表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
カミ回し   作者: 天川 奏
美香と咲良と俺
1/33

 

 『私は____』


 頭の中で、何かが聞こえる。


 『起きて』


 「誰…………」


 「おい宮川、起きろー」


 「うわっ……!」


 担任の間延びした声で目が覚める。

 俺は今まで夢を見ていたらしい。

 机から顔をあげた勢いで、膝を机の裏側にぶつけた。

 そうか、ここ学校だった。


 夜中までしていた受験勉強の疲れが出たのだろう。

 いつの間にか居眠りをしてしまったらしいが__


 「……これ、何だ?」


 中学から変わらない、木製の、少し小さくなったと思える机の上。

 そこには四つ折りにされた、小さな紙が置いてあった。


 「誰が__ 」


 投げ入れたのだろうと周りを見渡しても、目が合う人は誰一人いない。


 「……イタズラ?」


 何が書かれているのかと、四つ織りの紙を開いてみる。


 『寝ている間、私は貴方に話しかけることが出来ます。』


 「寝ている間……」


 つい先程に起こった出来事を回想する。

 確かに、誰かから話しかけられていたような気がしていた。


 「宮川ー、聞いてるのかー?」


 「わっ、はい! すみません!」



 寝ている間、俺がその紙と話すことが出来るとわかったのは、この頃だった。


 高校三年、受験生の夏に起こった、不思議な物語。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