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あの出会いから……

「しかしあの次男坊があれほどの活躍するなんて想定外だね」


メヌエットの声が聞こえて来ます。

「そうね。ひよわそうな感じはあるかな?」


だれ女官長にその口のいい方?

メヌエットも注意する事もなくて、和気あいあい感が強い。

「あたしが筆頭乳母したんだけど。

 赤ん坊の時から甘え上手というか、世あたり上手

 の罰当たりってか。まっ!可愛かったけどね」


「へぇぇ~」


あれ!どっかで聞いた事のある声。まさか!!

まさかの?! 


メヌエットの私室にノックなしで入った。


「皇太子殿下??」


二人目が点で僕を見ている。


僕は見たことあるような無いようなもう一人の女性に釘付けだ。


その人はしまったといわんばかりの表情に身体は岩のように固まっている。


「盗み聞きですか皇太子殿下」

メヌエットがニヤニヤして詰めよってくる。


「いや入ろうとしたら聞こえてきて。」


「聞きましたね」


わ!メヌエット怒ってる。

怖いメヌエット!


「誰にも言わないよ」 

メヌエットはウンウンと首を大きく上下に振った。


「こちらはマリアティーヌ殿

 今は皇后付侍女をしている」


そう髪の色、瞳のいろいろを除けばその人だった。


マリアティーヌは観念したかのようにお辞儀をして、頭をあげなかった。


「その際は大変なご無礼を働き、どのような処分もお受けいたしますが。父は無関係でございます。

何卒処分は私だけに」


顔は見えないが、身体が小刻みに震えているから事の重大性は理解しているようだ。


「気にしてないよ。あ!でも気になってた。

 君に興味があって探してた。まさか変装してたな

 んてね。」


僕は余裕で笑って緊張を解いた。  

それをメヌエットがにこにこ見てる。

これで無駄な令嬢を招く夜会はしなくてすんだ。

三人で母上の元に行く。


母上はいつも以上に上機嫌で僕を迎える。


「アレクセイ!活躍聞いていますよ。

 母は嬉しくてたまりません」


満面の笑みを浮かべた母上は久しぶりです。


「まぁヴィクトールの機嫌はしばらく悪いでしょう

 が。ほっておきなさい」


母上お墨付き。はい無視します。嫁が将軍なのはしかたいから。


「まぁ。あの義姉上が健在ならば御前の代でも大丈夫だわね。」

 

ニタニタ笑う母上ある意味怖いです。


「ところでマリアティーヌとは挨拶終わったようね。気立てのよい公爵令嬢よ。それに前皇帝の寵臣の令嬢です。殿下も気にかけてくださいな」


「はい」


マリアティーヌは終始下をむいて無言なのを皇后は不思議に思っています。

「あれ?マリアティーヌどうしたの?

 元気ないわね。殿下のまえでも構わないわ。

 私達の時はあなたを見せてちょうだい」


「あ!気にしてたか。マリアティーヌそうして。いや。そうするように殿下の命令です」


僕はそう言ったら、マリアティーヌはゆっくり頭を上げて僕の方を向いて言った。


「殿下の命に従います」


それからは四人で戦場での僕と義姉上の活躍を聞かせて、熱心に耳をかたむけていた。

マリアティーヌは戦争の話など怖くて恐怖があるのではと思っていたけど、そこは行動派興味深く聞いていた。


もう夕立近く食事時になったので、おいとまする事にした。

今日は実りの多い一日でした。

満足です。

僕は最近理由を見つけては皇后宮を訪問しています。

なんだか楽しいのです。四人で過ごすこの時が。


翌日も母上に「アファルキア茶の極上品が入った」と女子会にお呼ばれしています。

紅茶は大好きなのでそそくさと出かけます。


僕が参加したらすでに女子会になりませんが、細かい事はいいみたいです。


母上は呼んでおいてメヌエットも来ていません。

何故かアリアティーヌ嬢と向い合せに座っています。


僕も女性と二人っきりなんてない経験なので、緊張しています。


彼女はモジモジしながら、下を向いています。

まだ気にしているのでしょうか?


僕から話しかけたらいいかなぁ?

何を話そうか?あ!そうだ。


「宮廷生活は慣れましたか?」


彼女は耳を真っ赤にして頷く。 


「はい。皇后陛下はとても気を使って…」


この前母上に普段通りって言われてたからどうしゃべったらいいか悩んでる感じたな。


「無理しなくていいよ」


僕は彼女の話し方は嫌じゃない。

むしろすっきりして合ってると思う。

可愛らしいタイプでないから、女性に失礼かもだけどかっこいいタイプ。


彼女は少し躊躇う様子を見せたあと、覚悟して自分をさらけ出す事にしたようだ。


「兄の中で育ったので口が悪くて。女の子が好きな事は苦手なんだ。狩りや運動をしてる方が性に合ってるんかな」


僕もそう思うよ。


「僕はそれでいいと思うよ。

 君らしくいるのが一番だよ」

 

彼女はその一言が嬉しかったらしく初めての笑顔が見れた。それは可愛らしい女性的な面で胸がキュンとなった。


あれ?!


「殿下?」


「なんでもない」


「じゃあ初めてのあった日のよう口調でいい?

 美味しいお菓子とか貰えるし宮廷生活は悪くないって。

 お父様の結婚攻撃もましになったし」 


「けっ結婚」


「あそうだね。

 貴族社会は婚姻時期が早いんだな。」


「しかも相思相愛なんて夢のまた夢でしょ。

 わたしには無理!お父様がいつもお前はいい遅れ

 だ。

 早く結婚しろと部屋中肖像画だらけにするん

 だ。」


あぁ綺麗な顔なのに目が腐った魚の眼になってる。

それに身体中で面倒くさいを表現してるな。

面白い人。


「まぁ母上も同じだよ。

 各国の王女達の肖像画を居間中に並べたり、突然無理やり強硬集団見合いさせられて困ったよ。

 僕は今帝王学を修行中だ。そんな気分じゃないんだよ。それより国政の責務が大事なんだ。

 まぁいずれは結婚するけどね。

 でもその相手は自分でしっかり見たいんだ。

 国を思う、民を思う人にね。

 何より穏やかな日々を暮らせる人と一緒になりたいんだよ」 


その言葉に感動したらしく目がウルウルしている。

意外と感動しいなんだねアリアティーヌは。


「私もそう思うよ。そんな結婚なら殿下最高~」


独身主義者じゃなかったんだね。


今日は彼女と距離が近くなったと思った。 


そんなこんなで母上とメヌエット登場しました。


「ではお茶の時間にしましょうか」 


母上の一言で始まります。


恥ずかしい僕の子供の時の話から、家族の事と父上とのなれそめ

アリアティーヌも同じような話をして楽しい時間はあっという間に過ぎました。







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