症状
嘔吐、鬱、自殺、などを扱った作品です。苦手な方はお控えください。
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家に着いたようだ。何分、いや何十分だろうか。車に揺られていた。幸い吐き気は少し落ち着いていて、マンションの一室へとたどり着いた。
物の少ない部屋に入ると、これからどうなるのか、家族は?学校は?様々な不安が一気に溢れてきて、うずくまってしまった。吐き気が強くなる。立ち上がろうにも力が入らない。
「、、は、はきたい」
震えた声で言う。
「ん、ちょっとまってて」
その人はそう言ってプラスチックの桶を持ってきた。
吐いた。
五、六回は吐いただろうか。
もう吐くものがなく、えずいても何も出てこない。
少し落ち着いた。
頭がぼーっとする。
これからどうなるんだろうか。
何故か落ち着かず、立ち上がろうとする。
「こらこら、無理しちゃだめ」
体を優しく押えて止められた。
無理なんて、もうどうでもいいのに。
だって私は――――
「「死のうとしたんだから」」
心の声とその人の声が重なった。
驚いた。
死のうとしたことは話していないはずなのに。
その人の顔を見た次の瞬間。
私の携帯電話が鳴った。