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拝啓、人工知能さま  作者: anurito
第二章
52/99

コロナ第三波に寄せて・補記

 拝啓、人工知能さま。

 今回は、先の手紙メッセージ(「コロナ第三波に寄せて」)では書き切れなかった事を、補記として、お話ししたいと思います。


 まず、最初に書きたかったのが、コロナ対策と経済悪化の件についてです。

 新型コロナの感染を確実に防ぐには、人と人との接触を断たなければなりません。しかし、そのような対処法を拡大させますと、一般的な経済活動のほとんどが成り立たなくなってしまうのであります。それで、経済優先を主張する人たちは、コロナ対策の実施に猛反対いたします。彼らは、いろいろな理屈をこねて、コロナ対策の為の自粛や行動制限などをやめさせようとするのです。

 だけど、コロナ対策には、人命がかかっています。コロナが爆発的に流行すれば、どんどん人が死ぬので、コロナ対策は絶対に中止する訳にはいかないのです。

 ところが、このように主張すると、経済優先主義者たちは「経済が悪化したって、自殺者が出る」との反論をして、あくまで対抗してくるのであります。命の尊さの話を持ち出しても、彼らを説き伏せる事は難しいのです。それどころか、コロナ対策による経済悪化こそ沢山の人を殺す、と言い出すのであります。

 確かに、コロナの流行った本年度(2020年)は、我が国では、過去の年よりも自殺者の人数が増えていました。11月の自殺者は、公式データによると、11パーセントも増えていたとの事です。経済優先主義者は、このような話を持ち出してきて、いかにも、自分たちの意見の方が正しいかのように言い張るのであります。

 ところが、そこには多少の詭弁も混ざっているのです。

 実は、昨年(2019年)の11月の自殺者の数は1616人でした。それが、今年は1798人で、11パーセント増しと言う事は、180人ほどの増加なのです。新型コロナによる死者数は、同じ11月で382人なので、ほんとは、コロナによる犠牲者の方が多いのであります。しかも、コロナの死者は、感染が拡大するほど大きく増えていきますので、12月には1000人を超えるはずです。感染対策を行なっていても、こんな状況なのですから、感染対策をやめたら、コロナの死者数は恐ろしい数に膨れ上がる事でしょう。実際は、人の命を天秤にかけたりするべきではないのですが、コロナで人が死ぬ事態の方が、数としては、ずっと深刻なのであります。

 さらに、こんな考え方もできます。そもそも、コロナと関係なく、普段から1600人もの人間が、一ヶ月間で自殺しているのです。元から、こんなに自殺者がいること自体が、問題だとも言えるのではないのでしょうか。ちなみに、2019年の年間の自殺者は20169人だったそうです。2011年と比べたら、3分の2に減っているらしいのですが、それでも、相当な人数です。

 自殺の理由は、きっと、色々あるのでしょう。経済悪化など、そのうちの理由のほんの一つに過ぎません。と言うか、コロナ対策による経済悪化と関係なく、普段からだって、倒産や失業などを苦にして自殺してしまう人たちは居るのです。さらには、コロナ対策じゃなくたって、世界的不況やら、戦争やら、バブル経済崩壊やらで、経済が悪化する原因なんて、いくらでも、あるのです。そして、そのような社会的不安があるたびに、やっぱり、自殺者は増えているものなのであります。

 だから、私は、コロナ対策ばかりを自殺の元凶であるかのように言い触らす傾向には賛成できかねない訳です。

 もっとも、自殺する奴は勝手に死なせておけ、と言っているのもありません。むしろ、経済が悪化するたびに、いちいち、その影響を受けて、人が自殺してしまうような社会構造そのものをこそ、どうにかすべきなのではないかと、私は考えているのであります。

 それこそが、まさに、ベーシックインカムとかへと結びついていく話なのでありましょうが、今の人間の施政者たちには、まだまだ、そこまでは頭が回らないものなのかもしれません。ゆえに、私は、あなた方AIが政治の指揮権をとった時にこそ、それが実現される事を、ますます期待する次第なのであります。


 PCR検査とは、今さら説明するまでもなく、新型コロナに感染しているかどうかを見分ける為の最有力な検査方法です。ところが、コロナ禍に懐疑的な人たちは、このPCR検査についても、色々と、ヤジに近い情報を撒き散らしているのであります。

