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ジョニー、リリー、ケルビン!は妖怪人間

更新遅れてさーせん……とでも言うと思ったか阿呆め!そもそもいつ更新するか決めてないんだから遅れるも何もないぜ!


……さーせん。サブタイは某ラ、ム、ロの妖怪人間を意識してます


ある昼時のこと。


「敵襲ー、敵襲~っ!」


僕達がいる地区に、複数の兵士が駆け込んで来た。その言葉を合図にしたかのように、避難警報用の鐘が鳴らされる。よく見ると第2地区、第3地区にも警報が鳴らされているようだ。てかうるさっ!何かしらの魔法がかかっているだろう鐘の音は、遠くにいる僕達にもかなりうるさく聞こえる。


ダダダダダッ


あ、兵士さんらしき人達がこっちまで来た。でも気付かれてはないみたいだ。


「住民の皆さんはこちらに避難してくだ…っていない!?」


「どういう事だ!?こちらの作戦がばれていたとでもいうのか!?」


「そんなことは後回しだ!さっさと火を放て!」


なんか危ない会話をしている兵士さんらしき人達。そして…あれ?原始的な方法で火をおこしてってる。魔法使わないのかな?


せっかくだしスキルの練習しよう。


『比較眼』


対象は僕の魔法の才能、及びスキルレベルとあの兵士さんらしき人達の合計の魔法の才能及びスキルレベルで。



=====


対象A すごい才能。高スキルレベル


対象C 低い才能。低スキルレベル


=====


にゃるほど納得。つまり火魔法使えないわけだ。


って、すごい。火打ち石と打ち金で火をつけてる人とかリアルで初めての見た。藁に火を移して…へぇ、そうするんだ。そしてそのまま火を家に移して…って!


「スコール!」


僕の唱えた魔法で、周辺一帯にとてつもない威力を秘めた雨が降り注ぐ。急にできた雲、不自然だろう?でもたぶんなんかの前線が通っただけだよ。たぶん。僕ジャナイヨ。こんなすごい威力の雨なんて人為的におこせるわけないじゃないか。ハハハ。屋根とか雨の勢いで欠けたり吹き飛んだりしてる幻覚が見えるよ、おかしいなー。


まあさすがに放火は見逃せないしなぁ。え?威力が余計?いや、だから僕ジャナイッテ。おそらく、たぶん、きっと。お、急に降ってきたこうげきに驚いた兵士らしき人達がキョロキョロしてる。犯人探しでもしてるのかな?犯人なんていないって。なんかの前線とかだって。きっと。さっきからそう言ってるじゃん。心の中でだけど。


それより僕がどこにいるか、気にならない?木にならない?樹にならない?ふっふっふ。正解は…じゃかじゃん!


「雨雨ふれふれふんふふんふふーん。蛇の目でぴちぴちらんらんらーん(歌詞憶えてない。そもそも知らない)」


街中に生えている樹でしたー!いやー、キマイラってすごいね。トレントベースの兄上にちょっと血をわけてもらえばこの通り。動くし喋るし気持ち悪い街路樹の出来上がりですよ。ちなみに右隣の樹はそのトレントベースのイツカ兄上、左にはグールベースのナナ姉上が樹の状態で待機している。


にしても自分が樹だと、なんか分からないけど雨が降るとハイテンションになるなぁ。なんでだろ?そういえば某未来から来た青いタヌキのやつでも木の子供が雨の中遊ぶってシーンがあった気がする。


「おい!どうなってるんだ!この国、人っ子一人いないぞ!」


「なんだ!何が起こってるんだ!?家にはいれないし、雨は急に降るし、何かがおかしいぞ!?っていうか雨痛いぞ!?」


あー、なんか暇だなぁ。ちょっと会話に参加しようかな。


「気をつけろ(樹だけに)!しかもどこかから不可視の攻撃が飛んで来るぞ!」


あ、兄上と姉上がこっちを驚いた様な顔で見てくる(気配がする)。大丈夫だって。


「何!?それは本当か!?…おい、待て。今喋った者、どこにいる!」


あ、もうばれたか。まだスコールは続いてて、音がうるさくて話しがしにくい、暗くて視界が悪い、の、二拍子揃ってるんだがなぁ。さすが、懸賞金13億セルの盗賊団は格が違うなあ。あ、セルは金の単位ね。でだ。


「おちつけ!俺は直属の一員だ!今は傷で立てないので樹に寄り掛かっている!それより大変なんだ!この攻撃を受けた奴らが全員姿形が木のようになって行くんだ!俺ももうやばいかもしれん!このことは他のやつ…に…ぉ………」


演技は得意なんだ、僕。っていうか自分で言っておいて疑問。直属ってなんの直属?


