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ヘアツ・ズーヘン  作者: 霊桜
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プロローグ

あるところに、完璧に近い少女がいた。

その少女は、2歳で意思疎通ができ、4歳になる頃には既に高校生レベルの知識を有し、10歳·····詰まるところ今現在。

ありとあらゆる知識を持ち、30カ国語を読み、話し、書いたりすることができるという、所謂【天才】と呼ばれる少女。

だが、その少女には1つだけ足りないモノがあった·····。

人間には絶対にあるモノ·····すなわち、【心】。


彼女には、【心】·····【感情】が無かった。


故に、いつも無表情で、何でもできることに加え、アルビノ個体特有の真っ白な髪の毛や肌、そして紅玉の瞳·····。

周りの人間からは、当然のように忌み嫌われた。


まるで機械のような····いや、殆ど機械の少女は······


―――――唯一自分の有していない知識····すなわち、【心】を理解してみたかった。

人間には必ずある、感情。心を·····


少なくとも、それを知れば何故自分を奇異な目で見るのか、罵倒するのかが、理解できる筈だと不確かな根拠で確信した。


心という、あまりに不確かな、実体が無い····そんな曖昧なモノを、自分には無いモノを···解析してみたかった。



きっと、本などでは解析は不可能だろうと判断し、地道に人を観察し、心を得ようとした。


だが、やはり世界はそう上手くはできていなかった。


物語の様に、オチがある訳でもなく。

ゲームの様に、明確なルールがある訳でもなく。

両者に共通する、ストーリがある訳でもない。


そう、【心】だけは····誰に聞いても、何を読んでも、観察しても。やすやすと理解できる代物ではなかった。


様々な演算や、行動、観察を実行したが、未解析のままあらたな疑問が数多く生じてしまった。


そんなある日、少女に転機が訪れた。


10歳の誕生日を迎えてまだ間もない頃。

少女が6歳の時に離婚した母親が、再婚した。その時の、相手の人には二人の子供がいた。

そのうちの一人、見た目から推測すると弟だろうか。その青年に、少女は疑問を抱いた。


―――――どうして、心が無いフリをしているの?


そう、思った。

けれど、人間は心が存在していると【知識】程度には知っていたから、少女はその青年に興味を持った。

その様子に、母親は不思議そうな顔をしていたが、少女はそんな事気にもしなかった。

やっと、心を知る為の第一歩に到達したのだから。


そうして、その少女は青年の心を自分なりに、青年に無理が掛からないように、慎重に解析をしていった。

心の無い女の子と、心を閉ざしたい青年の、少しだけ似ていて、あまり似ていない。

そんな二人が、どういう物語を紡いでくれるのか······。

是非、お楽しみください

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