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皇太子ちょっとさぼるの巻Ⅱ 子供達の要求は

息抜きにおとずれたファルキア地方でもそこで大切な出会いがありました。


充実した会話を終えて大満足の僕は彼と別れて再び広場に戻っていくと遠くで今日の空の色の様な澄み切った青い歌声が届く。


その歌声は空に注がれて天へと広がって地上へと注がれていく。


噴水の前でたくさんの子供達が合唱しているからだ。

美しい歌声に心が和ごんで、微笑ましい光景に頬が緩みます。

そういえばそろそろスノードロップ祭りだから練習かなぁ?


少年と少女まだいたいけな小さな子供達もいる。

見ていても微笑ましい。

あ!

僕も子供かぁ?


ふと下の方に影を感じて視線を下へと移す。


そこには小さな男の子2人が僕のすぐ近くまで来てはじ~と僕を見ていた。


5歳くらいかなぁ?

観光客にたかろうとしているのか?

いやそんな顔をしていない。

それとも知らない人が珍しいのか?

いや興味というよりも。

それもちょっと違う気がする。


理由が知りたい。


「こんにちわ

 僕に何かようかい?」


警戒されないようににっこりと微笑んでみる。


子供達は話しかけられてびっくりしたのか。

やや後方に足を引いて一歩後ろに下がる。

少し驚いて、でも何か言いたそうな表情でもあるのかじっと僕から目を離さない。


僕は困ったなという顔をすると年長者の少年が駆け足で息を切らせてやってきた。

ゼイゼイと息を切らせて呼吸を整えた後、ふぃに僕に問いかける。


「あなた…は……神様の…末裔ですか?」


は?いきなりなんでしょ??

神様?

末裔?何の事?


えっ!


はっ!あ!!

聖エルディア神話か?

そういえば僕の髪と瞳は神話に出てくる女神ディアと同じか。

母上譲りだけどね。


「違いますよ」

にこやかに微笑んで答えた。


少年達はしょんぼりしてため息をついてしまった。

子供がため息なんかだめだよね。

がっかりさせて悪かったかな?

自己嫌悪に陥る。


「どうしてそう思ったの?

 神様の末裔だったら?」


思わずそう聞かずにいられない。


「君の特徴が神話のお話に出てくる女神様と同じだし。」


なるほどの外見ビンゴか!


「もし神様の末裔だったら。

 お願いしたかったんだ。

 僕達!学校に通いたいんだ」


学校?!

思ってもみなかった。

学校って行って当たり前の事なんじゃないの?

…そう思ったと同時に自分がどんなに無知で愚かなのか。

その事にすら気づけなかった。いや気づかなかった。

愚かでどうしようもない馬鹿だ!!


しばらくの沈黙の後、ふっと僕はそんな自己嫌悪なんかしている場合じゃないと頭を大きく振った。


「……学校で……学校で何したいんだ?」


「勉強したいんだ。

 勉強して、りっぱになって。

 父さん母さんに妹達に楽をさせたい!

 そして村を豊かにしたいだ。」

大きな声で頬を赤く染めて輝いた真剣な瞳で僕を凝視して彼は思いをぶつけてくる。

その熱と迫力に僕は圧倒させられ、同時に皇太子なんかと言っていた自分をグッで殴りたいと心底胸に刻んだ。

よし!!


貧しい家はその機会がないからだから学校にいけないのか。

よく考えれば読み書き計算できれば、人材に困らないし。

人材が豊富にあれば経済にも貢献できるよ。

設備建設費はかなりかかるが長期には絶対にプラスだ!


「なるほど。立派な考えだね。

 すぐには出来ないけど。

 実は僕帝都で役人をしている父がいる。

 お父様に言ってみるよ。

 いい案だね。

 いい事だよ。

 ありがとう」

僕はその子の頭を優しく撫でてニッコリ微笑んで安心させる。


少年達は太陽のような笑顔を残し嬉しそうに走って去っていった。


なんだか微笑ましい。

僕の出来る事あるじゃん。

皇太子なんかなりたくないなんて言ってた僕蹴り飛ばしたい。


とりあえずはフェルキアの神殿に行き神官長に経緯を話してみる。

神官長は聞く耳を持った良識者で読み書きの教室を開く提案をしてくれた。

話の分かる人でよかった。


さぼりに来たはずが、実りの多い日になったと暗くなる前に辻馬車に乗って宮殿に戻る事にした。


僕は本当に狭い世界で暮らしていた。

それが常識で窮屈で退屈ですら思っていたんだ。

駄目駄目だ。

世界にはそれすら贅沢なんだ。

今の僕にはその全てを変える事が出来る立場にいるんだ。


そうだ!

皇太子なんてなりたくないなんて贅沢だと。


戻った僕を待ち受けていたのは当然と言えば当然の父上と母上の説教だった。

確かに皇太子が突然の何にも言わず宮殿を出ていったら。

行方不明

冗談にならないだろう。

こってりしぼられたが、父とは学校の話が出来て明日の会議にかける交渉には成功した。


貧乏な平民に教育?

大臣の反対があっても強行する段取りもとりつけほっとする。


父上の提案で子供を通わせている親には税の軽減と昼食の無償提供を提案された。

さすが父上考えも一枚上である。


そして優れた会計長の話もして、中央財務省の上級役人に推薦をとりつけた。

未来の財務大臣の誕生だ。


父上からは出ていく時は自分だけには言っておくように再びお灸をすえられて私室に帰る。


思わぬ収穫な実りの多い一日に満足だ!!


なにげにやりがいまで感じ。

まじで兄上の思うツボと思いつつ充実した一日だった。


明日から頑張ろう僕。

皇太子にやりがいを見つけたそんな日になった。




次回は皇室のリストラ&ゴミ掃除開始

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