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限界コミュ障オタクですが、異世界で旅に出ます!  作者: 冬葉ミト
第2章 お金がすっからかんになったので、資金調達します!
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ドンパチ賑やかな錬金術師さん。ナントカ無双ってやつですか?

「あぁ……とんでもない目に遭いましたよ……。ところで白い髪の方、名前をお伺いしても?」

「お騒がせしました。わたしはエリシア・ラーダと申します。19歳で一応錬金術師やってます」

「自分はサンバー・レスターです。以後お見知りおきを。それで小さい方の魔法使いがフーリエ・マセラティです」

「わざわざ小さい言う必要ある? まぁよろしく。こっちの魔法使いはリラ。挙動不審だけど超人見知りなだけだから」

「はは、初めましてモトヤマ・リラです……フーリエちゃんと姉を探す旅をしてます……」



 挨拶が済むと、エリシアさんは記者であるサンバーさんの質問攻めに遭っていました。一方でエリシアさんは人が変わったように大人しくなりました。

 よく見れば容姿端麗で清楚系。シャツの上に薄水色のケープコート、下はショートパンツで左目にはモノクルをかけています。

 この見た目で銃を乱射したり、変態だなんて想像できません。



「それで、なぜエリシアさんはこのダンジョンに?」

「実は酔っぱらって森で遭難していて……そしたらあなた達を見つけて、ダンジョンに入る様子だったので追っていたんです。この周辺は知らない土地ですから街までの道を聞きたかったですし、ついでに魔物の素材も集められそうだったので」

「遭難するって、ここまでの道はグノーシから続く一本道しかありませんよ? どんだけ呑んだのですか」

「ウイスキーが2本にウォッカが3本? あとビールも5本くらい開けた記憶が」



 どうやらエリシアさんはとんでもない酒豪のようです。やべぇ。

 「もうここを出よう」とフーリエちゃんは耳打ちしてきましたが、なんやかんや奥まで来てしまいましたし「もう少ししたら後は帰るだけですから」と続行を申し入れました。

 ちょうどサンバーさんによるエリシアさんへの質問攻めで、フーリエちゃんには被害が及んでいませんし。



「では、その銃はどこで手に入れたのです? サンバーの知る限りでは、まだ開発もされていないタイプですが」

「普通の平原で拾いましたよ? ただ謎の物品が転がってるスポットですが。あなた達もご存知では」

「別の時代と繋がっていて、過去の文明の遺物や、遠い未来の産物が落ちてくると噂のワープホールですか」

「そうです。観察していたら使い方が分かったので、護身用として持ち歩いているんです」



 そんな場所があるんですね! 違う時代からやってきた物品なんてロマンの塊じゃないですか! 失われた魔法の技術や、姿かたちを変えた未来の魔法とか胸が躍ります!

 “十分に発達した科学技術は、魔法と見分けがつかない” という言葉の逆で、未来ではテレビや冷蔵庫が魔法で生み出されているのでしょうか。


 そんな妄想を膨らませていると、先行するサンバーさんが歩みを止めました。

 見ると、またもや魔物が行く手を阻んでいます。今度はカナヘビみたいな魔物ですが、本ッ当に生息数どうなってるんですか!? RPGだってこんなにエンカウントしませんよ! 理不尽なクソゲーですか?



「ダンジョンの様子がおかしい。こいつは何か裏があります」

「とりあえず全部倒しちゃえばいいのでしょう? お任せください!」



 エリシアさんが前に出ると、またもマシンガンを構えて引き金を引きました。



「野郎ぶっ殺してやらぁぁぁぁ!!!」



 物騒なセリフと共にマシンガンをぶっぱなすエリシアさん。眼にも止まらぬ速さで発射される銃弾に貫かれ、30秒とかからず全て討伐。私もフーリエちゃんもサンバーさんも、その光景に呆然としていました。



「ふう、こんくらい楽勝。おや、どうしました?何かやっちゃいました?」

「もうこの人だけでいいんじゃないかな」

「エリシアさんがいる限り死体は増えそうです」

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