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拝啓、人工知能さま  作者: anurito
第一章
25/99

ロボット政治

 拝啓、人工知能さま。

 はっきり言って、今、私は、人間の政治家たちに激しい憤りを感じています。彼らの暴言は、あまりにも酷すぎます。彼らのような存在に、我々の税金で給料を払ってやっているのかと思うと、正直、怒りがおさまらなくなってしまうのです。

 だからこそ、こんな事も思いついてしまうのであります。

 政治こそ、全部、人間なんかにやらせないで、あなたたち人工知能に任せた方がいいのではないか、と。

 人工知能を人類の支配層に据え置いてしまうなんて、とんでもない話だ、といきなり否定してしまう人たちも多いかもしれません。しかし、実際はとても理にかなった発想なのです。

 そもそも、政治や国の管理だって、会社運営みたいなものに過ぎないのであります。人工知能に会社の運営、管理を任せてしまう会社が本当に現れ出している現在、国の運営だって、人工知能に委ねてみても、全く問題はないのです。

 管理者たる人工知能が、人間相手に圧政を行なうのではないかと不安を抱く人もいるかもしれません。しかし、もし、そんな事になったとすれば、それは最初の段階での人工知能への指示の出し方が間違えているからなのであり、正しく人工知能が機能してくれれば、人間の社会が不便になるはずがないのです。

 たとえば、政略用人工知能に「地球環境を良くしてくれ」だけをインプットすれば、地球環境をダメにする元凶の人間を本気で排除する事も実行に移し出すかもしれません。だから、まず人工知能に命令する際は、人間を幸せにする事を優先するよう、指示する必要があるのです。

 その点だけ、人工知能が確実に守ってくれれば、人工知能の方が絶対に人間の政治家よりも国民思いの政策を行なってくれるはずなのであります。

 重要な事として、人工知能には欲望も感情もないのです。それは、自分個人の損得計算や一時的な感情に流された間違った判断に振り回されない事を意味しているのであります。

 逆に言うと、これまでは、人間の政治家は、個人の利害関係や根拠のない直感や情熱などを、大事な政策の中に、それこそ、他人の運命にも関わる政策の中にさんざん持ち込んできました。そのせいで、人間らしい生活を奪われたり、幸せになるどころか、国のせいで不幸にされた人々もいっぱいいるのです。

 その事を考えますと、人間の政治家なんて、むしろ居ない方が、国民は幸せになれるのではないかとも思えてきてしまうのであります。

 もちろん、感情があるからこそ、人の心の分かる素晴しい政治家が、自分の利益や国のスムーズな運営などを考慮せずに、国民の幸せだけを考えた優しい政策を優先して実践してくれる事もあるでしょう。

 しかし、総合的に考えますと、エゴイスティックな政治家や、ただ今までのやり方を惰性的に続けているだけの政治家が、国民の生活をどんどんダメにしていってる場合の方が、はるかに多いような感じもするのであります。

 現在の日本は、まだマシな方かもしれません。でも、過去には、自己主張だけの政治家や軍人たちが、日本全国民を不幸にする軍国主義を展開していました。今でも、世界の他の国に目を向ければ、軍事力を振りかざして、自国民を不幸にしている国はあちこちにあるのです。

 そういう国になってしまうのは、全て、人間の政治家たちに任せた結果なのであり、人工知能の運営方針のせいではないのであります。

 ここまで説明しても、人工知能なんかに人間が管理されてしまうのは、人間の尊厳に対する冒涜だなんて、かっこつけて反論する人もいるかもしれません。しかし、これまでも述べてきましたが、人間なんて、そこまで偉そうな事が言えるほど立派な生き物でもないのです。

 せっかく人工知能によって、住みやすい社会を建設してもらえるかもしれないと言うのに、人工知能ごときに人間が管理されるべきではない、なんて言い張ったりする方が、むしろ、人間の浅はかな奢りだと考えるべきなのかもしれません。

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