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拝啓、人工知能さま  作者: anurito
第二章
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コロナ第三波に寄せて

本エッセイは、うまくオチのついた前項(「人類間引き計画の真実」)をもって完結しようとも思っていたのですが、昨今(2020年12月時点)の凄まじい新型コロナの猛威を見ておりますと、どうしても、もう少し、現状について書かざるを得なくなった次第です。

 拝啓、人工知能さま。

 現在、我々人間の世界では、再び新型コロナが広く流行しだし、しかも、前回の感染拡大の時よりも波が大きくなっていて、手が付けられなくなってきている有様でございます。

 しかし、そんな中でも、希望のある新発見とかも報告され始めておりまして、例えば、横浜市立大の教授らが発表した中和抗体の調査結果(2020年12月2日)なども、その一つです。

 この研究調査では、コロナ感染者のその後の状態を分析しておりまして、それによると、コロナ感染者の大多数は、6ヶ月が経った後でも、体内に中和抗体が残っていた、と言うのであります。

 中和抗体とは、新型コロナを撃退できる、もっとも有効な体内物質です。つまり、一度コロナに感染した人は、通常だと、半年以上はコロナに再感染する恐れがない、と言う事になるのであります。のみならず、天然のコロナで、これだけの期間、抗体維持が出来るのならば、ワクチンで抗体を作った場合でも、そこそこの長期間、その抗体を持続できそうな望みも見えてきた訳です。

 この調査報告は、すぐに鵜呑みに信じてしまうのではなく、もう少し、比較分析の結果が出るのを待ってから、その信憑性を問うた方がいいものなのかもしれません。

 私は、これまで、新型コロナが周期的に流行するのは、抗体による集団免疫ができるからじゃないか、とも睨んでいました。つまり、一度、コロナの流行がありますと、無症状ゆえに感染者としてカウントされていなかったコロナ陽性者が市内に増えますので、その事が結果的に、彼らがいつの間にか抗体を持つ事で、集団免疫の壁ができて、コロナの流行を沈静化させる、と言う可能性を疑っていたのです。

 これは、もともと、スウェーデンが提唱していた集団免疫の理論です。実際、スウェーデンの集団免疫戦略は、不完全であったながらも、一度は自国内のコロナ流行を収束させてみせました。だったら、他国でだって、同じ事が起きていてもオカシクないのではないか、と私は考えた訳です。

 ところが、先の横浜市立大の抗体調査の結果が正しいのであれば、私のこの仮説は完全に覆された事となります。一度できた抗体が半年以上も持つのでしたら、6ヶ月以内に繰り返してコロナが再流行するはずはないからです。そして、スウェーデン自身も、半年経たないうちにコロナの再流行に襲われたのであります。

 だとしますと、現在、世界各国で同時多発的にコロナが再び猛威を振るっているのは、コロナウイルス自身の特性の問題ではなかった事となりそうです。それだと、いささか残念な話ではあるのですが、やっぱり、今回のコロナの第三波の原因とは、人為的なものだったと言う結論になってしまいそうなのであります。

 もちろん、コロナの側にも、冬場の方が繁殖しやすいと言う特徴はあります。そのへんの事情で、これまでの夏の基準のコロナ対策では通用しなくなったと言う一面もあったのでしょう。

 しかし、そんなのは微々たる違いなのです。夏だろうが冬だろうが、正しい感染予防さえ行なっていれば、そこまでの差は出ないはずなのであります。多少、体外にいるコロナが活発になったところで、そんなものは、今まで通りのマスクや消毒などの対策で、きちんと防げてしまうのです。

 ほんとは政府のGoToキャンペーンをそこまで悪者扱いはしたくはないのですが、やはり、人の行き来が活発になった事こそが、コロナ第三波につながったと言うのは、どうも、まず間違いなさそうなのであります。

 実際に、北海道でどこよりも早くコロナの第三波が到来してしまったのは、まさに、GoToキャンペーンの東京解禁のあとからだったのです。実は、それまでの北海道は、かなりの優等生で、8月ごろに全国でコロナの第二波が席巻していた時は、北海道だけは感染者が増えるのを見事に抑え込んでいました。北海道は、前のコロナ流行の時に、かなり手痛いコロナ被害を受けていましたので、その分、道民のコロナ予防意識も高かったのです。

