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異世界から聖騎士様がやってきた。

初めて小説を書いてみました。

不定期に投稿していこうと思います。

もし都内(今のところ中央線沿線と山手線あたり)でオススメのお店があったら、コメント欄で教えて頂けると嬉しいです。

困った。大変困った。


「んー!!!!この『ラーメン』という料理は素晴らしい!!この塩味のスープ、貝と鶏の味が濃厚なのにあっさりしてて食べやすい。麺の食感のなんと素晴らしいことか。この『チャーシュー』というお肉も一見淡白なのに旨味がしっかりと凝縮されていて美味しい!!え?タマゴにも味がついている!?ほっぺたが落ちてしまう!!!!」


狭い店内に響き渡るお褒めの声。

店長らしき男性が恥ずかしいような嬉しいような何とも言えない微妙な表情を浮かべている。

さっきからラーメンを褒めちぎっている隣の外国風の男が、つい1時間前オレの部屋に異世界からやってきた聖騎士様なのだ。


----------


オレの名前は内山田優。

都内のスポーツジムで働くごく普通のサラリーマンだ。

同じ職場でインストラクターをやっている友人とルームシェアをして暮らしている。

親戚に不動産屋がいたおかげで、居間のほかに個室が2つある部屋を23区内なのに格安で借りることができた。

オレの部屋にはベットに本棚、最新のゲーム機、好きな作品のグッズが置いてあるごく普通のオタク部屋だ。

変わったものといえば、一人暮らしをする際に祖父から貰った変な柄のカーペットくらいだ。

若者の部屋にはおおよそ必要無いであろうそれが先ほど突然光り輝き始め、収まったかと思ったら聖騎士様がそこにいらっしゃったのだ。


彼をみた瞬間に『これは「異世界移転」モノではないか』と直感で思ったのは、まるで歴史の資料集に載っているような古代ヨーロッパ風の鎧兜に身を包んでいたからだ。

英雄が出てくるゲームで見たような姿に、右手には綺麗な剣を、左手には豪華な装飾…ではなかった、魔法陣のような柄が描かれた盾を持っていた。

コミケとかではこういうコスプレをしている人は時々見かけるけど、残念ながら我が家はイベント会場ではない。

ハロウィンをやるには季節が真逆である。


彼はあたりをひとしきり見回したあと、振り絞るような声で「ここは…?」と一言つぶやいた。

理解が追いついていないようなので先にオレから名乗り、今置かれている状況をゆっくりと説明した。

この場所が自分がいた場所とは全く別のところだと知った際には動揺していたが、安全平和ということが理解できたからか、彼は安心した表情で武装を解除して名乗ってくれた。

「私はイルリア聖王国の聖騎士、アレクサンドルだ。よろしく。」

握手をしたがかなりガッチリして硬い手だった。


彼曰く、どうやら(彼の宗教からみると)邪教徒の襲撃を受けて領地の砦で戦っていたらしい。

その戦闘中に敵から放たれた魔法をモロに受けてしまい、壁に激突した瞬間に謎の光に包まれ、気づいたらここにいたとのことだ。

生死を分ける戦いについさっきまでいた中で、東京のアパートの一室に突然やってきたら、誰だって大混乱するだろうよ。


「とにかく元の場所に戻らないと…」


焦った様子で剣に何かブツブツと話しかけたりしている。

ちょっと聞いたところ、どうやら壁にはここにあるカーペットと同じ模様の布がかけてあったそうだ。

10分ほどアレコレやってみたが、努力虚しくカーペットが再度光ることはなかった。


落胆している彼を慰めつつ提案した。

「オレはこれからご飯を食べに行こうと思ってるんだけれど、良かったら一緒に行くかい?

元の場所にどう戻るかも分からない訳だし、今何も出来ないならとりあえずお腹満たすのが1番良いと思うけど。」

納得した彼を連れてお気に入りのラーメン屋に行き、オススメを食べさせたところ冒頭の状態になったというわけだ。


----------


「なんと…このライスをスープに入れたらまた違った美味しいに出会った…」

ちょっと、いつの間にご飯頼んだの。

その炊き込みご飯そのまま食べても美味しいんだぜ。


なお、洋服は体型が似ていたという理由で友人のを借りて着せた。さすがに鎧のままはマズいと思って。

ただ…ごめん友よ。胸筋は彼のが大きいらしい。

真ん中に大きく描かれている猫ちゃんの顔が、ちょっと引っ張られてパツっとしちゃってるよ。


「美味しかった!!ユウ、ありがとう!!ごちそうさま!!」

たっぷり褒めちぎり、追い飯まで堪能したことでラーメンの丼はすっかり空である。

「気に入ってくれて良かったよ…あはは。」


…これからどうすれば良いんだオレは。

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