プロローグ
『世の中は普通すぎる』
と思ったことはないだろうか。
オレがそう思ったのは、中学生になって間もないころだった。
当時のオレはこう思っていた。
『異世界に転生や転移しないかな?』
『不思議な力が身に宿らないかな?』
『学校がテロリストに占拠されないかな?』
⋯と、中学校三年間そんなことを思っていた。
一番ヤバかったのが中学2年の時だった。
何をトチ狂ったのか、8月に全国的にも有名な心霊スポットに一人で行った。
御守りやお清めの塩も持たずに。
オレはそこで、合わせ鏡や狐の窓をしたり、魔法陣を書いて何かを召喚しようとした。
挙げ句の果てには、1人隠れんぼやコックリさんまでした。
今だから言えるが、何してんだ昔のオレ⋯⋯。
ちなみに何も起こらなかった。
まあ、当然だな。
世の中は、そんな非科学的、非物理的なことなど起きないんだから。
そういうのは、ラノベやマンガやアニメの世界でしか起こらない。
だからオレは願った。
そんな世界の主人公になりたい、って。
だけど、そんなことはなかった。
当然だ。自分は主人公ではない。ただの一般人だ。
昔のオレは中二病だった。
だから、あんなことをしてしまった。
今、思い出すと完全に黒歴史である。
その後、オレは無事に公立高校に受かり、入学式が終わってから2ヶ月が経っている。
その間に、色々とあったが特筆すべきとこがないのでパスする。
あらかじめに言っておこう。
これは、非科学的、非物理的なことがありえてしまった話だ。
まだ信じられないが、確固たる証拠を見せられたら信じるしかなかった。
正直に言おう、嘘だと思いたい。夢だと思いたい。
だけど、残念ながらこの世は現実らしい。
なんでこんな状態になったか。
それは、自分のクラスに1人の転校生がやって来たのが始まりだった⋯。