魔物の解体
「なぁ、こいつ倒したんだ?」
リオがSS級の魔物の解体をし始めたので、セトーデは彼女の手伝いを申し出たが、最初は渋った彼女だったがあまりにもセトーデが必死に申し出るので結局彼女が折れたのだった。
そして、彼女は魔物の核を取り出している手を止めた。
「……あの時、この魔物が火のマナを集めていたから、私の弓矢に同じく火のマナを集めて暴発させて、最後に魔物の急所を打ち抜いたわ。」
「いやいやいや。」
「えっ?」
「そう簡単なモノじゃないだろう、あいつの体異常に固かったし。」
「……マナを宿らせたら意外に行けると思うんだけどな?」
リオはぼそりと呟くとそれを聞いたセトーデは目を丸くさせる。
「そんな簡単にいくかよ。」
「……。」
リオはそっとセトーデを見上げた、その時、セトーデはリオの顔を初めて見た。
白磁のような真っ白い肌に熟れた果物みたいに潤った唇、大きな新緑を思い出させる綺麗な翠の瞳、そして、絹のようにサラサラな白銀の髪、どれも初めて見るはずなのに、懐かしい色合いに胸を打たれた。
「……どうかしたの?」
「いや、何でもない。」
セトーデは頭を振り、すぐに作業を進める。
数分後、あらかたの解体を済ませると、リオはセトーデに魔物の核を差し出す。
「あ?」
「受け取って。」
「はぁ!?これ一つでいくらするんだと思うんだっ!」
「えっ……一万ゴールドくらいかな……?」
「大金だろうが。」
リオはキョトンとした顔をして、すぐに苦笑を浮かべる。
「君が見つけたんだもん、受け取って。」
「いやいやいや。」
「いいから、受け取ってください。」
セトーデの手に無理やり握らせ、彼女は満足そうに微笑んだ。
「……。」
「この先の街でよかったよね。」
「ああ。」
リオが完全に受け取らないと分かったのか、セトーデは溜息を一つ吐き、鞄の中に入れる。
「リオ。」
「はい?」
「好きなモノを好きなだけ頼めよ。」
「……。」
ギラギラと目を光らすセトーデにリオはたじろぐ。
「は…はい。」
「ん。」
彼女の返事に満足したのか、セトーデは嬉しそうに笑い、そして、彼女の手を取った。
「あ、あの……。」
「そんじゃ、行こうぜ。」
まるで恋人のようにセトーデはリオと手を繋ぎ、街に向かって歩き出した。