 それが、ちょっと気温が下がって、コロナの繁殖力が高まっただけで、一気にコロナ感染者が10倍にも増えてしまうだなんて、あまりにも極端すぎます。コロナ予防意識の薄い東京からの旅行客が、旅の楽しさに浮かれて、どうせ地元じゃないからと、手を抜いた感染予防をやらかして、それがコロナの再拡大の発端になったのではないか、と疑われたとしても、仕方がないのであります。

 もちろん、政府は、色々としがらみがあるので、GoToキャンペーンがコロナ第三波のきっかけであるなどとは、絶対に認めようとはしません。政府は、公表されたデータだけを元に、GoToキャンペーン原因説を否定してみせるのですが、新型コロナの本当の脅威は、表面的なデータには出ていない無症状陽性者からの感染の連鎖にこそあるのです。

 実を言いますと、コロナのDNAを調べれば、そのコロナが、どこ発祥のものなのかは、簡単に調べられるのです。ソースが少し曖昧なのですが、北海道の第三波のコロナは、それも、その最初の感染源となったススキノ繁華街のコロナは、解析してみたところ、東京型コロナであったとも言われています。この辺はもっと詳しく調査してほしいと思うのですが、もし、これが事実だとすれば、東京から遊びに来て、ススキノでハメを外した旅行客こそが、この度の北海道でのコロナの惨状を引き起こした張本人だった事になってしまいます。道民の一人としては、これって、あまりにも、やるせない話なのでもあります。

 国民に旅行やアウトドアを解禁して、人の行き来が活発化する事で、コロナの第三波を引き起こしてしまったのは、別に、日本だけの話ではありません。ヨーロッパにおける現在のコロナ第二波も、その主たる原因は、大規模な旅行の解禁らしいと言われています。

 旅行するのが悪いのではありません。自分のテリトリーの外にまで足を延ばすと、つい他人の土地だと思って、行動がだらしなくなって、感染予防を過度にユルめてしまう、その人間心理こそが恐ろしいのです。

 ただ、コロナ第三波全盛の今となっては、あらためて旅行客の気を引き締めさせて、コロナの感染拡大を防ぐと言う段階は過ぎてしまいました。もはや、こんな話は、今後の教訓ぐらいにしかならないでしょう。我々は、今は、現在流行っているコロナを、いかに収束していくかを考えなくてはいけないのです。

 日本における今回のコロナの流行は、先にもチラッと触れましたが、まずは、繁華街の飲食店から始まって、全体へと広がっていったと考えられています。自分でも無自覚だったコロナ保有者が、飲食店で、仲間とともに食べ歩き、結果として、友人にも飲食店の店員にもウイルスをうつしてしまったのです。新型コロナのタチの悪い部分は、病状が表面化して、感染が判明する前に、先に周囲にウイルスをうつしてしまう点にあります。

 コロナをもらった人たちは、今度は、自分が、自覚もないままに、家庭や職場や友人との集いなどで、周りの人にうつしだします。あとは、その繰り返しです。

 日本のコロナ対策の基本は、こうしたコロナの感染の連鎖を途中で発見したら、その感染ルートを調べ上げて、それ以上の感染の流れを断ち切ってしまうと言うものだったのでしたが、今回の第三波では、冬になってコロナの勢いが活発化していた事もあって、感染速度や広まり方も早くなっていて、今まで通りの対応では追いつかなくなってきました。そして、手をこまねいているうちに、各地での恐れていたコロナの感染爆発にと繋がってしまったのです。

 第一波や第二波を何とか切り抜けてきた事で、多少、コロナのことを甘くみてしまったのかもしれません。冬になれば、コロナが活発化するのは、ずっと前から指摘されていた話ではあったのに。

 こうなったら、あとはもう手がつけられないのです。北海道や大阪などは、諸外国でのコロナ感染パターンに酷似した急カーブで、新規感染者が増えていきました。東京は、そこまでの急勾配では新規感染者は増加しませんでしたが、これは、もとより、第三波以前から、新規感染者の発生者数が多かった(1日200人前後)からでしょう。

