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C・トベルト学園  作者: C・トベルト
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第弐話 トベルト学園の日常 午後編


パー「物語に始まる前に学園の説明じゃ!

このトベルト学園は、小学部、中学部、高学部の三つに分かれている。

 更に寮もある広い広い学園なんじゃ!

 つまり!三種類の可愛い子どもの姿を楽しめ」お巡りさん「たいほー」パー「ぎゃあああああ!」


それでは、改めてはっじまっるよー!


第6話~五時間目~


トベルト学園小学部校舎の一室。


授業ベルが鳴り響き、小学生達は下校の準備を始める。

 赤い花の模様が描かれた着物を着た少女、ウシロノとゴスロリドレスを着た少年、ショウメンが楽しそうに部屋で歌を歌っている。


ウシロノ&ショウメン。双子悪魔。

ゴスロリドレスを着た少年がショウメン。前向きな性格で人探しが得意。

赤い和服の着物を着た少女がウシロノ。

後ろ向きな性格で物探しが得意。



ウシロノ「ラーララー♪下校じかーん、下校じかーん!」

ショウメン「ルールルー♪皆で犯罪者または校長に気を付けてー♪」

ウシロノ&ショウメン「「かーえーりーまーしょー♪グッド(上向き矢印)」」


子供達「う・・・うん・・・」


ウシロノとショウメンの二人がリーダーになると、ミュージカルが始まる。

 毎度わかっていても引かずにはいられない子供達。

 冷え始めた空気を暖めるように、手を叩く音が教室中にひびいていく。

 ジャージ姿の少し背の低い小学生教諭、ノリが二人の後ろを歩きながら話を始める。


ノリ。小学生教諭。

常にジャージの新人。語尾に「~ッス」を付ける。実はこう見えて、女性。


ノリ「はいはーい、二人とも毎度毎度ありがとうッス。

 今度は落ち着いてやると嬉しいッスね」

ウシロノ「ノリ先生に言われると少し嬉しいかも(ほれっ)」

ショウメン「(むっ)次はロックを聞かせながら挨拶するぜ!ノリ先生は黙ってろよな!」

ノリ「そう言う訳にはいかないッス。

さあ座った座った。

 よし、皆さん今日高等部に新しい学生が転入してきたッス。名前はピリオ・ド・シュリア。

 優しいお嬢さん見たいッスから、皆出会ったら仲良くするッス」

子ども達「はーい!」

ノリ「それじゃあ皆さん、さようなら。

 宿題もちゃんとやるッスよ。

 それでは、起立、注目、礼!はい、さようならッス」


礼をした子ども達が次々に帰っていく。

 ウシロノとショウメンもまた、友達と共に帰ろうと、灰色のパーカーを着て、頭にはシロツメクサの髪留めを着けて、ピンクのスカートを履いた少女、ユーに声をかける。


ショウメン「おーいユー!

 いーっしょにかーえーろーぜー!」


ユー。アイの娘。

色々あって、アイの娘になった少女。

無意識ではあるが『自分の夢を叶える能力』を持っている。その夢が楽しい形で叶えられた事は無い。


ユー「うん、いいよ。

 ウシロノちゃん、今日は随分楽しそうに歌っていたね」

ウシロノ「今日は楽しく歌いたかったからね。

 ユーちゃん、この後一緒に買い物行こうよ」

ユー「あー、ごめん、私今日夕飯の用意しなきゃいけないから。

 あ、でも夕飯の材料買わないといけないからスーパーならいけるかも」

ショウメン「んー、スーパー?

 俺達も丁度そこに向かうつもりだったんだよ」

ウシロノ「今日も二人で御飯作らなきゃいけないし、私達も一緒にいくよー」

ユー「え、そうなの?