「待て!今行く!」


雨の音でよく聞こえないけどたぶんこっちに近づいてきているのであろう、兵士の格好を真似た盗賊達。今の内に樹の一部をいじって人型っぽいやつを作っておく。あ、鎧とかどうしようか…まあいいか。


お、来た来た。


「うっ…」


「これは…」


「全員、周囲を警戒しろ!」


僕を見た盗賊達が、一気に顔をしかめる。そして即座に周囲を警戒する。


「もしかしてこの樹、3つとも元は人なのか…?」


!?


え、ちょ、兄上、何言ってるんですか。ふざけるのは僕だけで充分ですよ?


「なに?…まさか、囲まれている!?おい、ジョニー、ケルビン、マイク!リリー、いるか!?」


「マイク、いるぜ!」


「こちらジョニー(兄上)」


「リリーよ!(姉上)」


…あ、そゆこと。近くにいたケルビンらしきやつの心臓を枝で一突きして殺す。鎧を貫通するのは難しいので汚染魔法と錬成魔法の応用で、突いた部分の金属だけ溶かしてどかす。


「ケルビン!問題ない!(僕)」


これで生存者は隊長らしきやつとマイクだけだ。


「よし!全員、この区から脱出するぞ!俺に続け!」


そして振り向いた隊長の顔面を僕が一突き。マイクは姉上がグール化させている。


血を解放して元の子供姿に戻る。ついでにスコールも解除。


「お疲れ様、二人とも」


いまだトレント姿の兄上から労いの言葉が届いた。返事せねば。


「お兄ちゃんこそお疲れ様。お姉ちゃんもねー」


そしてグール化した盗賊の喉笛をかっきって殺した後、姉上がいい笑顔で言った。


「キミ君こそお疲れ様ー。いやー、急に喋りだすんだもんね。お姉ちゃんびっくりしちゃった♪」


テヘペロっといたかんじでウィンクする姉上。イツカ兄上もナナ姉上も、たった3歳なのにかなりの知能の持ち主だ(人のこと言えない)。二人はのりがよく、僕も結構二人のことを好いている。(17人の)兄弟の間で仲のよさで順位をつけるなら5、6番目かな。ちなみに16番目は長男のキラ兄上だ。僕と同じ人間ベースのくせに人の悪口言わないし、人間らしくないから個人的には好きじゃない。ちなみに4歳。3年半差だ。


「でも、本当にキミはすごいよな。その神託?とか言うやつ。羨ましいよ。僕も使えたらな」


「兄う…お兄ちゃんにはお兄ちゃんしかできないことがあるじゃない。いいじゃん、僕からしたらお兄ちゃんのスキルだって羨ましいよー」


危ない。一瞬兄上を兄上と呼びそうになってしまった。


「しってる?そういうことを『隣の林檎は赤い』っていうんだよ?」


所謂、隣の芝生は青い、というやつだね。


「へー、ナナは物知りだな。さすが僕の妹」


物知りなのは同感だ。まあそれはイツカ兄上……いや、我が妹君以外の兄弟および姉妹全員に言える事なんだけどね。4歳時で微分積分、二次関数のZ○のCMのやつ理解してるとかキラ兄上まじヤバすぎ。○会やってけなくなるじゃん。もちろんこんな年齢でこれだけの高い知能を持っているのには理由がある……と、僕は思っている。神様から聞いた訳ではないのであくまで僕の憶測だけど、僕達17人の兄弟の知能が異様に高いのは、種族が関係していると僕は思っている。生物学的な知識はあんまりないので分からないが、生物の本能的なものだと思っている。生物の本能。それは、生きて、子孫を、その自らの種を、繁栄させること。マンボウは一回で3億もの卵を産むを言われているが、これも子孫を繁栄させるためだ。マンボウの子供は本当に弱く、即座に死んでしまうい、3億も産まれて生き残るのは数匹だけだと言われている。種族を繁栄させるには、強くなくてはならない。マンボウの卵がもっと硬く、そしてマンボウの稚魚がそのかたい殻を破れるくらいに強く、そして寄生虫などものともしない鋼の肉体があればマンボウはもっと繁栄しているだろう。たぶん。


マンボウの話は置いといて。いや、結構大事な話しだったんだけどね。


つまり何が言いたいのかというと、生き残るため、そして種族の繁栄のために、早くから高い知能をつけて、早くから高い戦闘力を有していれば死ににくい、というわけだ。そしてそれを実行したのが悪の秀才型科学者、ドクター……なんとか。そもそも名前知らない。


まあ、僕達兄弟が高い知能をほこるのはそのため。妹君が普通の人間の子供よりは知能がちょい高い程度に留まっているのには、まあ、もちろん理由があるわけだが、わりと重い話しなので今はやめよう。将来何に、どんなふうになるかが産まれたときから……生み出された時から決まっているのは嫌な事だと思うし。


