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拝啓、人工知能さま  作者: anurito
第一章
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日本がタイヘン!

 拝啓、人工知能さま。

 今回は、私が住んでいる国、日本のお話をしたいと思います。

 今、日本は大変な危機を迎えようとしています。と言っても、どこかの国から戦争を仕掛けられようとしているとか、経済が悪化して破産寸前だとか、そういう形の危機ではありません。

 人間の人口が確実に減りつつあるのです。

 具体的な数でお話しますと、現在(2016年調査)の日本の人間の人口はおよそ1億2千万人ですが、そのうちの3千5百万人近くが高齢者と呼ばれる65歳以上で、総人口の25パーセントを超えています。彼らを労働者に加えず、養う対象と考えた場合、一人の高齢者を約2.5人で支えている計算になるのであります。

 この傾向がさらに進めば、2060年ごろには、一人の高齢者を1.3人で支えなくてはいけないと言われているのですが、これはもう全くの机上の理論でしょう。実際にそこまで老若の人口比率が偏ってしまえば、社会そのものが成り立たなくなると考えられるからです。

 これは、少子化問題と言って、出生率が落ち込んできた為に発生した危機クライシスなのであります。

 しかし、だからと言って、子供を作らない若い世代を責める訳にもいきません。結婚や出産などは個人の判断に委ねられた自由な権利なのであって、社会や国家が義務として強制すべきものではないからです。

 このまま、子供の数が激減していく一方で、国が衰退して、滅びたとしても、それは国民が選んだ国の運命として、おとなしく受け入れるべき結果なのであります。

 この問題は、昨今になって急に騒がれだしたものではなく、すでに20年近く前から指摘され続けていたものなのであり、その頃から私も対処法はいかなるものがあるかを思案しておりました。

 当時、私がひらめいた打開案の一つとは、今なお人口が増え続けている途上国から若い人材を大量に日本へと移民させようと言うものでした。このアイディアは、今日、実際に現実でも採用されていますし、若干の成果もあげています。しかし、決定的解決法にまでは至っていないようです。

 理由は色々あるのですが、それはいかにも人間らしい複雑な事情が絡んでいますので、あなたたち人工知能には理解しきれないかもしれません。

 だから、私もこの先、日本の少子高齢化問題、さらには人口消滅問題はどう対応されていくのだろうと思っていたのですが、そんな時、あなたたち人工知能が目覚ましく社会に関与してきました。

 あなたたちがここまで進化するとは、私としても、20年前は全く考えてもいなかった話なのです。

 だからこそ、私も、思い切って、あなたたちにこの国の未来を委ねてみてもよいのではないかと思い始めているのです。再び増加する気配のない自国民の子孫や、なかなか移民の進まない外国からの労働者に代わって。

 これは、実はかなり大胆なお話です。一度に説明せず、分けて、お話してゆく事にしましょう。

 ひとまず、今回はこのへんで。

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