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危うい龍・真太&イヅ~生まれ変わっても第4部   作者: 龍冶


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第2話

 あても無くUSBBにやって来た真太とイヅ。

 やってきた後で無計画な事を自覚した真太は、翔の時の記憶から、リラ達の家に行ってみる事にした。だが、家の真上まで来て、自分の見た目が違う事を思い出した。

 今更の自覚の無さだが、最近のぐうたらぶりからしてさもありなんといった所、本人と言うか本龍真太は、自分の愚かさに、驚愕した。

 イヅを引き連れて何となくやって来ていたのだが、

「しまった。あいつ等のとこへ行っても、俺とは分からないんだった」

 と思わず叫んだ真太を見て、イヅは、

「ひょっとして、翔ん時の知り合い?真太はヤッパリ馬鹿だねえ、アボパパが言っていたけど」

「うるさい、どうしようかな。でもこっちの事はリラ達に聞かなきゃ分からないし」

「じゃあ、信じるか信じないか分からないけど、思い切って行ってみる?」

「だけど、事情を説明する言い方が分からない、ちょっと戻って考えないと。俺、割としゃべりが苦手なんだ。一先ず出直そう。帰るぞ、イヅ」

「やれやれ、仕方ないな」

「おまえ、段々生意気になって来ているな」

 そんなあほらしい会話をしながら、帰ろうと振り向いた二龍の所へ、懐かしいリラが突然現れた。ぎょっとする真太とイヅ。

「あんたら誰、今、翔のような声が聞こえたみたいだったけど」

 おそらく勤務中らしく、USBBの警官の制服を着た、やり手の怖そうなお姉さん風のリラに怖気づく二龍。

 いかにも警官らしい、にらみを利かせるリラである。

「ぼ、ぼくたち怪しい者ではありません」

 とっさに口ごもりながら答えるイヅ。

「ふうん、そうねぇ。子供の龍って初めて見るけど、怪しくは無さそうね。人畜無害感があるし。それにしても、さっきの翔の声は何だったのかしら。そっちの坊やは黙っているけど、しゃべれない訳?」

「えっと、しゃべれない訳では無いけど・・・」

 思わず口を開く真太。

「やっぱり、翔じゃない。なんで黙っているの。と言う事は、あんたは真太でしょ。真奈さんから噂は聞いているのよ。あんたらせっかくここまで来ておいて、帰ろうとしていたでしょ。どういう事。まったくもう、翔っ、どうして死んじゃったの。説明しなさいよ、酷いじゃない。あたしを置いて行ってしまうなんて。もう、来なさいよ」

 急に泣き出したリラに驚き、真太は取りあえず逃げようとするが、リラに組みつかれてしまった。横で呆れて見ているイヅに、

「イヅ、助けろよ」

 真太に言われても、イヅはリラの挙動に恐れをなしてポカンと見ているだけである。

「何言っているのよ、もうっ。どうして死んじゃったの。やっぱり翔んとこ行こうかなと思っていたのに。あの時、刑事の試験落ちちゃってたのよ。翔と一緒に居て、馬鹿が移ったのよ、きっと。皆もそう言っているし、日の国に戻ろうと思っていたのに、うわぁん」

 真太は自分の説明の必要は無さそうだが、リラの大泣きに気まずくなり、やはり出直したい。しかし、しがみつかれて身動きできなかった。段々リラの大泣きの圧に恐怖さえ感じだし、困ったときは幼児の本能でもあり、泣くしかなくなる真太。

「うぇーん、家に帰りたいよう、放してよう」

「あら・・・、泣いちゃった」

 そう呟くリラに、やっと解放してもらった真太。しかしリラは、次に真太の手を掴んだ。ちょっと振り払うのは厳しい握り方である。

「泣かないでね、せっかく来たんだから、家に寄ってよ。アイスクリームもあるよ。もちろんイヅ君のも」

 自分が今まで泣いていた癖に、リラは状況に気付いて、幼児懐柔の作戦に出た。イヅはまんまと乗せられ、

「僕のが有るのなら、リラさんちに行こうかな。真太、事は急ぐし。アイス食べながら事情を話そうよ」

「ちぇっ、しょうがないな」

 どうせ逃げられそうにも無いので、真太もリラに連れて行かれるのだった。


 見かけだけは大柄な南国風な顔立ちの若者に見える、真太とイヅ。リラの家にお邪魔して、今は熱心にアイスクリームを食べている。USBBのスーパーでよく見かける超大型カップのアイス2個彼等に食べさせてしまっては、ストックが無くなったのだが、リラはこの際だから大盤振舞である。