 じゃあ一緒にいこうかな」

ウシロノ&ショウメン「「いこういこーう!」」


三人は楽しそうに笑いながら教室を去っていき、話を聞いていたノリは優しい笑みを浮かべながらその様子を見ていた。


第7話~自宅にて~


ユー「ウシロノちゃん、ショウメンくん、ばいばーい」

ウシロノ&ショウメン「ばいばーい!」


双子と別れたユーは自宅を目指す。

 『たんぺん荘』と書かれたアパートはボロボロで、自宅に登る為の階段はかなり錆びて今にも崩れそうだ。

 ユーみたいな女の子が登ってもギシギシと音を立てている程である。

 そしてその先には三つの扉があり、一番端がアイとユーの家だ。その扉を開けて

ユーはただいまーと言う。

 だが、中には誰もおらずがらんとしている。ユーにとっては何時も通りの景色だ。

買い物袋の中身を冷蔵庫に入れ、食事の準備をしようとした時、ケータイにメールが入る。

 宛名は『片腕さん』と書かれていた。それを見たユーはぱっと顔を明るくして扉を開け隣りの部屋に顔を向ける。

 隣りの部屋の扉が開いており、そこから女の人の片腕がにゅっと出ていた。

 手首にはストラップのひもを垂らし、その先にケータイがぶら下がっている。

 ユーは片腕に向けてぺこっと頭を下げた。


ユー「こんにちはお国さん!」


ユーが挨拶すると、片腕がケータイを操作する。するとユーのケータイが鳴り響き、ユーはメールを確認する。



Flom・片腕さん

☆★こんにちはユーちゃん!★☆

今日も学校楽しめたか~い?スパーク2(キラリマーク)スパーク2(キラリマーク)

さっきのメール見てくれた( ・◇・)?



それを見たユーは片腕に楽しそうに話しかける。


ユー「うん!とても楽しかったよ!

 さっきのメール?」


ユーが慌ててメールを見返す。



Flom 片腕さん

ハート(矢)バキューン!ユーちゃん!今日の番組で見た映画面白かったんだ!\(^o^)/

ユーちゃんの大好きなハートコ☆イ★バ☆ナハートだよー!一緒に見る~(^ー^)



それを見たユーはコクコクと頷いた。


ユー「うん、ありがとうお国さん!

 今そっちにいくね!」


ユーは自宅の鍵を閉め、片腕さんの家に入る。

 片腕さんの家の中は大量の飾りやインテリアで埋め尽くされており、ユーの密かな楽しみだった。


ユー「わあ、くまさんのぬいぐるみ!

 これお国さんの手作り?すごーい!

 あ、時計新しくしたんだ!不思議の国のアリスみたいなキャラクターが一杯で可愛い!

 凄いねお国さん!」


ユーが振り返ると、そこにはカーテンからにゅっと出した片腕が出ていた。手にはやはりケータイ。



Flom 片腕さん

(  ̄▽ ̄)フッフーン!凄いでしょー!

 私家じゃあ暇だから、いつも飾り付けしてるんだ~♪あ、でも分かってると思うけど



そこまで読んだ所でユーは顔を上げる。


ユー「うん、大丈夫だよお国さん!

 私、貴方の片腕の向こう側は見ないから!

 それより録画した映画みよ!」


ユーは楽しそうに笑い、お国さんはケータイから手を離しぐっと親指を立てた。

そしてメールが入る。



Flom 片腕さん

ありがとうねユーちゃん。あんた将来良いお嫁さんになれるよ。



そして、お国は床に落ちていたリモコン(ひもストラップ付き)を拾い上げて操作し、録画した映画を一緒に見ていた。



第7話 ~バイト~


~ネクストラウンド・サーカス~


学校から出て二十分程歩くと、赤い汽車と大きなテントが見えてくる。

 入口前の看板には『ネクストラウンドサーカス』と書かれている。

 そのサーカスの裏方で、二人の声が聞こえてくる。


スス「それじゃあリーダー、しっっかり働いて貰うわよ」

アイ「へいへーい」

スス「イラッ」


ドカバキゲシグシャギャリリリザクザクザク!!


