クホウトのギルドにて
購入した馬の速度はバイク並みでかなり速い。
馬型のバイクでは?と思うくらいに。
『クホウトに付いたな。神社に行く前に風来者の組合に寄って俺と契約しておいた方が良いだろう。』
契約?
『ああ、従魔として登録しておくと迷宮にも同行できるしな。お、町が見えてきたな・・・ん?前に来た時には無かった建物が・・・。』
木造建築の中に明らかに浮いているビルが建っていた。
『今は、気にしてる時間はないな。お前さんの目的は神社だろう?なら早めに風来者の組合に行き俺と契約した方がいい。神社に人が居るのは夕方までだからな。』
モグラの案内で冒険者ギルドにやってきた。
「お?風来者か?」
おっさんが話しかけて来た。
受付嬢は・・・というより女性が1人もいない。
「今日は事務方に他の任を出してしまったから俺しかいないんだ。別嬪さんを見に来たなら済まないな。」
男は苦笑いをしながら平謝りをした。
「このモグラの従魔登録をしていただきたいのですが・・・。」
本題に入る。
「モグラね。従魔登録って事は魔物か。長年風来者をやっているが見た事ない種だな。変異個体か?」
『ああ、変異個体だ。この男、かなりの実力者だな。』
見ただけで判るのか?
『相当な修羅場を掻い潜って来ている。位階も相当なものだ。』
「坊主、この国に暫くいないか?先日、次元猪って言う魔物の群れの襲撃を受けて風来者が不足しててな。仕事はかなりあるんだ。」
こちとら登録したての新人なんだが・・・。
『次元猪が襲撃してきただと?有り得ない・・・。この地が全く荒れていないからまだ、来てないもの方ばかり・・・誰がが倒したのか?予言の数だと迎撃は不可能なはず。奴らは一度視認すると相手の息の根が止まるまで空間移動しながら突進を続ける。一体誰が・・・?』
土竜は首を傾げていた。
ガラッと扉が開く音がした。
『弁当を届けに来たっス』
喋る黒猫が1匹入ってきた。
「お?クロ助、お前1人か?護衛はどうした?」
どうやらこの男、猫の言葉を理解している様だ。
『大丈夫っスよ。今ここに来てるの魂だけっスから。届けたんでドロンするっス。』
クロネコは体から煙を出してそのまま消えてしまった。
何だったんだ今の・・・?