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散歩とイヌとネコ

まだはざ寒い朝「寒い日は嫌いだ、暑い日も嫌いだ、雨の日も嫌いだ、風の吹く日はもっと嫌いだ、それは只のわがままだ」独り言を言いながら

シンベエを連れて、いやシンベエに連れられて散歩に出かけた。

ジジイは独り言を言う分かっていても独り言を言う。

何時もの通りの歩道を歩いていると少し前から輝くような若い可愛いお嬢さんがゆっくり歩いてきた。

シンベエを見ると「あれ!可愛い犬」とほめた、何歳になるか質問があった。

「12歳で男の子、人間の歳だと70歳位になります」と優しく答えた。

若い可愛いお嬢さんは何が気にいったか、シンベエの頭をなぜていた。

シンベエも黙って目を細めていた。私は少しイタズラやろうと思い「ネコ行くよとネコに向かって言いました」

若い可愛いお嬢さんは「ネコ?イヌでしょ」大きな瞳がより大きくなりました。

私は「犬ですが名前がネコなんですよ」イタズラをしたつもりでした。

若い可愛いお嬢さんは不思議な顔もせずに「家にネコがいるんです、イヌという名前にしようと!」言って帰りましたが時々振り返って手をふっていました。

目線はシンベエに。。手を振って普通に帰って行った若い可愛いお嬢さんに

逆にイタズラをされたことも気が付かず何時までも後ろ姿を見つめていました。

散歩の途中もう一人病院で会う関西弁のジジイと会いました。

「あれ こんにちは」と言うと関西弁のジジイは「あれ、散歩?」と聞きました。

そしてシンベエを見て

「これが可愛がっている犬か」と独り言のようにつぶやきました。

しかし 病院ではやはり犬を飼っている看護婦さんと話をしただけです。

変だなと思いましたが?「何処かにお出かけでした」と言うと、「スポーツ新聞を買いに行って来た」と答えて立ち去った関西弁のジジイでした。

犬の話のことは少し経ってから思い出しました。

点滴の部屋に入った時、家に柴犬が居るんだよと話した時、「私もビーグル犬を飼っている、すごく可愛い、家族に一員なの」と話した記憶があります。その時点滴室に只のジジイが聞いていたと考えられます。黙って聞かれていてそれを関係ないジジイやババアにしゃべって廻ったことが分かりました。それで関西弁のジジイが知っていた。まっ、どっちでもいいことですが、気持ちがよくありません、今度気を付けてあまり話さないようにしようと思いました。

馬を飼おうが、羊を飼おうが、猪を飼おうが、トラを飼おうが、私の勝手です。

只のジジイはおしゃべりで知性がなく教養がないので相手にしたくない人種です。

スポーツ新聞を買いに行った関西弁のジジイは読んだかどうか知りませんが新聞を病院に持ってきて何時も只のジジイに渡していました。ジジイは黙って「うん」と言って受け取っていました。個人の自由ですが人から只で物をもらうのはいけませんと母に注意されていました。理由もなく人から物をもらってはいけないとも言われました。

少し遅くなって病院に着きました。見ると只のジジイが関西弁のジジイの前に立っていました。只のジジイは関西弁のジジイを「飲みに行こう」と誘っていました。

関西弁のジジイは「そのうちね」と言いましたが、只のジジイは意味も分からず何回も誘っていました。

只のジジイは「焼き肉を食べながらビールでも飲もう」と誘いましたが、

関西弁のジジイは「調子が出へんよってそのうち」と断り続けていました。只のジジイはあきらめてとても残念そうに退散しました。

断られたことを分からないだろうと思っていたが「そのうち」とは柔らかく断られたと気が付かない、やはり知性も教養もないジジイでした。

自分のことは分からずに、見たこと聞いたことを何も考えないで、もれなく病院中に話してしまう只のジジイでした。

誘われたジジイはそのうち病院で見かけなくどうしたのかと少し心配してます。

離れた場所に居たジジイが私の前をウロウロしていました。丁度いいので関西弁のジジイのことを「この頃見えないね」と聞いてみました。ウロウロしていたジジイは「通院する日を変えたらしい」ウロウロしながら普通に答えました。理由は知らない様子でした。私も深く考える事はやめました。

ジジイとは何でも知っていることは、得意になってしゃべってしまう、タチの悪い動物です。


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