アイ「ヨロコンデハタラキタイトオモイマス」

スス「宜しい」



サーカステントの裏方で、派手な彩りのスーツを着た褐色肌の少女ススとアイはサーカスの打合せしていた。何故かススはすっきりした笑顔で、『何故か』アイはガチガチの表情で。

 そこへ、綺麗な衣装を着た褐色肌の、長い黒髪のススに良く似た(胸以外)女性が近付いてくる。ススの姉、スミーだ。


スミー「あらアイ君、今日のサーカス手伝ってくれるの?」

アイ「あ、はい。

 いやースミー先輩には色々お世話になりましたし、今日は精一杯頑張ります」

スミー「ふふっ、今日は頼りにしてるわよ」

アイ「はいっ!」

スス「んっんー、ごほん!

 さーリーダー、

 『スミーの為に』精・一・杯働いて貰うわよ!

 先ずは看板準備とティッシュ配り!!」

アイ「は、ハイイイイイ!!」


アイは物凄い速度でサーカス内を走り抜けていく。それを見たスミーはクスクスと笑った。


スミー「あの子、張りきってるわね」

スス「あのばかリーダー・・・」

スミー「でもススも隅に置けないわね。

 もう男の子を連れてくるなんて」

スス「リーダーとはそんな仲じゃないわよ。ただのグラブの会員と会長ってだけ。

 スミーこそ好きな子いるんじゃないの?」

スミー「あらあら。カウンター食らっちゃったわ。

 それじゃ、今日のサーカスの段取りといきましょうか」

スス「はーい・・・」

「お?

 二人とも、ここにいたのか」


二人が振り返ると、黒髪の男性が立っている。化粧で顔を真っ白にしているが、その手は褐色肌だと分かる。

スミーが楽しそうに声を上げる。


スス「あ、セキタ」

セキタ「親父達が待ってるぞ、早く行こうぜ」

スミー「あらお兄ちゃん、ちょっと化粧が甘くない?目の下には星を入れた方が良いわよ」

セキタ「そうか?・・・って、スミー。

 俺の事、兄と呼ぶなって言ってるだろ?

 俺とは血が」

スミー「だって小さい頃一緒に暮らしてるし、ススとは生まれた時から一緒だしもう兄貴でいい気がするんだけど」

セキタ「・・・そういう訳にはいかないさ。

 この話はおしまいだ、さっさと行くぞ」

二人「はーい」


セキタはさっさとテントの中へ入り、二人も後についていく。その時、こっそり二人は話を続けていた。


スス(スミー、セキタと話す時はいつも楽しそうね)

スミー(あ、やっぱ分かっちゃう?

 ま、セキタお兄ちゃんはイケメンだし、多少はね?)

スス(ふふ、セキタお兄ちゃんは生真面目だからそこら辺鈍いし苦労するだろうけど、頑張ってね。私は応援してるわ)

スミー(ありがと、ススもアイ君の事頑張ってね)

スス(リーダーとは何でもないってば!)


三人は家族の元へ集い、サーカスの打ち合わせを始める。

 やがて人が集まり、照明が次々に照らされていく。客は集まり、子どもから大人まで皆笑顔でその時を待ちわびる。


ネクストラウンドサーカスの開演まで、あとわずかだった。



~第8話~誰もいない筈の学校で~


誰もいない暗闇の学校に灯りが灯る。

 警備員が見回りに来たからだ。

警備員の姿は青いスーツを着たそれではなく、ボロボロの布切れを重ね着し、包帯で全身を隠した男だった。

 男は高笑いを始める。


「ヌハハハハハハハハハ!

 スーパーハイパーマスターウルトラアームストロングネオパーフェクト暗黒大魔王様が暗黒に支配されし魔宮を闊歩しに来たぞ!闇の精霊達よ、今こそ我が影から解き放たれ暗黒に潜みし悪鬼共を暴くが良い!!さあ、血塗られたショーの開幕だ!

