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46 新たなる指令


「まあ…、おねーさま…!! これは…!!」

「似合うよ~、メリッサちゃん!」


完成した新緑のフリルエプロンドレスセットに身を包んだメリッサちゃんを360度からスクショしてます。む、パンツがやはりイマイチだな。ルカちゃん人形と同じあの素っ気ないパンツなのだ。やっぱ、可愛い子ちゃんには、かぼちゃパンツかドロワーズだよね。今度作ろう。マスター(仮)権限でパンツまで見ましたが、外ではパンチラなど許しません。メリッサちゃんにも禁止設定入れておこう。これを入れるとどんな激しい動きをしても、パンツが見えない不思議が起きる。

言っても、もともとこのゲームはプレーヤーは全裸にはなれない。脱いでも黒いタンクトップとショーパンなのだ。防具でビキニデザインだとなぜかおヘソ解禁ですが。

姉から、ベータ時代 全裸に見える全身タイツ衣装を売りに出したプレーヤーがいたそうだけど、それを着て室外に出た途端、NPCから通報受けてお縄になって、商品も回収されて結局売り物に出来なかったという話を聞いた。

多分、以前ハニーさん達の言っていた、このゲームの目的が関係しているんだろうな。


NPCのAI成長、自治能力向上が目的。


あれから、ちょこっと開始前の注意書きを読み返しました。


(NPCの住人も、私たちと同じく倫理観があるんだろうな~。常識的な対応できないとダメだよね!)


ゲーム内とは言え、人前での全裸プレイが許される世界じゃないのだ。反省したまえ、全裸スーツプレーヤーよ。



それはさておき、さすがにドレスセットに木靴はないと思い、今朝ビリーの工房でメリッサちゃん用に革のブーツを購入。

【サイズ調整】で1/12サイズに。【サイズ調整】マジ便利。

結構な魔力量出ていくけど、私は攻撃魔法をほとんど使わないからいいか。


靴も革のブーツに履き替え、メリッサちゃんは嬉しそうにサイドテーブルの上をトタトタ駆けている。

それに満足感を覚えつつ気を引き締めた。なんたって三番目の指令が下ったので。

そう、『秘匿ジョブクエスト"人形の夢と目覚め 3"』――だ。


防御力3以上のドレスセットを身に着けたメリッサちゃんは私に向き合い、語りだした。


「おねーさま…。わたくし、おねーさまにお会いできて本当に幸せ者ですわ…。でも、魔女が脱獄したことを聞いて いまだ不遇なドール種の同胞がいることを思い出しましたの。解放されたドゥジエムの人形の家のように、他の街の――"魔女の調剤薬局"になっている人形の家も、正統な人形の家の主を据えねばなりません。わたくし…、そのために戦いたいと思います。おねーさま…! どうぞ、わたくしを鍛えてくださいませ! 魔女を倒せるほどの力をつけさせてくださいませ!!」



『秘匿ジョブクエスト"人形の夢と目覚め 3"が発生しています。クリア条件はNPC:1/12ドール種の破損率30パーセント以下で人形の家に正統な主人を擁立することです。ドール種のHP1,000以上推奨』


(ぐはあ!!)


思わず私はベッドに倒れ伏す。

この、アナウンス、短く言っているが、やることが2つあるってことじゃないの…! 破損率があるってことは十中八,九戦闘がある。推奨HPがあることからしても推測できる。ひとつはメリッサちゃんのLv上げ。もうひとつは、「人形の家に正統な主人を擁立すること」ですと!?


(正統な主人は追い出されているはずだよねぇ? 正統な主人とやらを探せということか~!)


しかも、メリッサちゃんはまだジョブLv6。HPも130しかない。支援職の彼女はHPの伸び率が低い。


「うわ~ん、転職はまだまだ先だ~!!」


思わず足をじたばたすると、慌てたメリッサちゃんがえいっと私に鎮静剤を投げつけた。

いや、違うから。状態異常じゃないから。




****




落ち着いたところで、「お薬が切れましたわ。補充が必要ですわ。おねーさま」というメリッサちゃんの言葉で道具屋へ。

セーフティーエリアって攻撃はできないけど、回復系の薬や魔法は有効なんだよね…。人目がないからと油断せず、感情表現は自重しよう。また、メリッサちゃんに心配かけてはいけない。懐的にもよろしくない。


道々、【変化】で幼女サイズに変身したメリッサちゃんは注目の的だ。くくく、エプロンドレスに平伏せい!

サイズを人間サイズになってのお買い物は、「簡易調薬セット」が欲しいというメリッサちゃんの希望を受けて。

呪歌(ガルドル)】は魔力を消費するので、やはり発奮薬や、ポーションは常備したいので、メリッサちゃんが作りたいと言ってきた。

せっかくの【調薬】スキルだもんね。活かしたいよね。

「簡易調薬セット」があれば作業所以外でもお薬が作れるのだ。

道具屋さんで子供サイズのメリッサちゃんが使いやすいかどうか道具を品定めする。

――と、言ってもファンシーは「始まりの町」だからたいした道具はないかと思いきや、初級、中級のセットがありました。


「お嬢ちゃんの調薬Lvなら中級が使えるねえ」


道具屋のおばさんのススメで中級の「簡易調薬セット」を購入。

【裁縫】にも、やはり簡易キットがあるらしい。私もメリッサちゃんも【裁縫】があるから、持っていた方がいいかな? としばし悩んでいたら、おばさんが助言をくれた。


「ドール種さん連れているなら、「初級簡易【修復】セット」がいいよ。裁縫も出来るしね」


価格は裁縫セットの初級と中級の間くらい。よし、買いだ! と購入。

道具屋さんを出たところで、フレンドチャットが入った。




サーシャ:プルミエ冒険者ギルドの依頼条件達成しました~! 今プルミエですが、パーティー挑戦可能だそう。参加者いませんか~…。


クロ  :行きます



(冒険者ギルド…、ハッ、プルミエギルド長…!! お爺ちゃんのため…!!)



フェザント:行きまーーーーす!!




思わず書き込む。思い出すのが遅いとか言わないでね!


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