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助けてくれた男性は初恋の元カレでした


 最悪…。

 帰宅中にブーツのヒールが折れた…。

 もー!ツイてない…。


 帰宅時間なのに、誰も助けてくれない。

 助けてほしいわけじゃないけど…いや、助けてください。

 

 「大丈夫ですか?」


 数分蹲っていると、助けてくれる人が来た。

 同い年くらいの男性で、困ってる私を助けてくれた救世主。


 男性は、私を近くのカフェに押し込むと、ブーツを片手に修理に行ってくれた。

 うう…、見知らずにの男性にここまでお世話になるなんて申し訳ない。

 あのブーツ臭わないよね…?


 




 「お待たせしました」


 30分程待っていると、男性がブーツを片手に戻ってきた。

 見事に直っている。

 なんと俺を言っていいか…。

 応急処置だから、後日交換すれば、また使用できるみたい。

 

 男性にお礼を渡そうとするも、中々首を縦に振ってくれない。

 修理代とここのお茶代で男性が折れてくれた。

 これくらいのお礼はね?



 「茅原…絵梨…?」


 助けてもらったのに名乗ってないことを思い出し、私は男性に名乗り出た。

 だけど、男性の表情は浮かない。

 

 「その…。不躾な質問なのですが、小学校は箱崎ですか?」


 「ええ…」


 「…年は今年で25じゃないですか?」


 「…そうですけど」


 どういうこと?

 なんで私の出身と年まで当てるの!?

 まさか私のストーカー!?


 「絵梨か…。久しぶり」


 私は男性が差しだしてくれた名刺を見て驚愕する。


 「嘘…。奏司…?」


 「そうたい」


 ええーっ!?

 助けてくれた男性は同級生で、幼馴染で、元カレで、初恋の男性だった。

 こんなことある?


 

 「ええーっ!?久しぶり!どげんしょったとー?」

 

 「大学ば卒業して、就職したばい」


 「久しぶりだよねー。成人式以来?最初分からなかったよ」


 「俺も最初絵梨って分からんかったよ」


 ホント久しぶりだよねー!

 成人式のときに会って以来だから、4年ぶり?

 うわー、懐かしいなぁ…。


 「奏司も大人になったね」


 「そういう絵梨もな」


 奏司とは幼稚園から中学校まで一緒だった。

 高校からは別々だったけどね。


 昔も苦いのダメだったけど、今もダメなんだね。

 顔は大人になったけど、舌は成長してないんだ。

 ふふ、おこちゃま奏司。


 「絵梨と分かってれば背負って修理屋まで連れてって帰ったのに」


 「最悪!奏司はそんなことするような男じゃないでしょ?」


 奏司とのやり取りも久しぶり。

 口ではそんなこと言うけど、優しい奏司は私を置いて帰ったりしないくせに。


 「帰らなくていいの?」


 「帰っても1人だし」


 「仲間やな」


 奏司と同類にされたくないし!

 奏司も1人なんだ…。

 へぇ…。

 でも彼女くらいはいるでしょ?


 「寂しい奏司には私がご飯奢ってあげる」


 「はぁ…?お前、靴壊れるんだから帰れよ」


 「あ…」


 そうだった。

 奏司に直してもらったブーツ。

 応急処置だから、歩くのは必要最低限にしないと。

 

 「なら今度ご飯行こうよ。奢るよ」


 「はぁ?絵梨に貸しをつくるとか怖くてできんわ」


 「ひっど!」


 奏司と連絡先を交換して、今日はお別れ。

 後日奏司とご飯に行くことに。


 ねぇ、奏司。

 忘れてたのにまた思い出しちゃった。

 もう忘れたくないよ。

 

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