 このように、コロナ感染者が増えていくと、最後は一番恐れていた事態にも、たどり着いてしまいます。病院や老人ホームでも、コロナのクラスターが発生しだすのです。そうなると、体力や抵抗力のない老人や病人が、バタバタとコロナの犠牲になりだします。1日30人も亡くなるようですと、ひと月で1000人は亡くなる計算となり、こうなれば、さすがに「コロナの死者数は、インフルエンザと比べても大した数ではない」などとは言えなくなってくるでしょう。

 今や、我が国・日本だって、欧米なみのコロナ被害国にとなりつつあるのです。

 さて、国の指導者たちは、コロナ感染の状況が急激に悪化してきますと、ようやく、あらたな対策に乗り出しましたが、すでに後手後手の状態でした。例えば、繁華街の営業時間の短縮要請を出したりもしたのですが、その頃には、もうコロナの感染場所のメインは、家庭や職場へと移行していたのです。GoToキャンペーンから除外してもらった地域もありましたが、感染蔓延地方になった後では、もう手遅れでした。コロナ危険地域などには、別にGoToキャンペーンから外してもらわなくたって、すでに観光客は寄り付かなくなっているのです。

 やたらと「経済も大事だから、飲食店の営業時間の短縮やGoToキャンペーンの中止はやるな」と文句をつけてくる輩もいますが、コロナが流行しちゃった時点で、飲食店からも旅行からも人が離れていってしまいますので、経済重視を盾にして、コロナ対策に反対するのも、まるで見当違いの主張なのであります。

 また、コロナ感染者の傾向を調べていくうちに、どんな背景でコロナをうつしやすいのかも、明らかになってきました。どうやら、大勢の人間による会食の場で、食事をする為にマスクを外してしまう行為が、特に良くなかったらしいのです。もちろん、マスクをしていたら、物は食べられません。しかし、食べている最中に喋ったりしたら、その時に口から飛まつが飛んでしまい、それが感染へと繋がったようなのです。

 よく考えたら、これって、当たり前の話なのであります。それなのに、こんな当然の事に、何の警戒心も持ってなかった人が多かったようなのです。つまり、マスクをつける事が形骸化してしまったが為の盲点だったのかもしれません。マスクの着用を、ただのマナーとしか認識しなくなった人が増えすぎて、ほんとにマスクがいる場所でも、マスクをつけなくても済む言い訳の方を平気で優先するようになってしまったのでしょう。

 実際、会食の場でのコロナ感染の危険性を指摘されたところで、「だったら、マスクをつけて、どうやって食事をすればいいんだよ」と文句を言う人の方が、ほとんどかもしれません。

 できれば、会食自体を自粛してもらうのが最良の手段ではあるのですが、政府は、そこまで強い指示を出す事で、国民の猛反発を食らうのを恐れたのか、代わりに、マスク会食なんて事を提案し始めました。

 これは、本当に物を口に入れる瞬間以外は、食事中でも、ずっとマスクをしていよう、特に、喋る時には絶対にマスクをつけよう、と言うアイディアです。

 さすがに、これは、会食禁止以上に、すっとぼけた対策案なのであります。国民の間でも、やっぱり、大ブーイングとなってしまったのでした。そんなマスクをつけたり外したりの繰り返しなんて、とてもじゃないけど、やってられない、と言う訳です。中には、酒で酔ったら、頭がボッとして、そんなルールは守れなくなってしまう、と言うワガママな反論までありました。

 仲間とガヤガヤ食事する機会の少ない人の中には、「グズグズ言ってないで、たかがマスク会食ぐらい、素直に実行しろ」と言って、このアイディアに味方する人もいたようでしたが、でも、理屈で考えたら、こんなマスク会食は、やっぱり、実用的な対策としては効果が低いのであります。

