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プロローグ 眠りの花嫁

真っ白なカーテンが風を含んで、春の匂いを運んでくる。甘い蜜のような香りを嗅ぐと、どうしても目の前の彼女が今にも起きてくれるのではないかと思ってしまう。


「イリス、そろそろ起きても良いんだよ。もう僕が君の、悪いところを全部治したから」


彼女の細い手を摑んだ。

眠り姫という言葉が彼女にはピッタリだった。魔法で眠らせ続けて早数年。一向に目を開けることがないのは、まだ僕が作った『存在しない人工物(アーティファクト)』がその体に合ってないのだろう。

もう少し時が満ちたらきっと馴染んでくれる。僕の魔法で作られた技術は彼女の心臓を確かに作っているから。


「ねぇっ……そろそろ起きてよ…」


赤毛の男がなおも話しかける。

それは孤独を生き抜くための希望を込めた言葉だった。

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