本物のカタチ
人がいる
悩んでいる
白紙のキャンバスに
何色でもない筆をのせて
雲が灰色に染まり始める
アスファルトの道を
歩き出す
人がいる
昨日も今日も悩んでいる
線で乱れたキャンバスに
鉛筆を持って、筆を置いて
雨が肌色を透かし始める
ふと、立ち止まる
アスファルトの道を外れ
歩き出す
草原があった
森林があった
息を止めて風を感じた
人は思い出す
答えは、すぐそこにあるのだと
雨が、止みだした
砂浜があった
海原があった
息を吸って風を感じた
人は思い出す
答えは、どこにでもあるのだと
青空が、雲間から覗いた
人は気付いた
雨上がり
巨大なアーチの
ここにしかない色のカタチに
人がいる
いまだ悩む
色鮮やかなキャンバスに
何色にもなる筆を
走らせながら
雲の奥にはただただ
青い、青い空が広がっている
この世界に根付く常識に酔いしれる、貴方はきっと素晴らしい方
もしくは、疲れているのかも