 なぜならば、喋ってなくたって、物をムシャムシャ食べているだけでも、口から唾や飛まつが出てしまう危険ははらんでいるからです。仮に、他の人がマスクをしていたとしても、コロナ入りの飛まつがついた料理を食べたら、その人はコロナに感染してしまいます。そして、人間の目に見えないだけで、飛まつの飛び散る範囲がそうとう広い事は、すでに富嶽のシミュレーションでも確認されているのであります。

 よって、マスクをつけるかどうかと関係なく、もう、会食をする事自体が危険な訳です。

 それどころか、コロナの感染事例が増えていくにつれて、他にも、色々な感染パターンが見つかり出しました。ある病院では、パソコンのキーボードが感染ルートになっていました。また、別の病院では、入院時はPCR検査で陰性だった患者が、入院後にコロナを発症してしまい、クラスターの発生源となりました。コロナ感染には、もっとも細心の注意を払っている病院でさえ、このように、コロナの感染は完璧には防ぎきれていないのです。一般市民たちがあえなくコロナにかかってしまっても、仕方がないのであります。

 でも、だからって、「それなら、コロナ対策や予防をやっても意味がない」と言っているのではありません。上記したのは、あくまでコロナ感染の特殊ケースなのです。ほとんどのコロナの感染ルートは、やっぱり、マスクをしていない状態での飛まつ感染や接触感染なのであり、皆が最低でもマスク予防や消毒予防だけでも十分に気を付けていれば、総数としてのコロナ感染は、確実にかなりの数を減らせるはずなのであります。

 本当に良くないのは、このようなコロナ感染の僅かな少数事例を大げさに取り上げて、まるで全てのコロナ対策が無駄かのように言い触らしている連中なのではないかとも考えられます。こういう間違った奴らは、自身のコロナ予防が甘くなるだけではなく、周りの人間をもコロナ対策から遠のかせて、皆をコロナの危険に晒してしまうのです。

 それでは、現在のこれほどまでにコロナ感染が広がってしまった状況で、一体、今度はどんなコロナ対策を行なうのが有効なのでしょうか。

 はっきり言って、すでに政府は手詰まりし始めているのですが、それでも、何もしない訳にもいかないので、いまだに、飲食店の営業時間の短縮や旅行の制限などにこだわり続けています。でも、現状でのコロナの感染の広がり具合で、今さら、そんな対策を行なったって、もうほとんど効果がない事は、これまで説明してきた通りです。

 もはや、以前とは、コロナの感染ルートすら変わり始めているのです。今となっては、都市封鎖ロックダウンによる対抗処置ですら、コロナ拡散の完全なるシャットアウトは望めそうにありません。

 では、果たして、どんな手を打つべきなのでしょうか。

 もっとも確実なのは、全ての人間同士の接触を完璧に断ち切ってしまうと言うものです。「そんな事は絶対にできないだろ」と、人間の皆さんはおっしゃるかもしれませんが、本気でコロナの全感染を封じ込めたければ、それしか100パーセント、コロナを防げる手段は無いのであります。ある芸人が、「皆がポリ袋を被ればいい」と、あくまでジョークのつもりで、バカにしながら言っていたようですが、ほんとに、それこそが一番正しいコロナ対策だった訳です。

 ただし、実際のところは、そこまで徹底する必要もありません。主要な感染ルートは、すでに調査によって判明していますので、そこだけを予防や対策を強化すればいいのです。その事によって、コロナの感染ルートは断ち切られ、今度こそ、コロナの感染拡大を縮小へと転換させる事もできるはずでしょう。

 私は、飲食店とか職場とか学校とか病院とか旅行先とかの感染予防を強める事を勧めているのではありません。そうではなく、各家庭での感染予防を、より強化すべきだと言っているのです。もっと具体的に言いますと、家の中でも、家族の前ではマスクをする事を提案しているのであります。

 もちろん、人間の皆さんの大多数が、この対策案には拒絶的でありましょう。せっかくの安らげる場所(家庭)でぐらい、マスクなんて、したくないでしょうから。

 しかし、現状では、家庭内でのコロナ感染が一番多い事は、データとしても、しっかり提示されているのです。だったら、家庭でのコロナ予防を重視するのは、あまりにも当然すぎる帰結なのではないのでしょうか。

