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皇太子とお口の悪い公爵令嬢

オンディーヌの森で癒しタイム

そこで出会った女性は?とんでもない口が悪い公爵令嬢だった!

オンディーヌの森で別れを告げたあの女性は誰だったのか?

結局わからないままだった。


カツ!カツ!カツ!

ブーツの踵を強く慣らし馬小屋で愛馬を預ける。


マリアティーヌは別宅のファルキア荘に銃を片手に別邸に戻った。


「お嬢様外出されるなら一声おかけください」


執事の焦った声で出迎えてられる。


「は~い は~い」


速攻汗を流すため浴室に湯を浴びる。


かつらをとるとライトブラウンの髪が揺れる。

黒曜石を思わせる瞳に戻す。


熱い湯が身体を温めると気持ちがいい。

湯に浸かりながら今日の出来事を思い出してみる。 


まずくない?

まぁ瞳はガラス目で変えて髪の毛もブロンズでかつらを被っていたけど。


あれは皇太子殿下じゃない。


なんでいるの?

いつもは海辺の皇室の保養地に行くのに!!


しれたら修道女になるか。

階級を剥奪されて平民にされるんじゃないか??


あんなにかくしていたのに~~


実は兄妹が全部兄ばかりで、男にもまれまくったせいで。


口は悪い男子の好きな事は全部好き。


女性の好きな事は全部嫌いか、苦手。


しかし貴族社会では許されない。


父は前皇帝の寵臣で現皇帝に信認も厚く。

それも敵が多い。

そこはさすがの父もわかっている。


だから偽りの演技で乗り切っていた。

教師は一級品を真面目に勉強した。


そのかわり家族の前だけ地で接していた。


それなのに。


まずい!まずい!まずい。


とにかくあの森には近づかないようにしよう。


強く思うマリアティーヌだった。


本宅に帰って待っていたのは父の恐ろしい一言だった。


「皇后陛下がお前を侍女に迎えたいと伝令がきたぞ!」


お父様は見た事ないくらいテンションUPで声が大きい。


私は顔面蒼白で頭が回らない。皇后陛下に仕えると必然的に皇太子殿下とも顔を合わせる機会が増える。

という事はいずれは私があの下品な女だとばれる。


ばれたら我が家は終わり、間違いなく皆路頭に迷う。

どうしよう私のせいで……でもお父様には言えない。

なにせうちがアプローチした案件その状況で皇后陛下に辞退なんかできないよね。


お父様の嬉しそうな顔を見たらなんにも言えなくなった。

皇后陛下はその伝令が来た馬車で至急およびだという。


平服から品の良いライトイエローのドレスに着替えて慌ただしく屋敷を出た。


宮殿に入るなり、侍女に付き添われて皇后陛下の私室に入室させられる。


部屋に入ると皇后陛下がソファーに座ってこちらを見ている。


にっこり微笑んで、紅茶を一口流し込まれました。優雅な作法です。

そもそも皇后陛下のご指名など、異例中の異例です。陛下は慈しみ深く召使いにも家族を含め大切にされるので、侍女志願者ははいて捨てるほどいます。何故わたし?


「固くならずにお賭けなさいな」

「あっ…あの…へ陛…下」


緊張しすぎて声がうわずってしまいます。

お断りしなきゃ。でもどう言ったらい……。


陛下は察知されたようにゆっくりと話始めた。


「私にはあなたのような侍女が必要なのよ。

 聡明さ思慮深さ、忠誠心に清い真っ直ぐな心

 なにより物着せぬはっきりとした意見と信念

 あなたが心配している事は承知しています。

 なんの問題もないわ」


その言葉はどういう意味ですか?

もしかして……。

もしかしてバレてるのですか?


皇后陛下はたたみかけるようにおっしゃいました。


「宮廷内で私と女官長は承知しているから、素のあなたでいいわ。疲れますもの」


クスクス笑われています。


もうこの言葉しか許されないのですね。

息を吐いて、真っ直ぐ皇后陛下を見て言った。


「皇后陛下の侍女としてお仕え出来る光栄を賜り誠にありがとうございます。

 微力ながら誠心誠意お仕えいたします」


皇后陛下は希望した言葉に満足され、やっとの事開放された。


はあ~~今からゆうつです。

宮廷マナーや学習を6か月懸けて勉強しマスターして皇后陛下の侍女になる当日を迎えた。


入宮以来のマリアティーヌはそつがなくキビキビした動作、立ち居振る舞い、言動のほかに皇帝の寵臣である公爵令嬢です。誰が避非難できるのかな?


何故か女官長にも気に入られてそこそこ楽しい宮廷生活を送っていたある日


皇后宮に皇帝陛下からの伝令が伝えられる。

その伝令の20分後皇帝陛下が皇后陛下を訪問された。

何かあったのかもしれない。


このおふたりは皇室には珍しい恋愛結婚でそのロマンスは近隣の諸国でも有名でした。


険しい表情ながら皇帝陛下は礼を忘れず皇后陛下の手の甲にキスをする。

早々とソファーに座る。


私はファルキア茶を溢れお二人にお出しする。

今は召使はいない。かなり内密な話のようだ。


「皇后。大公女の誘拐の件だが裏があったようだ。

 実はフェレ皇国が我が国と連合国の関係を揺らがせパワーバランスを崩そうとした策だった。

 道理で要求がなかったわけだ。

 フェレ皇国は国内向けに我が国がフェレにいちゃもんを受けているとね。

 先ほど早馬でフィヨルト侯国とフェレ皇国の連合国スラベレイド公国の間の国境でスラベレイド公国の

 公軍が越境したので軍の協力要請があった。

 我が国の軍はおくれぬ。

 ここで送れば正面戦争は避けられない。

 しかし要請には答えないといけない。

 なので皇太子と皇太子所有騎士団を派遣する。

 但し皇太子は初陣だ。正直無理がある。

 なのでアレキサンドリア将軍をこの指揮官にしようと思う。

 君の意見を聞いてみたい」


皇后陛下は瞳を閉じていった。


「なんで反対いたしまっしょう。 

 異論はございません。

 しかしヴィクトールを説得しないといけませんね」


二人はすぐに面倒な話し合いになるだろう険しい顔をして深いため息をついた。



さてそんなこんなで兄上が呼び出される。




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