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エッセイ

教えてくれジェイク、どうして自ら水を差してしまうんだい?《感想クレクレ話題》





 やあジェイク! 久しぶりだな調子はどうだい?

 

 

 ……そうか! 変わりが無いようで安心したよ!

 今日は呼び出してすまないな、実は君に聞いてもらいたいことがあるんだ。

 

 

 

 なあ、WEB小説家って知ってるか?

 今日君に話したいのはそのことでね。

 

 彼らは、自らが書いた素晴らしいストーリーをネットに無料で提供しているストイックでクレイジーでexcellentな人たちだ! 尊敬しているんだよ!

 

 

 

 彼らの間で、しばしば話題になることがある。

 それが……

 

 

 「感想・反応クレクレ」問題だ!

 彼らの中で「ページ下部の後書きで反応待ってるよメッセージを書く」の是非が議論されているんだ。

 

 

 

 これについて、ボクの見解を聞いてほしい。

 ああ、大丈夫長くはならない。

 君のジョッキが空になる前に終わる話さ!

 

 








 

 

 まずな?

 彼らの言うことはおかしくない。

 

 「趣味」・「描きたいから書いている」とはいえ、そりゃあ皆に読んでほしいし感想だってほしい。それは当たり前のことだ!

 

 

 

 ボクが小説を書いたら、まずマミーに見せるね。

 そして親友の君、あと、ボブとジェーンにもURLを送って、全文印刷し街中に配って感想を聞きまわるだろう。そして、褒めてくれた人にはハグしてキスして親友になろうと申し込むよ!

 

 

 

 けれど、これはボクの話じゃなく「ネットで書いている創作者」の話だ。見ず知らずの人間にアピールしている彼らの話さ。


 

 

 

 ボクはね?

 毎回残念に思うとともにため息をついている。

 さっき言った、ページの下に書いてある「評価・ブクマお願いします」にだよ。

 








 書くのは良いんだ。

 お願いするのは悪いことじゃない。

 でも、言わせてくれ。 

 

 

 「書くのが早すぎる」。

 

 

 

 「どういうことなのか」って?

 オウケィ!

 じゃあ、ちょっと聞いてくれよbrother!

 






 





 

 

 







 最初に言おう、これは「技術面」の話じゃない。

 そして「反応を欲しがることへの是非」でもない。

 もちろん「善悪の話」もしていないし、「文章力」「表現力」の話でもない。

 


 「タイミング」の話だ。

 

 

 

 

 対象としては、……うーんそうだな……

 「一部分につき2000-3000文字ぐらいで構成している長編」かな。そもそも短編の人も居るだろうから、そこは対象外とさせてもらうよ。

 

 

 短編と長編は別物だからね。


 

 

 いいか?

 「一部分2000-3000文字の連載をしている人」で

 「毎回作品のあとがきに書き込んでいる人」へ、だ。




 「ボクの気持ち」だ。








 

 

 

 

 

 あー…………そうだなジェイク。

 想像してくれ。




 例えば君が漫画を一冊を買ったとしよう。

 

 

 表紙に惹かれて、あらすじに惹かれて、いざページをめくり、物語を楽しむ。



 1ページ目だ。

 紙の上に広がる世界に、小さな期待のようなものを感じながら、次をめくったら

 

 



 

 「面白かった? 面白かったら感想よろしく!」

 

 


 

 ………………。




 見開きにね、書いてあるんだ。

 目に飛び込んでくるんだ。

 どうだい?

 「まだなにもわからない!!」と思うだろう?


 思わなくとも少し物語から意識が戻る。




 ……けれど君は、突然のお願いに驚き一度止まりはしたが、それでもさらに読み進めて行く。




 次のページはちゃんと物語だ。切り替えた脳が文字を追いかけ、世界に飲み込まれていく。


 「なるほどなるほど、ああ、そうなのか、そういうストーリーなのか……! 次は? 次はどうなるんだ?」と思いながらページをめくると

 



 

 「ありがとう!! ブックマーク感想ください!」

 

 

 

 ………………。

 ………………。

 ………………。

 

 ………………。

 ………………。




 oh…………

 





 ……あー、サイッコーだろ?

 いいヒヤミズだ。そのまま飲めそうだよ。

 眠りに落ちそうなところに声をかけられると言うか。

 ………………どうだろう、伝わるかな?