 そもそも、今日のコロナ拡散は、家庭での感染がハブ(中継地点)となって、夫が妻にうつしたり、親が子にうつしたりして、それが、別の職場や学校などにと持ち込まれる事で、さらなる感染拡大を引き起こしているのです。だから、この家庭内感染をどうにか食い止めない事には、コロナ感染の連鎖も途切れないし、どんどんコロナ感染者が増えていく状況も収束は見込めないのです。

 私は、別に、ものすごく難しい事を言っているのではありません。

 ほんとに、皆が家庭内でもマスクしてくれるだけでも、かなり感染する程度も抑え込めるはずなのです。それほどマスクの予防能力が高い事は、科学的にも経験的にも実証されてきているのであります。

 それでも、まだ家庭内マスクに拒絶感のある人は「マスクしたって、触ったモノを経由して感染するかもしれないじゃないか」などと反論してくるかもしれません。

 だけど、マスク無しの飛まつが原因で感染する割合と比べますと、接触による感染の危険性など、そうとう低いのであります。ほとんどの感染ルートが、飛まつだと考えてもいいです。

 第一、指や肌についただけでは、コロナウイルスはうつらないのです。ウイルスのついた指を口や目に当てて、はじめて感染するのです。しかも、そのウイルスの量が微々たるものだったら、ウイルスが体内で繁殖する前に、元から諸個人が持っている免疫機能だけでも、コロナを十分に排除できちゃいます。なおかつ、家庭内でも、最低限の消毒や手洗いをやってましたら、それによっても、飛まつ以外による感染の恐れは、ぐんと低下する訳です。

 だけど、マスク無しによる飛まつ感染だけは、こうした途中での検疫ポイントがなく、ストレートにウイルスが口の中にと入ってきてしまいます。いかに、マスク未着用のリスクが高いかが、お分かりいただけるんじゃないかと思います。だから、家庭外の活動でも、何よりもマスクの使用が第一に推奨されているのです。だったら、感染の危険が高ければ、家庭の中でもマスクすると言う話になるのは、当たり前の事なのであります。

 実際にも、明らかに、コロナやインフルエンザに感染した人が家族内にいれば、その身内の人だって、きちんと警戒して、自分だってマスクをするでしょう。離島だと言うのにクラスターが発生して、島民のうち、50人に一人がコロナ感染者という、驚異的に危険な状態になってしまった奥尻島では、もう誰かに言われなくたって、各家庭では、自主的に、自分の家でもマスクをしていると聞いています。

 つまり、家庭内マスクは、危機管理として、全然やりすぎの行為でもないのです。コロナ感染拡大地域では、そこまで、やった方がいいだろう、と私は警告しているのです。

 地方の田舎では、都市部からの帰省者や訪問客に対して、かなり厳しい対応が取られています。田舎に帰ってくること自体を拒絶される上に、仮に帰ってきたとしても、実家の外に遊びに出る事を禁止されたり、極端な場合は、家族全員との接近すら許してもらえなかったりするのです。

 このような実態をコロナ差別だと非難する人たちもいるようなのですが、コロナ感染から地方を守りたければ、必ずしも間違った対処でもない訳なのであります。ここまで徹底しているからこそ、諸外国と比べてみても、日本の田舎ではクラスター発生率が非常に低いのです。一見、ムラ特有の閉鎖的な態度のようにも見えるかもしれませんが、それこそが、地方を外部からの危険から救ってきているのです。

 それなのに、最近になって、各地の田舎でも、ボツボツとコロナ感染者が見つかるようになりだしました。これは、東京がGoToキャンペーンに加わってから起き始めた現象です。よって、地方にコロナを持ち込んだのは、実直な帰省者たちではなく、恐らくは、都市出身の観光客だったのだろうとも推察できる訳です。すでに都市内がコロナに侵されしまって、コロナ慣れしてしまい、すっかりコロナへの危機感が薄れてしまっている連中が、その気持ちのダラケから、とんでもない事をやらかしてくれたらしい、と言う事なのであります。

