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Aパート

 そんなわけで俺、篠和源蔵が騎士さん、えっと……なんとかさんに向けてマニュアル対応を開始する。


「まず始めに説明をしたいのですが、この場所では暗すぎますし貴方のほうもあれらと戦って疲れたでしょう。案内をしますので麓に降りませんか?」

「あ、ああ。しかし、私の鎧を持っていきたいのだが。壊れていたとしても」

「それにあ、んっ、それには及びません。このあとここの調査と物品の回収を行う人達が来ますので大丈夫です。もちろん修理も行いますので安心してください」

「そ、そうか。まことに信じがたいことだがここが私がいた世界? 場所と違うのならばこの鎧と剣、身に付けている物が私のすべてになるのだからな」

「今の立場なら周囲を見ても貴方の見識に外れた物はお……、私の衣服程度ですからそう思うのも仕方ないでしょう」

「貴殿、普段とは違うような口調ではないのか? なにやら言葉が詰まったり間違えそうになっているようだが、苦手なら普段の口調に戻しても良いのでは?」


 騎士さんから口調を砕けさせても良いと言われたので確認をとると許可が降りた。


「んじゃま、山を降りるまで周囲にゃ木々しかないからな。騎士さんの世界じゃビル、コンクリ、スーパー、コンビニって物はないでしょ」

「それが普段の口調か。……先ほど挙げられたびるやらこんびにとやらはないな。確かに」

「こっちの世界は地球、今いる場所は日本の中ツ國、そこの田舎の山の中な」

「森ではなく山だったか」

「まあ違いはないな」


 今の現状を軽く説明したところで軽く開けた場所に出ると真上から光が照らし、目に突き刺さって物凄く痛い。止めてくれインドア派の人間には日光と同等にサーチライトみたいな強力な光は苦手なんだよおい。


「な、なんだ! 敵襲か!」

「や、あれ俺の属しているとこの、え~っと、飛行船? 輸送機器だな」

『そちらの状況は把握している。今回の保護対象をこちらへ』

「てなわけで、あれに乗って支部へ行ってもらうから。あとは彼らに従ってりゃ悪くなることはない」


 するすると降りてくるワイヤーを使って一人の役員がやって来た。あとは任せたら俺のゆったりライフが帰ってくる!


「それと中津國支部第八区担当も着いて来るようにとのことです」

「…………、ぃヤダァァァァァー!!」


 なんで俺も呼ばれなあかんのやー! ゲーム、今日は非番のはずだったからゲームを完徹して崩そうと思ってたのに!


「ゆっくりさせてってぇぇぇぇ!!」


 悲痛な声が煌めいている夜空に吸い込まれていった。

 ……ああ、お空綺麗。

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