UMAは買わないよ
街道を少し進むと女の子の言っていた通り馬を売ってくれるところがあった。
「いらっしゃいませ。お客さん、いいところに来たね。」
こういう店に入ると向こうから来るタイプの人は苦手だ。
「新しい竜が入ったんだよ。新種だよ!」
見渡すと確かに普通の馬はいるが、大きいトカゲみたいなものもいた。
店主が言ってるのはコレだな。
「南にある異国から取り寄せた竜種だよ。馬と違って多少の戦闘もしてくれるぞ。まぁ、速度ではかなり劣るんだがな。」
店主にバレないようにこっそりと鑑定してみたら、あれはコモドオオトカゲだった。
いや、UMAは買わないよ。
俺のいた世界じゃUMAじゃないけどな。
「安くしとくよ?」
買いたくないので苦笑いしながら店の人から視線を外したら見た事のない木の実があった。
気になったので、それを鑑定した。
大小の実
食べると身体のサイズを変化させる魔法を覚えられる。
小さくなるとステータスが何割か低下する。
「馬とそこにある木の実を買いたい。」
店主は一瞬、ゑ?という表情をし、直ぐに元の表情に戻り
「その実は効果が良くわからないから持っていっていいよ。あんた、いくら持ってる?」
現在持っている額を伝えた。
「それならあの馬だな。」
馬の頭の上に土竜が乗っかっていた。
「馬は普通なんだがな・・・土竜が乗っかって退かなくて中々売れないんだよ。無理に引き離そうとすると攻撃されるしな。」
訳ありかよ・・・。
まぁ、土竜がセットでお買い得と考えよう。