そうか、急いでここまで来たから気がつかなかった。
それより、毒島の何が変なんだ?
『あの娘の職業が【呪/薬師】になっている。』
呪薬師?
『その反応から主人殿の世界にもそのような職は無いのだな。』
ああ。
『主人殿、あの娘、職業に細工をされている。』
職業に細工?
『ああ、それで精神に異常が起きたのだと思われる。本来は、職に細工なぞ、できないのだが・・・』
止める方法は?
『今のところはない。それこそ、女神様を1柱連れてくるしか・・・』
「はいはい、キミなら出来ますよ?」
頭の中に能力の女神が話しかけてきた。
出来るってどういう意味だ?
「/に注目してください。」
/だと?