 (訳・やあ、魔王だよ!警備員だから学校を見回るんだ!

 悪い奴が居ないかちゃんと捜さないとね☆)」



自称魔王は懐中電灯を片手に夜の校舎を歩き続ける。校長室前まで歩いた所で、何か詠うような声が聞こえてくる。

 魔王は音が鳴らないよう、そっと扉を開ける。中では校長が訳の分からない呪文を唱えながら訳のわからない石像を前に訳のわからない躍りを踊っていた。


魔王「・・・・・・」


魔王は何も言わず、そっと扉を閉めそっと木の板で扉を打ち付けそっと鉄板を打ち付けそっと『閉鎖中』と書かれた看板を立て掛ける。

 全てを終えた後、魔王は静かに笑みを浮かべる。


魔王「我は何も見なかった。

 ここには何も無かった。

 諸悪の根源は断たれた。以上」


魔王は何も気にせず、夜の校舎を歩き続ける。

 しばらく歩いていると廊下に小さな山羊のコスプレを着た人が倒れていた。

 魔王は思わず駆け寄り、声をかける。


魔王「む、どうした!お主、名前は!?」

「うぅ・・・俺、は・・・」


山羊のコスプレを着た人は隠していたカラースプレーを魔王の顔面に吹き掛ける。



魔王「ぐわっ!」

「小さなガラガラGUY(ガイ)だぜ、ヒャッハー!汚物は消毒だ~!」


小さなガラガラGUYは更に爆竹に火を付け、魔王の足元に投げる。

 視界を奪われた魔王の足元で爆竹が弾ける。


ぱん、ぱん、パンパンパンパンパパパパパパパパパパパパパパパパン!


魔王「う、うおおおお!?」

小さなガラガラGUY「ヒャーハッハッハッ!!」


小さなガラガラGUYは学内だというのにバイクに乗り、爆音を上げながら闇の中へ消えていった。魔王はフラフラにならながらも、ガラガラGUYを追いかけようとする。


魔王「ま、待て・・・!」

「待つのは貴様だ!」


不意に、後ろから誰かの声が聞こえてくる。そこには筋肉ムキムキの山羊のコスプレを着た男がたっていた。


魔王「誰だ!?」

「貴様、その耳が俺の弟に似ている・・・ここでくたばるが良い!

 アタァァァァァァッ!!」


言うが早いが、男は翔龍拳を魔王に喰らわせる。魔王は衝撃で「UWAAAA!」と叫びながら吹き飛び、天井に顔面ぶつけて頭から床に落ちる。

 それでも魔王は立ち上がった。


魔王「うう、お前・・・今までそうやって何人倒してきたのだ!?」

「ふっ、百から先は数えてない!

 アタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタアァァァァ!!」


不審者はそう言いながら魔王に北斗百列拳を喰らわせる。


魔王「チュウニビョッ!」


魔王は奇声を上げながら吹き飛び、廊下の端まで転がる。

 それを見届けた不審者は魔王に背を向ける。


「俺は中くらいのガラガラGUY。

 強者がいる限り、俺は永遠にさ迷い続ける!」

魔王(な、何いってんのこいつ・・・!)


魔王は気を失い、中くらいのガラガラGUYは立ち去っていった・・・。


十分後。


目を覚ました魔王は廊下を走り続けていた。


魔王「く、早く警察に電話しないと!

 む!?また侵入者、校庭か!」


魔王は校庭の何かに気付き、外に出る。

 そこには学校よりばかでかいロボットが立っていた。


魔王「!?」

「ゴアンシンクダサイ。爆発オチDEATH」



どっかーん。世界は滅んだ。

そして誰もいない世界にポロロッカ星人が降り立ち・・・。





そこまで見た所で、C・トベルトは目を覚ます。


トベルト「(゜ロ゜;!はっ!ポロロッカ星人はどこ・・・なんだ、夢か」

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