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すべてつくりてのひとたちへ

作者: 新品の靴

人ひとりの力ではなしえない作品を前にすると、いったいどうしたらいいのかわからなくなる

ただ涙を流し、止まらない嗚咽が止まるのを待つしか僕にはできない。


僕はどうすればいいんだろう?


そんな作品はいろんな人たち、それも技術、センス、思想、とを持った人たちが真剣に情熱を傾けそして命を削って作った作品である


それに対して

僕はひとりぼっち。技術もセンスもない。何を伝えたらいいのかもわからない。


僕はどうすればいいんだろう


圧倒的な作品を前にしてなにもできないのは悔しい。

悔しい

苛立ち

焦り


僕も、創りたい

あんなすばらしい作品を。


今すぐ。

今すぐ

今すぐ、

今すぐじゃなきゃ嫌なんだ。

すぐ創りたい。


「どうしてそんなに焦ってるの?」


つづかないから。


誰だって、最初の一歩のクオリティが低いのは当たり前だ。

でも、そんなクオリティの低い僕の作品。

そしてそこそこ技術がある人の、「うまいけど、そんなもんか。」

という感想しか湧きあがらないレベルの作品。

そして、一線を越えた、超越した作品。

それらを見比べると、途方もない道、そしてそこまで続いているのかわからない道に

絶望する。


だけど創りたい。

あんな作品を。

そんな相反する二つの感情に引き裂かれ身体としての僕は何の行動も起こせず機能停止に至る。


「結局君が努力を続けないからじゃないか。」


でも努力を続けたって、そこそこのレベルしか生まれてこないんだよ?

そして努力を続けてそこそこのレベルの人は掃いて捨てるほどいる。


スタートラインに立った僕。


先にそんなのがわんさかいたらそりゃスタートしたくなくなるでしょう?

わかってよ。

ねぇ

ねぇ!!



・・・それに、すごい作品は一つじゃない。

しかも一つのジャンルにとどまってはいない。


映画、アニメ、小説、音楽、ゲームその他諸々。


一つ一つから衝撃を受け感動というどこにでも転がってるような感情をはるかに超越した心の状態に至る作品が様々な方向から僕を攻撃しそして様々な方向の道を創りいよいよ僕を悩ませる。僕に出来る唯一の防衛手段はそれぞれのジャンルの作品を抽象化して共通項を見つけ出して太い一本の道を創ることだけだ。

それができないんだけども。

できるわけないんだけども。


眼の前に拡がった放射状に続く道を眺めながらやはり途方に暮れてしまう。

僕はどうしたらいいんだろうか。


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― 新着の感想 ―
[一言] これは素直な独白として、なかなか面白かったです。同じことを自分も思うので、共感しますね。
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