君は誰? 皇太子オンディーヌの森で出会った人は
姪っ子の誘拐事件が一段落してから僕はゆっくり静養の為にファルキア村で過ごしている。
何せ大事件でした。
国を跨いでの国際問題。
収拾するにのに思った以上に時間と労力を費やした。
とりあえず犯人はうちで裁き、フェレ皇国には自国の犯罪人には厳しい取り締まりを要請した。
フェレ皇国は面目を潰され非常に憤慨しています。
何か嫌がらせがあるかもしれません。
この森は元々禁制地つまり入ってはいけない場所だったが、父上の代から自由に散策が出来る森になりました。
森の中に墓標があり、両親はまれにここにきて祈りを捧げる思い入れのある地だ。
今は静かですが父上が即位する前にここで二大騎士団の戦いが繰り広げられたそうです。
血を地で洗う戦いで、僕達が生まれるもっと前のお話だそうです。
今は静かな森で風が涼しくて心地いい。
月桂樹の下で読書しながら寝そべって、持参した軽食と葡萄酒があれば今日は最高だ。
ちょっとうとうとしていると、木の上からものすごい音をたてていきなり何かが落ちてきた。
「いっ…痛……い痛い~~~~」
その落ちてきたのは人は言った。
あれ?あれあれ?目の前に女性がいる。
髪の毛に沢山の葉っぱを乗せて。
あ?あれどこかで見たような見なかったような。
今日の空の様な青い瞳は好奇心いっぱいにキラキラと輝いて、髪はライトゴールドで艶々している。
小柄で毅然として凛とした。僕より2.3歳くらい上だろうか。
「あ……あれ?? え………」
その人は驚いた顔をして青ざめ頭を抱えてそれっきり黙り込んだ。
「初めまして いきなりですが、僕の膝からどいてもらえますか?」
そうこの人は僕の膝に落ちてきた。
いたいた……痛いのは僕だ。
「あ~~悪い!わるかった」
あれあれ外見よりかなり口が悪いね。
「えっと……失礼した。」
すごく軽いです。
でも少し焦っている感じもするいいまわし。
「あぁはい」
それ以上言葉がみつからない。
「木の上で獲物を狙っていたんだけどねぇ。
見失ってね。」
そういえばここは狩猟の地でもあったけ。
女性一人で?
「貴族ですよね。平民には見えませんが供も連れずにですか?」
「ああ。別にいいだろ。供なんで不要だよ。」
「危なくないですか?」
「何が?」
僕はこの後聞くのをやめました。
「君ここで何をしてた?」
その女性は明らかに僕を知らないみたいだ。
僕は打ちのめされる。
だってこの国で僕を知らない者がいるなんて広報活動に問題がありそうだ。
「いや。特に何も……保養にきて。
森でゆっくりしたたんだが。」
「森でゆっくり?」
不思議そうに言った。
森は狩猟以外何をするのといわんばかりだ。
「どっかの貴族の子息?」
「まぁ……そんなとこです」
「そう。あたしじゃそろそろ失礼するね。
ありがと」
慌ててそそくさと帰ってしまった。いや無理やり早めて帰っていったといっていいかもしれない。
関わりたくないという風に。
あれは誰?!
気になる。
後ろ姿が気になる。
強い風にブロンドの髪の毛が揺れている。
僕は軽い衝撃を受けている。
まず何故僕を知らない。
あんな口の悪い女性はメヌエット意外しらない。
何故あんなにしゃんとしてるの。
僕は人からいつも恐縮されて接してくる。
何故何故何故
頭の中はグルグルグルグル回っている。
保養地の別宅に帰ってきて今日の出来事を思い返してみる。
どこかであった気もするんだが?
ん~~思い出せない。
あの賢そうな。
口は悪いけど。
立ちい振る舞いどこかで?
誰だったんだろうすごく気になります。
気になる。
どうしても気になっているが答えを見つめる事が出来ない。
邸に帰った後、僕は執事に調査依頼をしてこの女性を探すことにした。
貴族女性
この時期ファルキアに来ている人物
綺麗な金髪にブルーの瞳
狩猟が好き
口が悪い
上記の条件で滞在中に探してみる。
しかししかし調査結果は驚きの内容だった。
「見当たる人物はいない」という報告だった。
なんだったんだ彼女は??
うちの執事は優秀なんだ見つけられないはずはない。
こうなると気になりもっと調査したくなります。
別邸の執事に当時の逗留者を洗えるだけ洗った。
つまり瞳や髪の色以外条件を与えずに貴族女性の滞在、これでだめなら範囲を裕福な平民も加えて調査する事にしよう。
調査結果は10日後だった。
逗留していた貴族女性中に年齢で合った人物は下記の通り。
アリアナ・ディア・モルティース男爵令嬢
ルーリーズ・ディア・ワイアット子爵令嬢
ダリア・ディア・トゥールース伯爵令嬢
アルデア・ディア・ゲルト侯爵夫人
ラネット・ディア・エルーシャ侯爵令嬢
ミネット・ディア・エルーシャ侯爵令嬢
マリアティーヌ・ディア・ナディアン公爵令嬢
バーバラ・ディア・ハルディ男爵令嬢
キャサリン・ディア・モルトランズ伯爵令嬢
意外とすくなかったね。
ではこの令嬢達を次の夜会に呼ぶとしよう。
警戒されては困るから幾人かの女性を招待しておこう。
一度気になると置いとけない性格なんだよな。




