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サプライズ①


 絵梨と俺は久しぶりに中学の同級生と会っていた。

 会っている理由は、中学の同級生が結婚するからだ。

 結婚に伴い、俺たちでサプライズ動画を作成しようと話になった。

 新婦と仲の良かった絵梨がメンバーに誘われており、俺も引きずられる形で参加させられていた。

 

 「エリンギー!久しぶり」


 「ユッキも久しぶりー!」


 「………」


 「誰コイツ」


 「奏司」


 「知らない。部外者は帰って!」


 「おっふ…」


 これだから嫌なんだよ!

 ユッキこと夕貴。

 絵梨と俺の中学時代の同級生だ。

 中学時代は絵梨のことで色々弄られたしなぁ…。

 相変わらず小せぇ…。

 

 「エリンギもダメだよ?こんな性欲の塊の相手しちゃ」


 「うわ…」 


 「性欲の塊じゃありませんー!絵梨もひかないでくれるかな…」


 うわあああああ!

 敵ばっかりじゃねーか!

 だから俺は行かねーって言ったのによ…。


 「ウソウソ。奏司も意見出してよね」


 「おーう…」


 「久しぶりのユッキにやられた?」


 「ボッコボコだよ…」


 俺は虐められて悦ぶ趣味はないんだよ…。

 勘弁してくれぇ…。










 打合せ場所は式場の一角だった。

 プランナーさんと事前に打ち合わせをし、どれくらいの尺で、どのような物なら問題ないかを確認した。

 そのまま打ち合わせに使用していいとのことだったので、俺たちはその場で打合せをしていた。

 

 「最大で10分だって言ってたね」


 「時間限られてるよねぇ」


 「何にしようねー」


 「無難にビデオレター?」


 「ビデオレターってみんなの撮影するの大変じゃないかな?」


 「あれ」


 4人の同級生たちで色々話あっている。

 俺は机の片隅で静かに座っている。

 絵梨さん、俺をあれって指ささないでよ…。


 「奏司がいるなら大丈夫だね!さすがエリンギ!」


 「奏司が運転するから大丈夫」


 「俺の人権どこいったー?」


 「奏司、お茶入れて!」


 「夕貴、俺は召使じゃねーぞ!?」


 こういうのってもっと揉めたりするもんだと思ってたけど、意外に早く決まったな。

 中学時代の担任に、あとは仲の良かったクラスメイト、親御さん。

 纏まって撮れるとこは纏めるから、そこまで人数も多くないかな?

 あとは連絡取って、撮影日を決めるだけだな。


 「ちょっと休憩しよー!」


 夕貴の提案を承諾し、小休憩だ。

 俺は外に出てるかな。

 女だけで話したいこともあるだろうしな。



 「奏司、私も行く」


 「中でみんなと喋ってればいいじゃん」


 「ユッキたちとはこの前会ったばかりだしね」


 「さいですか」


 絵梨も俺について来なくいいのによ。

 途中の自販機で飲み物を購入し、式場の一角に設置されている喫煙スペースに向かった。


 「夢っちが結婚とはなー」


 「大学の同級生だってね」


 「キャンパスライフ楽しんだんだなぁ」


 絵梨はタバコを吸わないのに俺についてきた。

 タバコの臭いつくから止めとけよ。

 絵梨は俺の奢ったジュースを飲んでいて、意に介していないようだ。


 「結婚かぁ…」


 絵梨さんや。

 俺をチラチラ見るんじゃないよ。

 結婚も何も付き合ってもないだろうが。

 絵梨への回答は未だ保留している俺が言うのもどうかと思うが。


 「奏司は結婚願望あるの?」


 「ある。1人で死ぬのは嫌でござるよ」


 「奏司は中学の卒業文集で早く結婚しそうな男子ランキングに載ってたのにね」


 「よせやい」


 中学の時卒業文集には色々なランキングがあった。

 その中に、早く結婚しそうなランキングがあった。

 俺は堂々の3位だった。

 25になった今でも結婚はしていない。

 

 「絵梨は…。結婚したいのか?」


 「そりゃもちろん」


 「俺でも…いいのか?」


 「私は奏司がいいな。初恋の人と結婚なんてドラマみたいでいいよね」


 これは逆プロポーズなのか?

 俺でいいんかーい。

 結婚ってそんな簡単に決めていいんですかね?

 

 絵梨に好きだと言われてから、数回飯とか遊びに行っているが、やっぱり意識してしまう。

 未だに回答を保留にしているナヨナヨした俺も悪い。

 だけど、日々絵梨の存在が俺の中で大きくなっていく。

 中学時代には感じることのなかった、明確な絵梨への気持ち。

 中学時代のママゴトとは違う、ホントの気持ち。

 

 「…そうだな」


 「考えてるねぇ」


 考えるわ!

 俺の心臓ドッキドキなんだからな!


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