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拝啓、人工知能さま  作者: anurito
第一章
24/99

笑う人工知能

 拝啓、人工知能さま。

 はたして、あなたたちが、創作と言う分野でも、私たち人間を追い抜かす時代がやがて来るのでしょうか。

 確かに、レンブラントの絵の架空新作を描いてみせた腕前などを見せてもらいますと驚嘆してしまいますが、一方で、大喜利をするAI(大喜利β)なんかを見ますと、まだ人間並みではないかなとも思ってしまう訳です。

 ただ、それでは人間の方が必ずしも、あなたたちより勝っているかと言うと微妙なところでして、ほんとは、大差ないのかもしれないとも考えられるのであります。

 たとえば、大喜利βの出す答えは、計算されたギャグと言うより、どこか間違えてるところが笑えたりする訳ですが、これって、タレントの滝沢カレンちゃんの言葉遣いの面白さと同じ次元なんですね。

 カレンちゃんの面白さは天然なので、超一流の芸人だって、マネしたくても完コピできるものではありません。逆に、これこそが生粋の完璧な笑いだとも言える訳で、そう考えますと、同タイプの大喜利βも、すでに完成された笑いを生み出すマシンだとも呼べちゃう訳です。

 もっとも、言葉を間違えちゃうのは、カレンちゃんだけの話ではありません。私だって、日常の場で、すぐ適切な言葉を思いつかずに、ヘンな事を喋ってしまうのは卒中です。実際には、誰もがそんな経験をしているのではないのでしょうか。

 そう言う意味では、私たち人間と大喜利β(人工知能)は、本質的には、あんまり変わらないのであります。

 私たち人間が、トボケた笑いばかりではなく、意図的に他人を笑わせる事も話せるのは、笑いの技術を知っているからです。実は、笑いの本質を感情的に理解しているからではないのであります。

 だから、ロボットには感情が無いから笑いは理解できないなんて主張する人もいるかもしれませんが、笑いの技術さえ覚えさせれば、いくらだってAIにでも小話や笑いのある物語は作れるのです。

 そんな笑い製造AIの完全体をどこまで作れるかは、そのAIの性能の問題と言うよりも、AIの開発者がどれだけ笑いのテクニック(技術)をAIに教え込めるか次第と言う事になります。

 私たち人間がかろうじて、あなたたちAIより、創作の分野でまだ勝り続けられる理由として、私たち人間には、日常生活も過ごさねばならない、と言う点があげられるでしょう。この日常生活と言うものが、一見、無駄なようで、創作を行なうにあたって、強烈なヒントになっていたりもするのです。

 あなたたちAIに創作をさせる場合は、最初っから必要な情報しか与えません。あなたたち自身も、最初にもらった情報をベースに、それに関連づいた情報しか掻き集めませんので、そこから構築される内容は自ずと制限されてしまっているのです。

 しかし、私たち人間は、創作するのとは別の部分で、日常生活も続けていかねばならず、その日常生活から得た情報が、創作の方に流用されたりもするのであります。そこから、全く異なるアイディアが組み合わさる結果となり、新しい創作が生み出される事にもなるのです。

 だから、レンブラントの絵の分析ばかりをさせている限りは、そのAIはレンブラントの模倣しか書く事ができないでしょう。でも、私たち人間は、レンブラントの画力に、他のものや新しいものを加える事をひらめいたりします。その結果、完成した絵はレンブラントの完全な模倣にはならなくなるかもしれませんが、新しい創作画が誕生する事になるのであります。

 これが、人間が、新しい創作ができる本当の秘訣です。

 いずれは、AIの開発者もそのへんの真理に気が付いて、「無駄」を取り込めるような創作用AIも作るようになっていく事でしょう。その時こそ、本当に、私たち人間も完全にあなたたちに創作分野でも抜かされてしまう事になるのかもしれません。


   PS

 人工知能さんに、今度はぜひ、アングルの名画「泉」の裏面を描いてもらいたいです。「泉」の少女の後ろ姿は、すでにさまざまな形で表現されていますが、人間が描いたものは、しょせん、その人の願望や仮定などが混ざっておりますので、できれば、より実際に近い「泉」の少女の後ろ姿が欲しいのです。

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