60 終わり良ければ
ブックマーク、評価ありがとうございます~!
『成功報酬SPと"未開拓の土地エデン"に無料ハウジング購入権、開拓権を得ました』
『護衛報酬 100,000ゼニーを得ました』
『"プルミエ市街"、"湖畔の村"に有料ハウジング購入権を得ました』
『ジョブLvが上がりました。狩人Lv12になりました』
『ファンシーラットキングが仲間になりました』
さて、最後のアナウンスには色々突っこみたいところだけど。
「あ、へー、俺も開拓団に参加できるんだ。有料だけど」
「私もです」
「ホント、俺もだ」
3人が口々に言う。
おーい、クラウスさん。まるで君だけ特別だ! みたいに言っておいて違うじゃんかよ~。
「…私もプルミエに購入権もらえた。お金かかるけど」
まあ、私もプルミエに住もうと思えば住めますよ? 現実の高級住宅地レベルの土地代かかるみたいだけども~。
そんな私に、サーシャが小首を傾げて言う。
「多分、護衛対象の満足度ですね。……もしかして、プレーヤーで無料で先遣隊入れるのフェザントちゃんだけでは? 実質クラウスの満足度でエデン解放だったみたいだし」
(先遣隊が有料の開拓団ってどうなの…。いや、開拓権購入でもしかして土地切り取り放題とか? "フェザントの開拓し土地"とか石碑たてられちゃったりして! 屯田兵か! でも、さすがにクラウス好感度だけってないよね)
私はいやいや、と手を振った。
「それはどうだろう? 多分、ディスケートイベントでポラリスの幻想器成功しないと出てこなかったと思う。クロがその辺攻略してたじゃん? 特殊なジョブイベだしてたん?」
クロに振ったら、こちらも軽く手を横に振る。お揃である。
「いや、普通に幻想技師目指してただけ。魔法具作成で経験積めば、魔法使いでLv20越えたら出てくるジョブなんだ。生産系だから取得者少ないけど」
(へー、そんなジョブあるんだ。ん~)
私は今まで軽く疑問だったことも この機会に聞いておくことにした。
「前からちょっと疑問だったんだけど…。高レベルの生産職って今どの辺りにいるんだろ?」
「ファンシーじゃない? 神殿近くの鍛冶屋で弟子取っているよ。俺もそうだし。あと防具職人のビリーんとこかな?」
ペケポンさんが教えてくれた。
「最近は王都じゃないですか。貴族がパトロンについてますもん。貴族街の奥にいるので姿見ないんですよね。なんか、人目避けていません?」
サーシャが言う。
それにペケポンさんが頷いた。
「生産特化はこのゲーム苦しかったらしいからね~。マーヤの話では。何しろ新しいエリアが出ないから新しいアイテムが作れない。武器依存のこのゲームだとジョブLvが高いベータ勢なんかは相当肩身狭かったらしい」
「そういえば前にお姉ちゃんが武器を作ってくれたプレーヤー情報は教えられないって言っていた」
私は思い出してポツリと言う。
「そう。居場所や名前特定されると、当時は特攻してくるヤツらがいたらしいよ。戦闘強化には武器を上位に変えるのが一番手っ取り早いじゃん。金出されて上位武器作れと脅されてもそら無茶ぶりだわ。そのせいもあって、上位武器が欲しいプレーヤーによる、新規ガチャで貰えるアイテム狙いの初心者狩りとかあったらしいし」
(あ、それ私。被害者、被害者。そういや、あのベータプレーヤーの人どうしてんのかな?)
あのあと、ファンシーでは衛兵さんとプレーヤーが所属する自警団で初心者の森ライトは見回るようになって安全になったんだけど、やっぱ、プルミエに移動したか、ドゥジエム側に行ったのかな。
あれだけNPC怒らせておいて、"ファンシー大橋通行許可証"を発行してもらえたのだろうか。
「生産職自体もレベル頭打ちだったし、アイテムまで用意したのに作れないのかって勝手に責め立てる戦闘職までいたってさ。……マーヤが前線組に嫌気さす状況だったんだよね。しかもドゥジエム解放で手のひら返し。上位生産職は金の出し渋りするプレーヤーよりNPCに購買層変えて行ったって流れだなー。俺もそうだけど、その反省で戦闘だけでなく生産も始めるプレーヤー増えたんだよね」
ふーん。私たちと同じに始めたのにペケポンさん、詳しいな。さすが、マーヤさんと同じパーティーなだけある。そして説明もわかりやすく親切。私の中でペケポンさんが良い人認定された瞬間だった。
「おっと、もうこんな時間だな。そろそろ人が増えるな~。俺はこれでログアウトするよ。さすがに眠い」
日曜の朝早くから始めたハウジングイベントの攻略だ。確かに私も眠気が…。
でも、その前に…。鼠、鼠の名前を…。ていうか、また勝手に増えるペットたち…。食い扶持が増えた…。
そう うつらうつら思っていたら、警告音が鳴った。完全な睡眠状態になる前にログアウトを促すコールだ。
「ゴメン、警告音出ているわ。私も限界かも~。それじゃ、これで解散しましょー」
「はい! 今日は皆さん、ありがとうございました」
最後はリーダーサーシャが締めた。
またねー、とペケポンさんがログアウト、んじゃ、とクロも消え、サーシャに向かって私も手を振りログアウト。
現実に意識を戻したのは一瞬で、ベッドに横になってのプレイなので、ヘッドセットつけたまま、もうそのまま解脱。眠い時にとる睡眠ほど幸福なものはない。