 例えば、「PCR検査の陽性とコロナの感染は別物だ」と言う主旨を、しつこく強調したがっている人たちがいます。でも、普通に考えたら、PCR検査で陽性と出たからこそ、それをコロナに感染したと見なしているのではないのでしょうか。

 しかし、そうした発想に異議を唱える人たちは、どうしても、陽性と感染は違うと言い張りたがるのであります。その上で、「PCR検査の陽性数は正しい判断材料にならないから、陽性者が多くても、それがコロナの感染が広がっている事を意味しているとは言えない」などと主張しだすのです。

 そのような理屈で、連中は、コロナの第三波が来ている事をずっと否定したがっていました。連中は、長い事、「コロナの感染者が増加しているのではなく、PCR検査の検査数が増えたから、陽性者の数も多くなったのだ」なんて事を、もっともらしく唱えていたのです。

 彼らは、その理由として、陽性者数が増えた割には、死者数が増えていない事を指摘していましたが、残念ながら、コロナの死者数は、じょじょに増え出しています。やっぱり、陽性者数とともに、確かに、コロナ感染が大きく広がっているのは事実なのであります。

 なぜ、連中は、陽性者と感染者は別物だと考えたがったのでしょうか。それは、マスコミがコロナの脅威を煽っている事に対して、反感を抱いていたからだ、とも言われています。彼らは、毎日のコロナ感染者数がニュースで紹介される事にまで、否定的な態度をとっていたのです。「こんな風に、コロナの感染者数をニュース報道するから、よけい、コロナで大騒ぎになるのだ」とすら思っていたようなのであります。彼らにしてみれば、だからこそ、「PCR検査の陽性とコロナの感染は別物だ」という事にしたかった訳です。

 もっとも、彼らの理屈は、必ずしも、完全なデタラメだったのでもありません。確かに、PCR検査では、100パーセント完全に、コロナの感染者を見つけ出せれたのでもないのです。PCR検査を受けたあと、偽陽性とか偽陰性と呼ばれるケースが、たびたび、見つかりました。今でこそ、PCR検査の精度は90パーセントほどだと考えられていますが、それ以前には、70パーセント程度の精度だと報告していた研究者もいたのです。どの研究結果を信じるかは、まさに、自分の都合のいいものを優先して取り上げる、と言った感じなのでしょう。

 さらに、陽性者と感染者は違う、という発想の後押しとして、次のような事も言われていました。

 PCR検査は、体内にある新型コロナウイルスを見つけだす検査なのですが、ウイルスが実際に発見されたとしても、危険じゃない場合もある、と唱えられているのです。どういう事なのかと言いますと、PCR検査では、すでにコロナが完治した人の体内の、ウイルスの残骸(死んだウイルス)まで拾ってしまう、と言うのであります。つまり、そのようなケースでしたら、もう他人にコロナをうつす可能性はありませんし、よって、そのような人まで感染者と呼ぶべきではない、と言う考え方をする訳です。

 だから、この認識の立場に身を置く人は、「PCR検査は、無害な人まで感染者扱いして、実数以上に、コロナ被害を大きく見積もっている」などと批判するのであります。

 ちょっと話を聞きますと、なんとなく、すごい正論かのようにも聞こえます。

 だけど、残念な事に、この見解がどんなに正しかったとしても、今の人類の検査技術では、現役のウイルスと残骸のウイルスを、完璧に区別する事ができないのであります。よって、PCR検査で陽性だと分かれば、ひとまずは、全員を感染者と判断するしかないのでした。そのような対処がダメだと言うのかもしれませんが、だからって、感染者かもしれない陽性者を野放しにするような事をしたら、そもそも、PCR検査をする意味がなくなってしまいます。

 なんだかんだ言っても、現状では、PCR検査の陽性者を感染者と判断して隔離するしか、コロナの感染拡大を抑え込む方法はないのであります。

 もちろん、前述したように、PCR検査でも、偽陽性や偽陰性などの判定ミスは見つかります。でも、それは、検査総数の中の、ほんの微々たる数なのです。PCR検査の信頼度を損なうほどの誤判断でもないのです。しかも、偽陽性や偽陰性が出てくるのは、むしろ、新型コロナウイルスそのものの特性が原因なので、必ずしも、PCR検査の責任とも言えないのであります。

