表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者を否定されて追放されたため使いどころを失った、勇者の証しの無駄遣い  作者: 網野ホウ
米からの騒動編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

329/492

例のブツが行方不明 まぁ、拾ったのが卵でよかったなっつーことで

 そして翌日の夕方。

 それなりに身なりを整えた母子と、相変わらずリースナーにスリスリしてるガンジュウ。

 ところでこいつの名前、決めてないのか?

 まぁどうでもいいが。


「みなさん、今までお世話になりました」

「こっちこそいろいろ助かりました」

「面倒事もあったけど、それはリースナーさんのせいじゃないからね」


 コーティの言う通り。

 でも何となく毒を含んでるような言い方に聞こえるのは……普段の言動のせいだな。


「いえ……そんな……」


 遠慮の言い合い程、不毛なことはない。

 とっとと用件済ませて追い出すに限る。


「で、だ。こいつを持ってってくれ。十二時間は持つと思うし、消費し切れるだろ。出来立てだし。夕食と夜食。余りそうだったら、付き添いの冒険者達の誰かにあげてやんな」

「そ、そんな……」

「おぉ、その手があったかぁ」


 テンちゃんが感心してる。

 温かい、と、あったか、をかけてるつもりじゃないだろうが、何となく寒く感じるぞ?


「……本当に、今までいろんなお気遣いを……」

「ありがとうございましたっ」


 ガキの方は、来た時とは見違えるほど礼儀正しく挨拶をしてきた。

 ドーセンにいろいろ叩き込まれたな?

 だが、それは多分、これからのこいつらの仕事に、よほど役立つ武器になるんじゃねぇかなぁ。


「んじゃアラタ、この二人と一匹の出発を見届けたら報告に来るぜ?」

「んな大仰にしなくていいよ。俺らの役目はここで見送ることで終わりだかんな」


 十五人くらいの冒険者達に守られながらの出発。

 暴れようとしたガンジュウの素材で、どれほど恩恵を受けたんだろうな、こいつら。

 そこんとこはちょっと興味がある。


「じゃあ……みなさん、今まで本当にありがとうございました。また何かご縁があったら、お世話になります」

「そんときゃこっちが、そっちが起こした事業の世話になる時、ってことになってほしいもんだわ。……達者でな」

「またねー」

「バイバーイ」

「お元気で」

「また来なよー」


 みんなからの声に送られて、そして冒険者達に守られながら店の前から去っていく母子達。

 そして……。


「さて……槍衾も完全に外されたし、集団戦も手伝いの連中も、明日から再開すんぞ」

「おお」

「がんばんべかな」

「しょーがないわね」

「はいっ。頑張りましょう!」


 またいつもの日常が始まる。

 そして待望の、俺ののんべんだらりな毎日も。


「アラタも手伝いにやらせてばかりじゃなく、手が空いたら何かお仕事してよね?」


 やってくることに期待する。

 今まで散々頭脳労働してきたんだからいいじゃねぇか……。

 それにしても、うんこと卵を間違えて、それからここまで問題が発展したか。

 もしあの母子が見つけた物体がうんこだったなら。

 うんこってことは、その魔物のお通じがよかったってことで。

 くそ、つまらなかった出来事。

 つまり、くっそつまんねぇことになってたかもしれねぇ、と。

 ……普通のうんこってことは、脱水症状じゃないって訳だから……。


 下らねぇこと言ってんな、俺。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

よろしければ、ブックマーク評価感想をいただけると嬉しいです

cont_access.php?citi_cont_id=229284041&s

ジャンル別年間1位になりました。
俺の店の屋根裏がいろんな異世界ダンジョンの安全地帯らしいから、握り飯を差し入れてる~


ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