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カミ回し   作者: 天川 奏
美香と咲良と俺
11/33

十一

 たたたっと教室の外に出ていく咲良を、少し追いかける。


 「おい」


 俺の言葉で呼び止められ、歩くスピードが遅くなった。


 「何、変態くん。まだ何か?」


 ぐふぅっ。

 変態だと?

 畜生。


 「あのさ、そもそも、喧嘩した理由は何なの?」


 「……別に、話したくない」


 話したくない?

 それだけ嫌な喧嘩だったのか?

 女子こえぇ……


 「あんまり深く関わんないで、ストーカーくん」


 「ぶぐっ!」


 ストーカーになったし!

 

 「あ!」


 またトイレに逃げられた。

 トイレ、許さん。

 でも、まぁ、カミから聞けば良いか。


 

 「なぁ、カミ」


 この日俺は、階段には座らず、社の柱にもたれていた。

 カミは階段に座っている。


 「喧嘩した切っ掛けって、何なの?」


 「うんー」


 「カミが自分から謝るってことは、カミが悪いことしたの?」


 「うん……」


 カミが、手をいじいじさせる。

 女子の事情なんて、わかんねーからな。


 「咲良、絵が得意なの」


 「うん」


 「でね、それで咲良、漫画家になりたいって言って、漫画雑誌に応募したの。そしたらね、連載が決まったの!」


 「え、凄いじゃん……!」


 驚いた。咲良が漫画家になりたかったなんて、想像できない。

 カミは、でしょ! と言ってから、また俯いた。

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