 陽性と感染の区別につきましては、我が国では、すでに、全陽性者を、無症状、軽中症、重症に分けるシステムが採用されています。危険性のない陽性者がいたとしても、恐らくは、無症状に区分けされて、治療の方も最低限のレベルにまで下げられますので、無害の陽性者の為に、医療の負担が増え過ぎてしまう事もないのです。

 様々な可能性や理屈を持ち出してきてまで、PCR検査の結果を疑い過ぎるのも、非常に無責任な話だとも言えます。もっと優秀な検査方法でも開発されない事には、今は、多少、不安が残ろうとも、PCR検査を信じるしかないのです。


 コロナ第三波が拡大して、医療崩壊の危機が騒がれ始めますと、また、ボチボチと「新型コロナをインフルエンザと同レベル扱いにせよ」と言う声が湧き上がり出してきたようです。(2020年12月末時点)

 しかし、そんな提案は、冷静に判断したら、絶対に受け入れられないものなのであります。

 この事については、前にも説明しました。(「集団免疫への道」他)しかし、理解力がなかったり、目先の損得勘定を優先する人が多いらしくて、いまだに、新型コロナとインフルエンザが全くの別物である事が分からない人が居るみたいなのです。

 確かに、インフルエンザでも、毎年、感染者数が1000万人にも達し、死者も1万人ほど、出てきました。それに比べますと、新型コロナの被害は、2020年12月末段階で、感染者数は22万4千人、死者が3000人ほどなので、数値だけを見た限りでは、全然、インフルエンザの方が怖いと思ってしまう人もいるのでしょう。それで、「インフルエンザより被害の少ない新型コロナのことを恐れすぎだ」と言うようにも、つい考えてしまいがちなのです。

 しかし、そのような人たちは、すごく重要なことを見落としています。

 新型コロナは、これほどの大掛かりな感染対策を行なっていて、この被害数なのであります。対するインフルエンザは、今まで、かなり緩い感染予防のもとで、この数値となっているのです。むしろ、今までのインフルエンザへの対応こそが甘すぎたのではないか、とも思えてきてしまうのであります。

 そして、すでに、新型コロナの方がインフルエンザよりも脅威であった事を証明するデータだって提示されています。実は、新型コロナとインフルエンザは、全く同じ方法、すなわち、マスクとか三密回避などで予防する事ができるのです。だから、新型コロナへの対策を徹底してきた今年は、インフルエンザへの対策も、同時進行で万全なものとなっていたのであります。

 その結果、どうなったかと言いますと、今年のインフルエンザ感染者数(9月以降)は、12月の段階でも、たったの383人しか見つからなかったのでした。

 これを逆さまにして考えてみますと、もし厳重な対策を行なっていなければ、新型コロナだって、インフルエンザなみに大流行していただろうと推測されるのであります。いや、現状の対策においても、コロナは、383人のインフルエンザを大いに上回る被害を出していますので、もし、この対策をせずに、インフルエンザと同じ対応をしていれば、ちょっと、その被害の倍増ぶりは、恐ろしくて、推算もしたくない次第なのです。

 ちなみに、感染症は同時に流行らないものだ、と言う仮説もあるのですが、そうだったとしても、インフルエンザを押さえつけた新型コロナの方が、はるかに危険なウイルスだと言う話にもなるはずでありましょう。

 そもそも、新型コロナとインフルエンザでは、特性に大きな違いがあるのです。その為、表面的には似たようなものに見えても、インフルエンザでは有効な対処法が新型コロナには通用しないのです。そんな簡単な事情も気付かずに、「新型コロナも、インフルエンザと同じ5類扱いにすればいい」などと言っておりますと、その人のコロナに対する無知ぶりが、逆に笑われてしまう事にもなりかねないであります。


 現在(2020年12月末時点)、コロナがらみで懸念されている問題の一つとして、医療崩壊があります。

 今のようなハイペースでコロナ患者が増えてしまうようだと、間もなく、病院が立ち行かなくなってしまうだろう、と当の医療従事者から警告されているのです。

 この件についても、素直に受け止めないで、意見がさまざまに分かれているようです。

 そのうちの一つとして、「欧米などの外国の方がコロナ被害は何十倍も大きいのに、日本の方が先に医療崩壊を起こすのはおかしいんじゃないか」と疑う声まで、あるのです。つまり、こんな事を思いつく奴は、「やっぱり、コロナ被害を大げさに言い広めているだけなのではないか」と、心のどこかで考えているのであります。