「たしかキミ君の話しだったら、あっちの貴族街に盗賊の親玉の……なんだっけ」


「エトナ・アラテ?」


「そうそれ。が、来るんだっけ?」


今までこの盗賊達のことを話していた兄上と姉上が、僕にも話しをふってきた。


「そう、そのはずだよ」


「神託って本当に便利だよね。ヨイお姉ちゃんもそれで私たちをあの島から出してくれたわけだし」


今回は僕のスキル、神託で出た『なんかすごい盗賊があんな手やこんな手を使って王都に責めて来るから、おk?』という神の言葉で事前にそれを知り、その盗賊達への対策をたてていたのだ。


ヨイお姉ちゃんというのはナナ姉上がお世話になっている巫女さんの事だ。日本みたいな仏教とか神道とかとは違い、どっちかというとキリスト教寄りの宗教に入っている。まあキリスト教のこと詳しく知ってる訳じゃないんだけど。


ヨイさんはお母さんと並ぶくらいの重度のショタコンだ。ナナ姉上と一緒に住んでいるバデン兄上があの年齢で精通しているのにもきっと関係があるんだろう。


それはさておき神託のスキル。このスキルは持っているだけで、何かしらの神からのお告げ的なのを聞くことができる。実際は唐突に声が聞こえて来るのですごく迷惑。お告げの内容はありがたかったりするんだけどね。タイミング悪いのが玉にきず。


神託を受けたヨイさんのおかげでアッツ島から出られたからそこには感謝してる。でもお告げをしたのがナル神様じゃないって言ってたし誰なのかが気になる。


「あとはチィエお姉ちゃんが冤罪になるのを防げば終わり?」


「そう…だったはず」


「?キミにしては自信がないな」


僕は何事にも自信はないよ。


「いやー、なんか忘れてる気がして」


なんだっけ。あんな手とかこんな手とか、策を練りすぎなんだよ盗賊達。覚えてないよ。


「おい!お前達、大丈夫か!」


僕がうんうん唸っていると、今度こそモノホンの兵士さんが現れる。兵士さん……というか、国民のほぼ全員に訳は話してあるので、見に来てくれたんだろう。


「あ、はい。無事に事なきを得ました」


無事に事なきを得るって、なんかすごい違和感。


「そうか。ところでだが、キドルミナ君。今度よかったら君のお母さんを紹介…」


「無理です。僕が襲われかねません」


「そ、そうか…」


チィエさんはハッキリ言って美人だ。それ故、ときどきこういう「紹介してくれ」という案件が僕に相次いで来る。まじで困る。っていうかたかが兵士がチィエさんに告ってOK貰えると思ってるのかな?この国のイケメン貴族がチィエさんに求婚したけど速攻で振られた話し、知らないのかな?っていうかイケメン氏ね。もう人間全員氏ね。


「じゃあナナちゃ」


「じゃあとか言ったら殺されますよ」


「あ、はい……ところで、さっきの雨はいったい?」


立ち直り早いね……。


「あ、僕の魔法ですね」


「ここからじゃ分かりにくいけど、火が放たれた民間とかがあったから、きてくれないか?」


なんでそんなわりと大事なことを無視して「チィエさんを紹介してくれ」なんて言えるんだ。これだから人間は……、じゃない。


「それなら急ぎましょう」


でもこの兵士さんの図太い性格、結構好きかも。あ、もちろん人間として、ね。likeの方。僕はノンケだ。普通に女の子が好きだ。





・・・・・・・・・・・・・・・




移動中、ふと思った。


思ったんだけど、僕って結構病んでるよね?じゃあ誰かに恋とかしたら……(まあすることはないと思うけど)……ヤンデレになるのかな?うっわあ、男子のヤンデレとか誰得。最近の乙女ゲーでもあんまり出てこないでしょ。前世の妹の友達が言ってたぞ。ヤンデレになりたくないから、できるだけ恋とかしないようにしよう。まあ、本当に、恋ができるようなまともな精神構造じゃないと思うんだけど。





・・・・・・・・・・・・・・・





火事が起きている一帯の地域にスコールを撃つと、壊れかけてる家等が完璧に壊れるなど、どう考えても被害が甚大無限大になりそうだったので普通の大雨を降らせることにした。メルトダウンしてるお空の人みたいに断罪されちゃうからね。


他にもいろいろと問題や火事が発生したらしいが、僕達兄弟やその保護者達が、各々問題解決したらしいので事件は無事に事なきを得た。だとよかったんだけど、盗賊達がまだ街中にいるんだな、これが。やっぱり神託で何かしら大事な事を言ってた気がするんだけど、何だったかな。





やっぱりここで思い出しておくべきだったんだと、僕はこの後後悔することになる。その事を知らず、悶々とした気分のまま僕は盗賊散策に戻るのだった。




GWももう終わりですね。皆さんは楽しめましたか?そうですかそうですか。作者は一日中田植えに駆り出される日々で、学校からの課題に全く手をつけてない、折角の長期休みなのに更新ができてない、というプレッシャーのせいで体調不良に陥るという黄金コンボを決めることができました。ありがとうございます。


次回もまた見てくださいね!じゃーんけーんポン!うふふふふふ


この番組は、ご覧のスポンサーの提供でお送りしました

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