表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/38

魔物の解体

「なぁ、こいつ倒したんだ?」


 リオがSS級の魔物の解体をし始めたので、セトーデは彼女の手伝いを申し出たが、最初は渋った彼女だったがあまりにもセトーデが必死に申し出るので結局彼女が折れたのだった。

 そして、彼女は魔物の核を取り出している手を止めた。


「……あの時、この魔物が火のマナを集めていたから、私の弓矢に同じく火のマナを集めて暴発させて、最後に魔物の急所を打ち抜いたわ。」

「いやいやいや。」

「えっ?」

「そう簡単なモノじゃないだろう、あいつの体異常に固かったし。」

「……マナを宿らせたら意外に行けると思うんだけどな?」


 リオはぼそりと呟くとそれを聞いたセトーデは目を丸くさせる。


「そんな簡単にいくかよ。」

「……。」


 リオはそっとセトーデを見上げた、その時、セトーデはリオの顔を初めて見た。

 白磁のような真っ白い肌に熟れた果物みたいに潤った唇、大きな新緑を思い出させる綺麗な翠の瞳、そして、絹のようにサラサラな白銀の髪、どれも初めて見るはずなのに、懐かしい色合いに胸を打たれた。


「……どうかしたの?」

「いや、何でもない。」


 セトーデは頭を振り、すぐに作業を進める。

 数分後、あらかたの解体を済ませると、リオはセトーデに魔物の核を差し出す。


「あ?」

「受け取って。」

「はぁ!?これ一つでいくらするんだと思うんだっ!」

「えっ……一万ゴールドくらいかな……?」

「大金だろうが。」


 リオはキョトンとした顔をして、すぐに苦笑を浮かべる。


「君が見つけたんだもん、受け取って。」

「いやいやいや。」

「いいから、受け取ってください。」


 セトーデの手に無理やり握らせ、彼女は満足そうに微笑んだ。


「……。」

「この先の街でよかったよね。」

「ああ。」


 リオが完全に受け取らないと分かったのか、セトーデは溜息を一つ吐き、鞄の中に入れる。


「リオ。」

「はい?」

「好きなモノを好きなだけ頼めよ。」

「……。」


 ギラギラと目を光らすセトーデにリオはたじろぐ。


「は…はい。」

「ん。」


 彼女の返事に満足したのか、セトーデは嬉しそうに笑い、そして、彼女の手を取った。


「あ、あの……。」

「そんじゃ、行こうぜ。」


 まるで恋人のようにセトーデはリオと手を繋ぎ、街に向かって歩き出した。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