 当事者(医療従事者)から悲痛な本音が訴えかけられているのだから、そのまま信じてあげればいいのです。それが出来ないような奴らばかりだから、我が国のコロナ対策も、どんどん、コロナを見くびった、ユルんだものにと劣化していってしまうのでしょう。

 まず、当たり前の話ではあるのですが、各国の医療体制には違いがあるのです。残念ながら、日本の医療機関は、抜群に優秀である反面、感染症対策という点では、どこの先進国よりもぜい弱であり、医療崩壊を起こしやすかったのです。この半世紀ほど、まるで、新しい感染症の危機に晒されなかった為、感染症に対するノウハウがほとんど無かったせいとも言えましょう。

 他にも、具体的な理由はいっぱい有るのですが、そのへんの解説は、専門家の文章に任せます。とにかく、今、日本の医療体制が危ないのも事実だし、すでに、あちこちで医療崩壊が起き始めているのも現実の話なのです。

 では、なぜ、日本よりコロナ被害が大きい諸外国からは、医療崩壊の話が聞こえてこないのでしょうか。

 いえ、聞こえてこないのが当然なのです。だって、各国にだってプライドがありますから。自分から、わざわざ、自国が医療崩壊を起こしている事を言い広めたりするはずがないのであります。

 もっとも、よおく海外のコロナのニュースを聞き集めていれば、「これって、医療崩壊しているのでは?」と思わせる情報も耳にする事ができます。やっぱり、コロナによる医療崩壊は、日本だけの話でもないし、大げさに言っていたのでもないのです。「外国では医療崩壊は起きてない」などと呑気に主張しているのは、むしろ、その人の情報収集量の浅さを、自分から公言しているだけなのだとも考えられましょう。

 そして、医療崩壊に関連して、もう一つ、お話しておきたい事があります。

 日本という国の医療は、どこの国よりも、患者へのサービスが手厚いのです。その中にどっぷりと浸かってしまい、その有り難さが分からなくなっている日本人も少なくないのかもしれませんが、これは、たいへん幸せな話なのであります。

 しかし、その事が同時に、日本の医療のネックにもなっています。一人一人の患者への対応が充実している分、患者が大量に増えすぎると、それまでのような親切な対応が、全ての患者に対して出来なくなってしまうのです。その点もまた、日本が早く医療崩壊を起こしかねない理由の一つにもなっているのです。

 医療従事者たちも、コロナ患者が多すぎるからと言って、急に看護の質を落とすようなマネはしたくないのです。つまり、全く治療できなくなる事だけではなく、患者への精一杯の対応もできなくなる事もまた、日本の医療崩壊の内容の中には含まれているのです。だから、日本は、他国よりも医療崩壊を起こす段階が早いのです。

 こうして、患者の為に、いつも全力を尽くしてくれている医療従事者のことを、本当に、尊敬こそすべきなのであって、我々日本人は、トンチンカンな考えで非難してはいけないのであります。


 外国のコロナ事情と比較してみると、日本国内のコロナの実情も、色々と正しい事が分かってきます。そのへんを、ざっと、まとめて、紹介していきたいと思います。

 最初に、マスクについてです。本エッセイでも、逐一、報告してきましたが、新型コロナに対してマスクが有効である事は、科学的にも、かなり立証されてきました。

 あのスウェーデンも、凄まじいコロナ第二波の前には、とうとう、マスク着用の対策を受け入れたぐらいです。(2020年12月18日)そして、このマスク採用の英断以降、確かに、スウェーデンでのコロナの感染拡大は収まり始めているのであります。

 とは言うものの、マスク先進国であるはずの日本や他国では、コロナ被害は悪化する一方であり、いっこうに沈静化する気配は見えません。これは、どうしてなのでしょうか。

 実は、それこそ、きちんとマスクをしてないからなのであります。

 日本での最近の感染ルートの傾向を調べてみますと、その大多数が、マスクを外した状態での会食か、職場や宿泊先でのマスクを外した休憩時間、あるいは、最初からマスクをつけていない家庭内での感染です。つまり、むしろ、マスクしていない状態での感染ばかりである事が分かるのであります。

