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カミ回し   作者: 天川 奏
美香と咲良と俺
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 「どんな夢?」


 「紙回しが、流行ってた。……メッセージ書いて回すやつ」


 「へぇ~……だから聞こえたんだ」


 「え?」


 「ううん、何でもない」


 隣で独り言を呟いたカミは、星空を見て、目を瞑ってしまった。


 「そう言えば……何で俺には、カミが見えるんだ?」


 カミと同じように、空を見上げてみる。

 完全に真っ黒ではない紺色の空に、きらきらと光る星が散らばっている。


 「えー?」


 隣からは、クスッとした笑い声が聞こえてくる。


 「だってお前、幽霊って事なんだろ?」


 「んー……どこか、共通点があるのかもね?」


 「共通点……?」


 「あ、そうそう、仲直りのことなんだけど」


 「えっ、あー……」


 聞こうとしたのに、はぐらかされてしまったような感じがした。


 「……誰と仲直りしたいの?」


 「宮川君と同じクラスの、咲良(さくら)って子」


 「咲良?」


 同じクラスの女子なんて殆んど気にした事が無かったから、いまいち、ピンと来なかった。

 

 「もしかして、わかんない?」


 「うん、ごめん」


 カミが、あははっと笑う。


 「長い黒髪で、頭が良いかな。結構大人しめの性格だったと思う」


 「その子に、仲直りしたいって伝えればいいの?」


 「そ。できる?」


 顔を覗き込まれる。

 不意に顔が近くなって、思わずドキリとした。


 「あ、あぁ、わかったよ。じゃーな」


 そう言って立ち上がる。

 いきなり距離が近くなったせいで緊張したのか、肩に変な力が入っていた。

 けれどこのドキドキも、またどこかで感じたことがあるようだった。

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