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お稲荷様のカミカクシ  作者: MiRay
8/11

捌 朔とのお風呂

「いいわよー」


「…分かった。ほら、おいで。朔。」


 お母さんから風呂に入ってもいいという

 知らせを聞いて、私は朔とタオル3、4枚を抱えて風呂場に向かった。


 当然、家族に見つからないように。


「先に入ってていいよ。」


 朔を風呂場に押し込んで、服を脱いで私も入る。

 すると、朔はこっちを見たかと思うと尻尾をピーンッと伸ばして

 椅子の影に隠れてしまった。


「どうしたの? おいで。」


 私は隠れた朔を抱き上げて、シャワーの音にビックリしないように

 ゆっくりと勢いを増しながら出した。

 けれど、幸運なことに朔はシャワーの音が大丈夫らしく

 大人しくシャワーを浴びていた。


「先に身体、洗おうか。」


 朔の身体を抱えて、椅子に座って膝の上に座らせる。

 そして、無添加の固形石鹸で朔を優しく洗っていく。


 (大人しいなぁ…もしかして、人に飼われてた?)


 そんなことを考えながら、朔の泡をシャワーで流して

 私も一通り終わらせて湯船に浸かる。

 当然、最後なので朔も一緒に湯船に浸かる。


「……なんで、あそこにいたの? 朔…。

それも、あんな怪我をして……。」


 (車に轢かれたとしてもあの傷はおかしい。

 あれは刃物で切られたような故意的な傷だった。)


「クゥ~ン」


 朔は一鳴きするとペロペロと私の頬を舐める。


「くすぐったいよ…朔」


 クスクスと笑いながら朔のペロペロ攻撃から逃れる。

 そして、苦しくないように朔をギューッと抱きしめる。


「………もし、いなくなっても絶対に怪我をしたら駄目だよ。」


 (届いてればいいけど…。

 というか、急に大人しくなったような。)


 胸元にいる朔を見てみると、キュ~という音が似合いそうな感じで

 意識を失っていた。


「朔!?」


 私は朔を抱えて急いで風呂からあがってタオルで

 水気をとって、ドライヤーで乾かす。


 そして、ミニチュア扇風機で涼しい風を送りながら

 昨日のような恰好に着替える。

 すると、朔が目を覚ました。


「良かった…急に気絶するから……」


 (なんで気絶したんだろ…湯船に浸かり過ぎたかな?)


 そんなことを考えながら、自分の部屋に戻って

 朔の包帯を巻きなおして眠った。



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