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仕事その零・過去へ飛ぶとき
「信じる?」
僕の家にあがりこんできた彼女は、唐突に一言、言った。
「……何が?」
多少戸惑った僕は、とりあえずこの根本的な疑問を彼女にぶつける。
たしかに彼女は、不思議な印象を持っていた。
名前はラリアと名乗っているが、実名かどうかはわからない。そして、名前と風貌以外、
僕は何も彼女のことを知らない。
「信じる?」
ラリアは、さっきよりもずっと強い口調で、同じことを言った。
「何を信じるのかがわからないんだけど……」
僕はお手上げって感じで肩をすくめた。
「まあとにかく、信じるよ」
すると、ラリアはこの僕のあんまりいいかげんな言葉を聞いて、少し怒った。
「まじめに聞いてよね」
そしてラリアは、唐突に語り始めた………