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カミ回し   作者: 天川 奏
美香と咲良と俺
10/33

 「よし」


 仲直りのお手伝いを初めて二日目。

 まずは、カミが死んでしまったことから話そうと思っております。


 「おはよー……」


 静かに挨拶をして教室に入る。

 それから何食わぬ顔で咲良に近づく。


 「おはよ……」


 声をかけると、少し睨まれた気がした。

 ……気のせい? 気のせいにしちゃって良いのかな?


 「昨日の話なんだけどさ」


 「なに、まだ何かあるの?」


 笑顔とは真逆のものが、ここにある。

 

 「あ……咲良が知らないみたいだから言うけど、カミ、死んじゃったんだよ」


 「だから、カミって?」


 あ、食いつくところそっちか。

 すみません余計な言葉を入れてしまって。

 

 「えっとー……」

 

 咲良が昨日言ってたことだと、カミは美香って名前になるって事か。

 逆にしただけだ。


 「美香。美香は、もう死んじゃってるんだ」


 「……は? 私が知らないことが、何であんたに分かってんの?」


 わー、美人さんから繰り出される言葉がこわい。


 「いやあの、」


 「もしかして、付き合ってたりしたの?」


 「そんなことないっ!」


 確かに、何か変な胸騒ぎはするけどっ?

 恋愛ではないと思うな! 俺!


 「で、でも、美香が死んだのは本当なんだよ」


 「そんなデタラメ信じないし。私に近づく為の口実なら、もっとお断りよ」


 えぇええ……

 大人しめとかいうイメージがめっちゃ強いけど、何かすげー。

 これが本性とかいうやつか。


 「咲良、なんにも聞いてないの?」


 そう訪ねると、咲良の片側の眉が、ひょっと上がった。


 「中二になって友達になったと思ったら喧嘩しちゃって、謝りもしないまま引っ越していっちゃったんだから」


 そういや、そうやって言ってたな。


 「退いてくれる?」


 言うと、また教室を出ていってしまった。

 今日も周りから視線を感じるが、俺は気にしないぞ。

 うん。

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