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獣人少女と店番

オオバコさんは袋を海の方に向け、蒸気船を取り出しそれに乗って水平線の彼方へと行ってしまった。

『目的の物は買えなかったな。』

そうだな。

オオバコさんに売った能力を買い戻す事が出来なかった。


「兄者、この剣はこっちに置くのか?」




店番をしながら彼女は自身の身の上を話してくれた。

まず、教えてくれたのは彼女が固有スキルで鑑定の様な事ができること。

使い勝手は悪いらしく、隠蔽や改竄による妨害は受けないが数字だけ見えないらしい。

(道具だったら売値と買値が見えないから商人としては致命的。)



病気の母親がおり、冒険者になったのは良いのだが、なかなか上手くいかず、ダンジョン内で盗みを働きそれを売るという生活をしていたそうだ。

(その際、片っ端から盗んだ物の値段を逐一記憶したそうだ。)

ある日、いつもの様に獲物を探してダンジョンに潜った際、見たこともない様な立派な武具が並んでいる店があった。

そこの店主は妙齢の女性オオバコさんで周囲に護衛がおらず、商人特有のスキル(艦艇系統のスキルや泥棒された時に起動できるあれ)を所有していなかったそうだ。

これなら楽勝と思い、いつもの様に盗もうとしたが捕まった。


当然、オオバコさんはギルドに突き出したが、彼女の事情を知ると自分の弟子にし、母親の病気に効く薬も出してくれたそうだ。


「お?迷宮の中に店があるんかい。」

大柄の女性が店にやって来た。


「刀鍛冶を生業にしてんだが、コイツを買い取ってくれるか?」

冒険者の人って兼業の人もいるのか。


「兄者、先に見るよ。」

妹弟子は女性から剣を受け取り凝視した。


「近くの集落に工房を作る予定なんだが、素材を買うための銭が欲しくてな。まぁ、銭がないから素材を取るためにこうこうして迷宮に赴いたんだが。」



妹弟子の査定が終わった。

「兄者、この剣、特殊な能力は無いけど、かなりの業物だと思う。」


妹弟子が言うなら業物なのだろうが、数字が見えない彼女には攻撃力の補正がどのくらいかは見えない。


鑑定を使ってみた。



炭酸刀【コーラ】

攻撃力0



はぁ!?

武器の銘が変な事よりも攻撃力の補正が0な事に目が行った。



()()()()()()()()()()()()()()()()()()()?」


「兄者、珍しい物なので買い取って好事家にでも売るのが良いかも。」

まあ、そうだな。

(元いた世界なら国宝かもな・・・。)



「こっちは異能とやらで打った刀だ。こっちの査定も頼む。」

刀鍛冶の女性はでかい唐辛子を袋から取り出した。

これ、刀だよな?



獅子唐【鷹の爪】

攻撃力−20

防御力−10


斬られた生物は、斬られた箇所が傷口に唐辛子を塗られたような痛みを負う。


効果は中々エグいが、何でステータスが下がるんだよ・・・。

こんなもん、売値つけられるのか?


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