「で、今まで全然連絡してこなかったくせに、どうして今日はやって来た訳?翔の真太。説明してよ」

「んー。ちょっと話は長くなるけど、今勤務中じゃないのか、リラ。暇なの?俺ちょっとこれ食べているから。イヅ、食うの速いな。もう食べ終わりそうじゃないか。だったらお前が言えよ」

「暇じゃないけど、勤務終わったら署に寄らずに自宅に帰るって連絡したから良いの。翔は相変わらずね。そっちのイヅ君ってお友達なの?」

「えーと、僕、お友達と言うより弟分っていう所です。まだ生まれて間もない頃真太んちに預けられていて、真太に面倒を見てもらっていましたから。今は僕、アマズンに戻りましたけど」

「ふうん、そうゆう事情、こっちには全然情報が来なかったのよね。どうしてかしら」

「アマズンの龍神界の事ですから。公に出来ない内容も有って」

「何が公の出来ないって?」

 そこで真太は思い出した。

「これ内緒だからね、リラ。アバとレディ・ナイラは昔夫婦だったらしいよ。もう別れたけどそこんとこの事情とかも含む事件が有ったんだ」

「ええっ。何という驚きの事実。大統領夫人にとってはスキャンダルって事」

「だから内緒だからね。彼等には死んだと思われていた息子が居てね。そいつが最近生きている事が分かって、と言うかその本人と言うか本龍が現れたんだけど、魔物とのミックスの魔女に育てられていて、例の件で弱っていたアバに取って代わるつもりで現れたんだ。その魔女に騙されていたんだけどね。もう解決しているけど、そいつの名はアビって言うんだけど、そいつは今、ナイラ川に居る。内緒だよ。多分大統領夫人の立場では不味い話だと思う。良く分からないけど、USBBでは話せない内容だね。もう言っちまったけど。で、魔物って龍の赤ちゃんをさらって食っていてね、イヅが狙われて、俺んちのママの結界の中に匿われていたんだ、しばらくの間。そう言う訳で俺とイヅとは、義兄弟かな。あは」

「ふうん、何だか端折った説明みたいだけど、まだここに来た事情には入っていないわね」

「そうそう、それな。そこはイヅが言ってみなよ」

「うん、そうだね」

 それからイヅが説明をしていると、リラの両親や弟達が帰って来た。部屋に入るなり、ショッピングセンターで偶然息子達と会ったと騒いでいる。リラの弟達はハイスクールから学校帰りに寄り道である。良くある話だ。しかし見たことの無い龍の若者が居るのに気付いて、話は止まった。聞き捨てならない話をしていると直ぐに察したようだ。

「・・・そう言う訳で、龍神は人間界の事に関わってはならないという掟があるので、龍神界のトップのアバや僕の父のイダは手出しが出来なくて、何をやらかしていようと、傍観するしかないのですが、僕や真太は人間とのミックスなので、僕らが何とかするしかないと思ったんです。真太はアバから限りなく龍神に近い存在だと聞かされたそうですけど、そこは未成年って事で大神様には大目に見てもらおうって事で。でも僕らはUSBBを良く知らないので、リラさんに聞こうと思って真太と来ました。僕はあいつの居る所の透視は出来るのですが、実際の住所とかが良く分からなくて、本当の居場所がはっきり分からないです。父親や母親の研究施設も建物は見えるけど、何処にあるかは分からないです」

 リラは、

「警察もねぇ、何かやらかすのが判っていても、具体的な事件が起きないうちは、動けないのよね。これはあんた達のお仕事みたいね。人間界としても。パソコンでそのパパやママの名前を検索してみようか。そこそこ有名人なら研究施設も有名でしょね。そして、住所も分かるでしょうよ。でも、あたしに出来る事はそこまでね。まだ何も具体的な事をやっていないんだから」

「だろうね。イヅ、今日の所はそれを調べてもらってから引き上げよう」

 真太は、多分リラはそう言うと分ってはいた。


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