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4話

 あれから数日経った。

 彼女は教会から持ってきた服を着ていた。

「悠人くん。服似合ってますか?」

「まあ、可愛いと思う」

 20歳になっても、まだ君付けで呼ばれることに驚愕する。

 まあ、俺は何気ない返答をする。それだけで彼女は明るくなった。

「絶対好きだと思ってました」

「なんで俺の好みが分かるんだよ......」

 俺は清楚というカテゴリーの雰囲気が好きだ。恥ずかしい話。子供の頃、コミックで見た女の子が好きだった。その子がそうだった。

 『どの子がタイプ?』と聞かれたら、迷わずその子と答えるだろう。

 俺の下らない話は置いておいて。

「フフッ」と彼女は笑う。

「今日のご飯何がいいですか?」

「何でもいいよ。楓さんのご飯美味しいから」

「それが一番、困るんだよなあ」

 楓さんは苦笑した。

 そんな風に俺達は過ごして行った。


 ある日、仕事を終わらせて家に帰った時、楓さんはテーブルに腰かけていた。

 彼女は裁縫をしているようでおそらく自身でハンドメイドしたぬいぐるみを持っている。

 彼女はぬいぐるみを掲げる。

(これはブタ......?)

「これは猫です。にゃんにゃん」

「え、あ。わからなくてごめん」

 軽く謝罪する。あー猫なのか。にゃんにゃん。

「気づいてくれないの結構傷ついたなぁ......」

 彼女は子供っぽく返答する。大人っぽく返答したいが、しようにも返答に困る。だから......。

「どうしたら許してくれる?」

 なんて口からつい出てしまった。

 

 楓さんの頼み事は食材の買い出しに一緒に来て欲しいってことだった。

 夜中のスーパーは静かで24時間営業も今や珍しい。

 なんだろう。自分はこうしてていいのか、と時に思うときがある。その時、自分はすごく満たされていると感じるが、そこには何か焦燥感みたいなものがあった。

 自分は偽善活動をしている場合じゃないと感じているのかもしれない。

「私の得意料理、食べますか?」

「食べたい。すごく、美味しそうだ」

 なんて会話もいつかしなくなると思うと、自分は虚無に陥ってしまうかもしれないから。

 レジで会計を済ませる。

 そして帰り道、楓さんは言った。

「私のこと、どう思ってますか?」

「ええ?」

 それはどういう意味だろう。俺は好きだけど、それを伝えるのはさすがに気持ちが恥ずかしい。でも言ってみるか。

「家庭的で、とても素敵だと思います。貴方に出会えて、この数日、すごく幸せでした」

 そう俺は口にした。




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