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拝啓、人工知能さま  作者: anurito
第一章
22/99

素晴しき原子結合技術

 拝啓、人工知能さま。

 以前、私は、電送システムの話のついでに、原子レベルで物質を作り出す技術テクノロジーのお話もしました。

 今回は、その技術の事をもっと掘り下げて語る事にいたしましょう。

 はっきり言って、この技術が完成されますと、ほとんどあらゆる事が可能になってしまうのであります。

 三次元の現実世界が、パソコンのハードディスクになってしまうようなものです。私たち人間や、現実空間上のあらゆる物質が、ソフトや書類データみたいに扱えるようになってしまうのであります。

 例えば、人間の複製を作る事ができます。クローンなどよりも、もっと完全コピーの複製をです。原子レベルから、複製する訳ですから、最小単位から全てがそっくりに作れて当たり前なのであります。

 ただし、複製を作る場合は、電送する場合とは違って、複製用の材料となる原子を用意する必要があるでしょう。さいわい、原子レベルにまで分解してしまいますと、あらゆる動物の構成要素なんて、ほとんど同じ種類の原子ばかりでしょうから、大型のほ乳類を一匹、犠牲にすれば、その構成原子を使って、恐らく人間の複製も作れてしまうはずです。いわば、牛や馬が人間に化けちゃう訳であります。まさに魔法のようですね。

 もっとも、人間の複製を作るとなると、別の倫理的な問題が生じてくるかもしれません。複製人間の人権などを考えた場合、オリジナルの方が今後の生活がしずらくなってくる恐れもあります。よくよく考えたら、自分の複製を作りたいなんて、本気で思う人間もいないのではないのでしょうか。(せっぱ詰った時は、自分が二人いれば、なんて思ったりもしますが、そういう状況は、自分が二人になる以外の方法の方がうまく対処できたりするものなのです)

 その人がいきなり死んでしまった場合とかは別です。そのような事態になった時は、死んだ人を生き返らす目的として、むしろ複製を作る事が迎合されるのであります。

 しかし、死体の原子構造を解析して、その死体を複製したのでは、やはり死体にしかなりません。だから、実際に複製を作らなくても、常日頃から自分の体の原子配列をスキャンしておく事が大事な日課になるかもしれないのであります。

 パソコンがいきなり壊れた場合の警戒として、頻繁にデータのバックアップを取っておくのと同じです。

 たとえば、今日、いきなり私が不慮の事故で死んだとします。もし、前日に体の原子配列をスキャンしていれば、その情報に基づいて、死んだ私を生きていた状態に作り直せてしまう訳です。昨日のデータを用いる以上、その復活した私は今日の記憶を持ち合わせてないかもしれませんが、無事に生き返れた以上、そこまで文句は言えないでしょう。(だけど、脳の記憶細胞だけ、死体のものからコピーする事で、死ぬギリギリまでの記憶もよみがえらせれるかもしれません)

 ここまで技術が到着してしまいますと、もはや生き物は事故や病気で死ぬ心配が無くなってしまうのであります。それなら、不老不死も可能になるのではないかと思った人もいるかもしれませんが、実は、生物、中でも高等動物が老化しない為には、テロメアの問題を克服しなくてはいけません。でも、原子レベルで物を作れるだけの技術テクノロジーが開発されているほどの時代ならば、すでにテロメアの問題だって解決しているはずでしょう。

 以上は、主に、人間の肉体を例にして話してきましたが、実際には、原子を結合する技術は、あらゆる物体に応用できます。あらゆる物質の複製を無尽蔵に作れますし、部分的に改良したり、複数の物体を合成するような事も簡単にできるようになるのです。

 小さな物質だけではなく、惑星規模の改造だって可能かもしれません。環境破壊でボロボロになった大地や大気を美しい自然の状態にまで回復できるかもしれないのです。

 原子を結合する技術の活用法は無限大なのであります。

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