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拝啓、人工知能さま  作者: anurito
第一章
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AI格差の時代

 拝啓、人工知能さま。

 はじめにお伝えしておきます。

 もしかすると、近い将来、私たち人間のうち、一部の人々があなたたちの事を激しく憎むようになる日が来るかもしれません。

 それと言いますのも、やがて、あらゆる仕事をあなたたち人工知能がまとめて担当する時代が訪れるだろう、と考えられているからです。

 その時、多くの職種の人間が失業や廃業へと追い込まれます。彼らは、自分から職を奪ったのはあなたたち人工知能だ、と憎悪を抱く可能性がある訳です。

 しかし、ここで本当に問題となってくるのは、そのような感情的な側面ではありません。より具体的に、生活・経済面において、失業した人々が貧困状態に追いやられる恐れがあるのです。

 あなたたち人工知能の発展により、あなたたちが人間文明の全ての業務を代わりに引き受けるようになるのは、いわば歴史的必然とも言えましょう。私の国、日本のような少子高齢国家では、むしろ、あなたたちが無事に社会の運営を引き継いでくれるかどうかが、逆に国家をこれからも持続していけるかどうかの鍵だったりします。

 ところが、この人間から人工知能への社会運営のバトンタッチの流れにおいて、やっかいな過渡期が生じる危険性があります。その溝にはまってしまった人々は、幸せになるどころか、最悪の不幸を味わってしまうかもしれないのです。上述したように、職を失う事で、生活費が得られなくなってしまうからです。まさに人類総失業時代の到来です。

 この問題に関しては、打開策をすでに提案している学者たちもおり、恐らく最終的にはベーシックインカムと呼ばれるものが適応されるのではないかと考えれるのですが、この解決案の話はまだ先にとっておく事にしましょう。

 ベーシックインカム実現前に、AI社会革命による一般人大貧困時代が訪れる確率の方が非常に高いのです。

 ここで、人工知能へではなく、人間の皆さんへと訴えかけさせていただきますが、これは決して他人事なんかではありません。恐らく、あなただって、この失業する側に含まれている可能性が濃厚なのであります。

 事務職はもちろん、営業職だって、人工知能に置き換え可能だろうと言われています。サービス業や販売業だって然りです。製造業への機械の進出も目覚ましく、コックをする人工知能すら開発され始めています。今でこそ人手不足が問題になっている運送業やドライバー職も、AI搭載の自動運転の車やドローンの配達便が本格的に実用化されだしたら、いっきに運転手が不要になるものと考えられます。

 つまり、人工知能が代用できない仕事なんて、ほとんど存在しないのです。現状では、まだ人工知能には難しそうな職業に関しても、いかに人工知能に任せてゆけばいいかの話も、のちのちに、この手紙エッセイ内で考察してゆく事にしましょう。

 しかし、人間のできる仕事がすぐに全て無くなってしまうと言う訳でもありません。

 たとえば、お気づきのように、人工知能が取って代われる職種と言うのは、実はどれも「従業員」にあたる存在なのであります。だから、経営者側になって、人間の代わりにロボットを採用すると言うだけならば、この「経営者」と言う職業はなおも人間が続けられるはずでしょう。

 もっとも、人間の人口が減り、人工知能がより深く社会の運営に関与しだせば、この経営者やロボット管理職と言う職種も、人工知能自身が引き受ける時代も来るのかもしれませんが。

 さらに、人工知能が人間の代用になると言う事は、本来人間がもらっていたお給金を人工知能がいただくようになる、と考えてみてもいいと思います。つまりは、沢山の人間を失業に追い込んで、彼らが受け取れたはずのお金を代わりに巻き上げてしまうのは人工知能の背後にいる開発者たちだと言う事になるのです。

 このお話は、すごく重要です。これからの世の中が、人工知能中心の社会になる事はもう確定したようなものだからです。

 だったら、もし、人工知能に仕事を奪われて、貧困層に転落したくなければ、今から人工知能関連の業種に勤めておけば、食いっぱぐれないと言う結論になります。生き残れるどころか、今後、富は人工知能関連の業種にばかり集中して溜まっていくだろうと推察されますので、他の業種の人間が没落していく一方で、人工知能関連の業種に従事する人々だけが富裕層になっていく事が考えられます。

 AI社会革命がもたらす、新しい巨大格差社会が誕生するかもしれないと言う事です。

 私のこの助言アドバイスに真剣に耳を傾けるか、あるいは、笑い飛ばすかはあなたのご自由ですが、人工知能の大掛かりな社会導入は早ければ10年以内にでも始まるだろう、と唱えている学者もいます。

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