 



 ストーリーを楽しむ前に、現実に戻されてしまう感覚というのかな?「もう少し没頭させてほしい」というか。




 あの「ページの下の作者登場」は、これと同じことをされている気分なんだ。物語とおねだりが交互に来るんだ。

 


 

 ああ……

 もちろん気にならずに読む人間も居るだろう。

 それすら忘れて没頭してしまう物語もあるだろう。




 だから、一概には言えない。




 けれどボクが思うに、ボクと同じような人は一定数居ると思うんだ。現に「くれくれ」と揶揄されているからね。

 


 それは一定数「毎回書かれるのは鬱陶しい」と感じている人がいるからだと思う。

 









 つまりだ。 

 「もったいない」と思わないか?

 


 それさえなければ、ボクはそのまま次のページを開いてどこまでも世界に溺れてしまうかもしれないのに。


 最後まで読み切り、続きがないことに落胆絶望し、部屋の中でシャウトして連載を待つかもしれないのに! 感動が溢れた暁には、ブックマーク評価レビュー感想をしたためた後、《どうしてこれ以上応援できないんだ!》と悔いるかもしれないのに!

 

 


 なぜだ!

 なぜ水を差してくるんだジェイク!!

 なぜ「自分で掛けた魔法を解除する」ようなことをするんだ!

 

 

 

 せめて『1話分』!

 文字数で表すのなら『8000-18000』ぐらい!

 区切りで言うなら『1章』!

 いや、ぜいたくを言うなら5万文字分ぐらいは!!

 

 

 浸らせてくれよブラザー!!

 

 

 

 「余韻」は大事なんだ!

 「余韻を無視してタイミングを間違える」と、人の興味は一気に離れていく!





 その最たる例があっただろう?  

 覚えていないかい? 




 読み手の「心の動き」を無視して情報を公開して、瞬く間に消えていったコンテンツ────「100日後に4ぬワ〇」っていうんだけど。知ってるかな。

 

 



 あれは衝撃的だった。

 

 ツイッター中が「ワニくん……」と更新を待ち望み、その死を読み、受け止め咀嚼し、先遣隊が考察を呟き盛り上げる前に

 

 

 「はーーーい映画になりまーーーす!!」

 「本でるよおおおおおおおおおおおお!」


 と情報を流して、わずか数時間でトレンドが「ワニくん」から「ワニの件」に変わった、あの伝説の事件だ。

 

 




 完全にタイミングを外した例だ。

 


 「おねだりをもう少し我慢していれば」、反応は違ったかもしれないのに……!







 

 ……な?わかるだろう?

 「余韻」は大切なんだよ。

 もう少し夢を見せてくれ!


 ボクはそのまま「物語という夢」を見ていたいんだ。

 「その世界に浸っていたい」んだ。

 

 

 だから言うのさ。

 「ねだってもいい。だけど『書くのが早すぎる』」と。

 



 せめて、一章分ぐらいは、世界に入るまで時間が欲しい。








 ん?

 「でも少年誌の横の方にも書いてあるよね?」って?



 あれは「物語の枠の外」だろ?

 webページで言うならフッターの部分になる。

 フッターだったら問題ないよ。「ページをめくる」までに目に飛び込んでこない。



 引きずったまま次に行ける。








 うん?

 「Youtuberは毎回言ってる」?

 ああ、そうだ。


 「bloggerも書いてる」?

 ああ、そうだ。

 

 「人はアピールしないとくれないってこと知らないだろ」?

 いや、それは知ってるよジェイク。



 


 けれど、考えてみてくれ。

 動画と小説とブログは同じコンテンツじゃない。

 同じように「一部分ごと」だと考えてはいけないんだ。



 人の心を満たせる速度も、情報量も違う。

 楽しむスピードも違う。




 あれと同じように反応を訴えるのなら、引き込んで引きこんで、引き込んでからだ。




 「小説は、文字しかない」。

 「引き込んで引き込んで、夢中させて、満たしてこそ」反応が生まれてくる。

 

 

 

 

 

 満たしてくれたからこそ、ボクは彼らに感謝と喝采を送りたくなる。

 

 

 



 《────ああ、作者様、ありがとう!》とね。





 だから、物語の中に沈めてくれ、引っ張ってくれ。

 落としてくれ。




 浸って浸って、楽しんだ先に、一言。

 《ここまでありがとう、貴方の反応が嬉しいです》とでも書かれたら────



 すべての手段を使ってラブコールを送るよ。





  

 

 





 『この話を生み出してくれてありがとう』って


















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