ダブルUMA
馬の元へ行くと本当にモグラが上に乗っかっていた。
ただのモグラではなくヘルメットやサングラス、ツルハシを完全装備した掘削作業員スタイルのファンタジーモグラである。
『お前が、この馬を買ったのか?』
そう言われた気がしたので軽く頷いた。
『お前みたいな変わり者で強い奴を待っていた。』
気のせいじゃ無いな。このモグラ、俺に語りかけてる。
『我の名は土竜。人々からはアースドラゴンなどと呼ばれている。我の頼みを聞いて欲しい。』
場合によってはモグラも引き取る予定だったが、モグラの方がUMAだったとは・・・。
『我をクホウトの国まで連れて行って欲しい。もうじき、あの地が荒れる事態になる。そうなる前に・・・』
何で、自分で行かないんだ?
ドラゴンなら飛んで直ぐに行けるだろう?
『・・・竜と言っても翼を持ってないのでな。走るしかないのだ。』
どの道この先にあるクホウトに向かう予定だったから構わない。
『さぁ、馬に乗れ。我はお前の肩に乗る。』
モグラは肩に乗ってきた。
意外に重い。
馬を走らせ始めると、モグラが語りかけてきた。
『この馬は合成種で海の中でも移動できる凄い奴だ。それに乗馬の経験がなくても走ってくれるスキルを持っている。馬屋の主人は見抜けなかったみたいだがな。鑑定してもレベルが足りんのだろうな。』
馬もUMAだった・・・。