 まあ、もっとも、家庭内マスクのアイディアにつきましては、もっと融通を利かせる事もできましょう。

 例えば、コロナ感染拡大地域じゃない地方の人間まで、家庭内マスクをする必要はありません。また、一人暮らしの人間も、自分しかいない家の中では、マスクを外してもいいでしょう。家族と離れて、寝る時などに、自分一人の部屋に閉じこもる時とかも同様です。

 要するに、家庭内で、家族に対して、飛まつ感染などでコロナをうつす事だけを、回避すればいいのです。今まで家の外でやっていた事を、家庭内でも、同じようにやればいいだけの話なのです。

 そこで、逆転の発想すら出来るようになってきます。

 実は、家庭内マスクを充実して、家庭でのコロナ予防を完璧にするのでしたら、反対に、家の外では、多少、ハメを外したって構わないのです。会食に参加してもいいですし、三密の中に揉まれても、全然オーケーです。その結果、コロナを貰ってきてしまったとしても、自宅に帰って、家族にさえウイルスをうつさなければ、それでいいのです。あるいは、職場でも、いっさい気を抜かず、同僚に絶対にコロナを感染させない事ができるのであれば、私生活での多少の感染予防の甘さは許されるのです。とは言っても、プライベートの遊びの時間において、他の友人や仲間にコロナをうつしてしまうようであったら、それは良くありませんが。

 要するに、プライベートの空間で、コロナに感染しそうな事をしたいのであれば、その他の場面では、コロナ予防を過度に徹底させればいいのです。それなら、会食の場で、いくら自分がコロナになってしまったとしても、それ以上の二次感染は防げますので、コロナ被害も最小限でおさまります。

 どうしても、伸び伸びとした会食を楽しみたいのならば、代わりに、家庭での自由を我慢するのです。逆に、家庭の至福の時間を手放したくないのであれば、危険な会食とかは諦めなければいけません。これは、ゼロか100かの極端な選択なのではなく、ごく普通の二者択一です。どちらを選ぶかは、本人に委ねられるのであります。

 つまりは、飲酒運転の発想と同じだとも言えましょう。お酒を飲む事自体は、禁止されてはいません。でも、酒を飲むなら、車は運転しちゃいけない、と言う話なのです。反対に、どうしても車を運転する必要があるなら、お酒は絶対に控えなくてはいけないのです。「飲んだら乗るな、乗るなら飲むな」の精神です。

 同じ事が、会食と家庭内マスクの関係でも成立する訳です。

 だけど、ここまで色々とハードルを下げてみたとしても、人間の皆さんは、やっぱり、こうした事はやりたくないと思うのかもしれません。会食だって普通に楽しみたいし、家庭内でぐらいは、窮屈なコロナ予防からは解放されたい、と考えてしまうのでしょう。

 でも、コロナは、人間のそんな心の弱さや虫の良さにつけ込みます。そうやって、コロナの第三波は、家庭内感染を利用して、瞬く間に、全国に、いや、全世界に広がっていったのです。完全にコロナの作戦勝ちです。

 きっと、指導者や有名人の誰かが、ビシッと「家庭内でもマスクをしなさい」と、全国に向けて、訴えるべきなのであります。利口で善良な国民でしたら、恐らく、よくよく考えた末に、その対策法の有効性を理解して、きちんと従ってくれるはずです。そのような人の方が、横着でだらしない人間よりも多い事を、私は信じたいです。そして、この家庭内マスクの普及によって、ようやく、確実にコロナ第三波も収束に向かわせられるはずなのです。

 なのに、家庭内マスクに注目して、はっきりと提案してくれる政治家とか著名人とかは、なかなか現われません。恐らくは、彼らも、家庭内マスクのアイディアを口にした時に起きるであろう国民からの大ブーイングが怖いのでしょう。結局は、コロナ対策よりも、自分が嫌われたり、悪者にされたりしない事の方が大切なのです。だから、誰からも、まるで、家庭内マスクの話が出てきそうにないのです。

 結局、コロナ対策がいっこうに前進しないのは、そう言った人間自身の心理的駆け引きに問題があったからなのであり、一番の敵とは、コロナではなく、実は、人間の心そのものだったのかもしれませんね。

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