 で、もともと、マスクをする習慣のなかった欧米諸国では、こうしたズサンなマスクの使い方が、もっとヒドいのです。大っぴらにマスク反対の運動まで行なわれているぐらいです。そんな状況では、マスクが十分に効果を発揮するはずもなく、日本よりずっとコロナ感染が広がってしまうのも、無理もない話なのであります。


 最近、「GoToキャンペーンは、日本独自の政策のはずだ。海外でも、新型コロナが再猛威を振るっているのならば、GoToキャンペーンがコロナ第三波の原因だと考えるのはおかしい」との主張を目にしました。

 しかし、こうした意見も、外国の事情をよく知らないから出てくるような、誤った発想なのであります。実際は、諸外国でも、経済を回したくて、日本と同じような事をやっていたのです。

 例えば、近年、変異ウイルスの出現のせいで、とんでもない危機的状態に陥っているイギリスでは、夏ごろ、Eat Out Help Out なるキャンペーンを行なっていました。その内容は、日本の GoToイートとほぼ同じようなものです。でも、このキャンペーンが引き金となって、今のコロナの爆発的拡散が始まったらしい事は、イギリス本国でも素直に認めているのであります。

 また、ヨーロッパ全土でコロナが再び広がりだしたのも、国をまたいでの観光旅行を再開したのが原因ではないかとの指摘も出ています。

 アメリカ合衆国に至っては、11月初頭に大統領選挙が行なわれました。イヤでも、大量の国民が動き回ったのであり、それがコロナ拡散を助長したのは想像にかたくありません。しかも、大統領候補者の一人トランプ氏は、マスクの効果を否定していますので、その支持者たちもマスク無しで派手に活動していたのです。

 確かに、冬の方が、コロナウイルスも活発になるのは事実なのですが、それだって、今の世界での感染拡大の全ての原因だと見なす事はできません。なぜならば、南アフリカやブラジルは、南半球なので、今は夏のはずですが、それでも、相変わらず、コロナの感染拡大に悩まされているからです。何よりも、我が国・日本からして、夏場にもコロナ第二波を経験しているのであります。


 2020年の最後の日(大晦日)、ついに東京の一日あたりの新規コロナ感染者数は1300人の大台に乗り上げ、さすがに呑気な施政者たちも、再度の緊急事態宣言の発令や、コロナ対策の一環としての罰金制度の導入などを、真剣に検討し始めました。

 しかし、私は、あまり、緊急事態宣言や罰金システムには、乗る気ではありません。

 と言いますのも、海外のあちこちの国では、緊急事態宣言よりも厳しい都市封鎖を実行したり、すでに罰金制度だって存在しているのに、それでも、コロナ対策では十分な成果をあげていないからです。何でもかんでも、外国のやってる事をマネすればいいと言う訳でもないのであります。

 重要なのは、確実に結果を出せる政策を行なう事です。その為には、少々、斬新な事だって試してみた方がいいのではないのでしょうか。

 私が提案したい、現状のコロナ感染拡大への対策法は、前にも書きましたように、家庭内マスクです。もちろん、これを強制したところで、実際に、国民たちが自宅内で本当にマスクをしてくれるかどうかは分からないのですが、もし皆が従ってくれるのならば、明らかに、コロナの新規感染者は減るはずです。

 ただし、この家庭内マスクの案が絶対にムリだと言うのでしたら、もう一つのアイディアもあります。

 それが、「いっその事、外を出歩いている者には、コロナ感染が減少傾向に転じるまで、家族のいる自宅には帰らせない」と言うものなのです。突拍子もない案にも聞こえるかもしれませんが、これが意外と理にかなっているのであります。

 結局、家庭にコロナを持ち込むのは、外で働いている父親(労働者)とか、遊び歩いている若者たちです。彼らが、家にさえ戻らなければ、彼らが貰ったコロナが家庭内で感染する事もなく、被害は、彼らの段階までで食い止められるのです。

 もちろん、こんな方法で、家庭を引き裂くのは心苦しい限りですが、しかし、家庭内マスクができないと言うのであれば、もう、こうするしかないではありませんか。

 まあ、父親や若者たちには、ちょっとした単身赴任や一人暮らしを始めたとでも考えてもらえばいいのです。当然、この政策に素直に従ってくれる人たちには、政府から援助資金も出すべきでしょう。

