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身なりの良い少女

組合併設の宿で一晩過ごし、日が昇るより前にキタムサシを出発した。



「すまぬ、キタムサシはどっちじゃ?」

身なりが良い小柄な少女が話しかけてきた。

ここは聞こえないフリをしておこう。


「お主、キタムサシはどっちじゃと聞いてるであろう?答えよ!」

聞こえないフリをしていたら目の前に来てムッとした表情で叫んできた。


偉そうな女の子だが、本当に偉い人だったら困るので正直に答える事にした。


「直ぐそこにあるのがキタムサシですよ。」

「そうか、近くまで来ていたとは。かたじけない。

ところで、お主、本当に商人か?」

普通の商人ですが・・・。とだけ答えた。


「荷が無いから不思議なんじゃよ。それに位階が・・・いや、失礼した。詮索は良くないな。」 

位階、即ちレベルを見られたのか。

だが、少女はそれ以上の詮索はしない様だ。


「成る程、礼を兼ねて1つ忠告じゃ。荷が運べる異能があるなら偽装くらいしておくと良い。異界では知らぬが、この世界で奇異な異能は中々使い手が居らんからな。飼い殺されかねんぞ?この先に馬と馬車を売ってくれ所があるからこれで一頭買うと良い」

俺の表情から何かを察したのかアドバイスをくれた。

ついでにお金の入った袋もくれた。


「では、さらばじゃ!」

少女は高笑いしながら走り去っていった。











「アケヒデか。」

「コトナガ様、1人で歩き回らないで下さいませ。」

「それは断る。お主らがいると物々しくて情報の一つも集められぬからな。」


「クホウトへ進む拠点にする為に、キタムサシを落とすぞ。良いな?」


「仰せのままに。」


数日と経たないうちにキタムサシは帝国領となった。

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