表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

16/20

僕の初陣は兄嫁が同行Ⅲ

挿絵(By みてみん)

義姉上は颯爽と現れては男でももてないだろうと思うくらいの大きな剣を右手に握りしめた。 

右往左往する兵士の元をめがけて上に構えて大きく振りかざすと強い風を吹く。

同時に剣を手にした者は反撃しようとしたそうだが時すでに遅かった。 

相手の剣が宙を舞う。

勝負にならないのだ。

義姉上は次から次へとかたっぱしらからやっくる兵士を諸共せずに血の雨を振らせていく。

挿絵(By みてみん)

相手の剣を己のそれに掛けて振り払い、敵の脇腹を切り裂くと鮮血が地を染める。

これの繰り返しだ。  


戦っているというより、舞っているという言葉が相応しいな。

美しい舞人帝都で人気になったろうね。

僕がこの場にいたら、ワクワクが止まらなかったろう。


さて騎士団もさすが精鋭部隊、数の差など考えられないくらい敵をかたっぱしらから倒している。

前に進めば進むほど敵の市街と負傷者が増えるだけだった。


しかも向かいの辺境伯の戦いも視野に入ってきた。

これは勝利しかないのでは?


あまりに速攻攻撃にあ然とした敵は武器を持たない者もいて点でバラバラに逃げ去ったそうだ。


義姉上は本陣中枢部のテントを特定し、部下に燃えた松明をもってこさせた。

屋根に投げ込むとあっ!という間に天井が燃え広がる。

たまらんとばかり指揮官と幹部達が出てくる。


「殺すな!生け捕りにするよ」


義姉上のゲキが飛ぶ。


「くっそ~~~もう少しだったのに」


どこがですかと突っ込みいれたくなります。

部下はあおざめている。

「命ばかりはお助けを」

人間って買勝手ですね。

さすが義姉上それがベスト、後処理に多額の慰謝料と人質開放の身代金が要求出来ます。


辺境伯の軍も合流し敵陣を壊滅状態にして事を収拾した。


圧巻とはこの事でしょうか?

義姉上ついてゆきます!


僕をお忘れなきように。

義姉上達は再越境も考えられたので、しばらく砦に滞在する事になった。

戦が終わり、帝都と文の行き来が可能になると雨あられの様に兄上から文が一日おきに届いてくる。


大体内容は同じで


怪我はないの?

いつ帰るのか?

寂しいよ。

君は寂しくないの?

早く帰ってきて。

愛しているよ。

お願いだよ。


だったらしい……一応軍の手紙なので査察が入るこれは将軍でも対象で、査察官が印を押すたびにニコニコして義姉上に渡すので真っ赤な顔で受け取っている。


フィヨルト侯国は今回の越境の問題をスラベレイド公国に外交を通じて交渉はスタートした。 


一方的な越境であり譲歩の余地はなかったのでフィヨルト侯国はかなり強気の要求になる。

慰謝料と捕虜の身代金は多額であり、とてもスラベレイド公国国だけでは払えない額だった。 


当然けしかけたフェレ皇国が払うので、金額は額の記載していない手形のようです。

今後侵略した場合は同盟国全体でこれに対抗すると条約に結ぶことになる。

そしてフィヨルト侯国もほしかった銅と金の鉱物をかなりの量を入手することに成功した。


スラベレイド公国は被害と金の元と信用と失い-しかないこの件以降フェレ皇国からそれ相当の利益をかすめ取るしかなかった。

当然同盟国の立場も微妙になってしまう。


フェレ皇国はしかたなく皇王女を嫁入りさせなくてはいけなくなった。

友好の証として。


義姉上と僕皇太子所有の騎士団は帝都へ帰る事が出来た。

帰りは行より何故か短い道中のように感じる。

挿絵(By みてみん)

僕の初陣は見事な勝利に終わり、帝都に入ると国民たちが凱旋を祝い歓迎してくれる。

一時は大戦争かと戦々恐々としていたようだけど、皇帝が国民に働きかけて平穏な日々だったという。


さすが父上


馬上で宮殿に入ります。

城内にも皆歓声が飛んで大歓迎で迎えてくれた。

挿絵(By みてみん)

宮殿に入り、謁見の間に通される。

両陛下が玉座にいらっしゃる。


あ!兄上も涙目で、しかも僕には殺意にも似た睨み顔で見ている。

無視です。


義姉上と二人で膝を曲げてひかえる。


「この度は誠にめでたい。大儀であった」


満面の笑顔で父上が労ってくれる。


「特に将軍。ご苦労であった。初陣の皇太子は足でまといであったであろう」


「いえ陛下。

 殿下は砦で見事な采配を振るわれました。

 今後経験をつまれれば我が国の幸となりましょう」


「そうか。将軍にそういってもらえるとは。励めよアレクセイ」


「はい父上」


超嬉しいです。


「二人に今回は皇軍の指揮官として十分に尽くしてくれた。 

 その労に労う為にフェレイデン皇軍功労章特級勲

  章を授与いたす

 それと褒美として金貨と宝石を授与する

 誠にご苦労である」


「はッフェレイデンに栄光あれ」

「フェレイデンに栄光あれ」


謁見の間は今までにないくらい皆興奮している。

僕もこんな場面はそうそう見ていない。

国をこぐするというのはこういう事なのだと勉学になった。


とりあえず僕の命は繋がって初陣も無事にすんだ。

学ぶもののおおい戦だった。


さてそろそろ母上に呼ばれているので。兄上も怖いのでさっさっとこの場を去ります。


義姉上は兄上につかまり。

邸宅に移送になった。

しばらくは兄上のストーカーは炸裂するだろうね。

ご愁傷さまです義姉上様





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