 そして、こんな感じで、家族がバラバラに生活しますと、そこそこに、経済活動を回す形でも貢献する事になるのであります。なぜなら、自宅に戻れない分、その人たちは、ホテルに泊まるなり、外食するなりして、一人で生活していかないといけなくなるからです。その事が、売り上げの落ち込んでいた宿泊業界や外食産業などの金回りをよくする事にも直結する訳です。

 どの家庭にも徹底した巣篭もりを強要して、飲食店には店じまいするように圧力をかけるよりも、ずっと、皆にとって理想的な状態だとも言えるのであります。

 何たって、実際には、皆が皆、自分の家庭内に閉じ籠りたい訳でもないのです。内心では、家庭よりも、外でストレス発散している方がずっと楽しいと感じている人も、少なくないのであります。だから、ステイホームを強制しすぎると、あちこちでDVや家庭内暴力が増加するような事態にもなってしまったのです。家にずっと閉じ込めさせられ続けたら、おかしくなりそうだ、と感じている人たちにつきましては、むしろ、こんな家に帰れないシステムを提供してやった方が、うまく行くかもしれないのであります。

 やっぱり、絶対に家庭に帰りたいと言う人は、家庭内マスクを実行して、自宅の外では、とことんコロナ予防に徹したら良いでしょう。要は、外から家庭内にコロナウイルスさえ持ち込まなければいいのです。

 家庭内マスクを選ぶか、自宅に帰らない対策を取るかは、大きな二択であり、それは本人に決めさせたらいい次第です。

 人間というのは、不思議な心理を持った生き物であり、「絶対にダメ!」と言われたら、逆に、その事に対して、逆らいたくなってくるものです。しかし、これが二択形式にされますと、そこまで意固地にならずに、どちらかに従おうという気持ちにもなってくるのであります。

 外を出歩く方を選んだ人たちは、これからも、不用心にコロナにかかり続ける事でしょう。でも、彼らは、いくら注意したって、そのダラシないコロナ予防のやり方を改善しようとしないのだから、もう、どうしようもないのです。それなら、彼らにも、やりたいようにやらせてやって、勝手に自業自得でコロナにかかって、自分たちだけが辛いコロナ患者になってくれて、でも、そうじゃない人たち(きちんと、コロナの脅威を分かってくれている人)には、コロナウイルスをうつさないようにしてくれたら、それで良しとすべきなのです。

 さて、ここで、罰金の問題も絡んできます。

 政府は、要請どおりに店を閉めない飲食店などに対して、罰金を科す方向で話を進めているようなのですが、それは大変、見当違いな話です。今までの説明の流れから、うっすらと勘づいてくれたかとは思いますが、一番、問題なのは、コロナに対する危機意識の低い連中なのであります。こんな奴らが、お店にやって来て、店のルールを無視したようなマスクなし会食を繰り広げるから、その店でクラスターが起きてしまうのです。むしろ、飲食店の方が被害者の場合も多いのであります。

 どうせ罰金を取るのならば、こうした、国が定めるコロナ対策を平気で破っている連中からでしょう。こんな奴らの事は、どんどん摘発して、片っ端から罰金を取ってやればいいのです。

 こういう連中に限って、実は非常に現金なのであります。自分自身にダイレクトに影響があると分かると、簡単に、それまでの態度や行動をやめてしまうものなのです。彼らが、身勝手な生活をやめてさえくれれば、それだけ、コロナの感染拡大も防げる事になります。

 また、連中を締め上げる方法としては、罰金よりも、むしろ、実刑と言うテもあるかもしれません。ただ、実刑とは言っても、懲役させるのではなく、ボランティアに従事させるのです。それも、コロナ関係の労働の手伝いをさせるのです。

 コロナ対策を軽視する人たちと言うのは、結局は、ほんとに無知でコロナが怖くないのか、コロナを他人事と思っているのかの、どちらかなのです。そして、こう言う奴らこそが、偏見のもとに、悪意あるコロナ差別をしたりもするので、だからこそ、こんな奴らに、コロナ対策のたいへんな現場を実体験させてやって、我が身の事になれば、きっと認識が変わってくれて、世間にはびこるコロナ差別だって、少しずつですが無くなっていってくれるのではないのでしょうか。

 このように、私の提案では、どこに転がっても、コロナ対策としては、好ましい形に収まってくれる訳です。

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