プロローグ『全ての始まり』
『待って!? りり姉!? りん姉!?』
一人の少年が、泣き叫んでいる。
少年の視線の先には、二人の少女が大人達と共に光りの扉に入ろうとしていた。
『りり姉!? りん姉!?』
少年は、少女達に近づくのを大人達に遮られている。
大人達の間から、短く小さい手を必死に伸ばし、少女達を引き留めようとする。
が、届かないし掴めない。
そんな少女達は、扉をくぐる前に少年の方を振り返り──、
『─────』
何かを呟いた。
何を言ったのか、少年には分からなかった。だが、それが別れを告げるものであると直感で理解した少年は──、
『あああああああああああああああああああ!?』
絶叫を上げた。
二人の少女はそのまま、光る扉をくぐり姿を消してしまった。
これが、少年と二人の少女の最後の日であった。
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「っは!? はぁはぁ……!」
僕はベッドの上で息を切らしながら目を覚ました。
天井に向けて手を伸ばしていた。
全身には大量の汗をかいている。
「はぁ……久しぶりにこの夢見たな……」
ここ数年は見てなかった ”あの日” の夢。
どうして久々に見てしまったのか。
「掃除したから、だよな……」
僕の視線の先には、一本のアコースティックギターがあった。
そのギターは、二人の幼馴染みがプレゼントしてくれた物。
お年玉を僕なんかの為に貯めて、僕の誕生日にプレゼントしてくれたんだ。
「もう十年か……ってか、今考えると五歳の子供にアコギって、すごいよな……」
二人の幼馴染みとは四歳離れている。
「って事は、今は十九歳か……」
もう二度と会えない二人に思いを馳せる。でももうそれも止める。
「先に進まないとな」
僕は、二人の事を忘れる事にした。
思い出も、記憶も全て。だから掃除をした。
写真や動画も全部消した。捨てた。残るは──、
「このギターだけだ」
僕はギターを持って家を出た。
そして、ゴミ捨て場に行き、ギターを捨てようとした瞬間──、
「え……!? な、何──!?」
突如、魔法陣のような物が足元に現れ、眩い光が僕を包み込む。
そして、僕はその光に飲まれ── ”地球から姿を消した”。
異世界転移系でございます!
僕の大好きな主人公がダークっぽくなり、知らぬ内にハーレムを作っていって、復讐をする、と言う作品を書いてみました!
皆様の心に、趣味に、好きに、少しでも刺さる事を心より願っております!
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よろしくお願い致します!